猛暑お見舞い申し上げます。D2の中田はる佳です。
大変な猛暑が続く中、夏を元気に乗り切ろう!ということで研究員の方のご提案により、研究室のメンバーみんなで鰻を食べに行ってきました。くしくもその日は土用の丑の日の前日で、鰻を食すにはもってこいの日。鰻は大好きなのですが、土用の丑の日についてきちんと知らなかったので調べてみました。
「土用の丑の日(どようのうしのひ)は、土用の間のうち十二支が丑の日である。夏の土用の丑の日のことを言うことが多い。夏の土用には丑の日が年に1日か2日(平均1.57日)あり、2日ある場合はそれぞれ一の丑・二の丑という。」 (Wikipediaより)
まず、土用の丑の日が2日ある場合があることを初めて知りました。今年は7月22日と8月5日だったとのこと(2回鰻が食べられますね)。そして「土用」がわからなかったのでさらに検索。
「土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつである。俗には、夏の土用(立秋直前)を指すことが多く、夏の土用の丑の日には鰻を食べる習慣がある。」(Wikipediaより)
暦の数え方ということでしょうか。
由来については深入りせずにこの程度にして、肝心の鰻はというと、かの有名な「野田岩」に行ってまいりました!なんとこの日の前夜に、NHKの番組で野田岩が特集されていて、予習もばっちり。とても重厚なお店のつくりで、歴史が感じられました。私は、うな重とうまきを注文し、野田岩が薦めるワインとの合わせを楽しみました。鰻には日本酒だと思っていましたが、ワインとの相性もよかったです。
おいしいものでエネルギーチャージをして、みんなでざっくばらんに話をし、とても楽しい時間を過ごしました。
写真左:神々しいうまき。冷めないように保温性のあるお重に入って運ばれてきました。
写真右:美しいうな重。山椒もとても薫り高く、おいしかったです。
(D2・中田はる佳)
第34回(2013年8月2日)
本日は、以下の文献が紹介されました。
丸:
第十三章 プリコミットメントから見たアドバンス・ディレクティブ
丸 祐一
「法」における「主体」の問題 仲正昌樹編 御茶の水書房 2013年7月1日
楠瀬:
Electronic Informed Consent: Possibilities, Benefits, and Challenges
Rahlyn Gossen
Rebarinteractive April 2, 2012
中田:
Informed consent documentation for total artificial heart technology
Katrina A. Bramstedt
Journal of Artificial Organs (2001) 4:273-277
岩本:
自殺対策の推進における家族員の責務とその上昇をめぐって
藤原信行
「現代思想」2013年5月号 特集:自殺論
江:
補完代替医療の選択とSense of Coherence
本江朝美,高橋ゆかり,副島和彦,田中晶子,伊藤マモル
昭和医学会雑誌 Vol.71 (2011) No.4 P 398-407
本日は以下の報告がありました。
岩本:修論研究計画案
中田:進捗報告、学会抄録案
小林:修論中間発表の報告
趙:学会抄録案
江:進捗報告、今後の研究方針
洪、楠瀬:教室内学会発表・論文投稿等に関するルール案
こんにちは!M2の小林智穂子です。
先日(7/3)、学際情報学府修士論文の中間発表会があり、現在の研究進捗状況を発表してきました!
私の研究テーマは、『企業ボランティアの成り立ちと行方』です。研究の目的は、企業活動におけるボランティア活動の位置付けの変遷を明らかにすること。中間発表では、ボランティアと企業活動の接点に係る文献調査の経過報告を行いました。
中間発表の前週、公共政策研究分野の定例ゼミで発表予行をする機会がありましたが、ここで発表の内容や方法についてのコメントをたくさんいただきました。そこから、先生との面談やゼミで受けた質問・コメントのメモ、修論進捗報告をした際に用意していた資料、収集した資料のリストをもとに、これまでのことを振り返りながら、発表資料を一から組み立て直すつもりで手直ししました。そして、本当にギリギリのタイミングで、新たに「結論の一部」を書くことができました。
私は社会人を経て大学院に入学しました。非常勤ですがNPOでも働いています。社会人を経てから大学院に入ると、「解決したい問題」や「晴らしたいルサンチマン」がものすごく具体的なのです。ですから、単なるワタクシ論や経験論にならずに、ちゃんと「研究」になっているのか、というのは、今でも私がもっている最大の課題ですし、いつも不安を感じています。でも、この中間発表を終えて…大げさだけど言っちゃいますと、はじめて「この“研究”は私のもんだ」という感覚を感じることができました。先生や先輩諸氏のご指導なくしては、ここまでやってこられなかった…。いくら感謝しても足りません。
発表後は、安堵やら疲れやら何やらで一瞬放心状態でしたが、ここで新たな課題です。
審査をしてくださった先生がたには、(指導教官以外には口頭で経過報告をするのは初めてだったのですが)「文献だけじゃなく、インタビュー調査などもしては?」と。「せっかく経験もあるのだから。ドロドロとした現実と、理論との間をつなぐのも研究者の仕事だよ。」とアドバイスいただきました。
生々しい現場からアカデミックな世界へやってきて、いったん脇に置いた「なま」の世界に、今度は研究者として入っていく。その訓練をこれから始めます。怖いようなワクワクするような。修論を仕上げるために残された時間はあと半年もありません。ゼミにはフィールドワークやインタビュー調査のプロがたくさん。鍛えてもらおう。日々邁進!です。
わたしの子ども達はもうすぐ夏休み。私は…!?
先生からは、「まだ暑い日が続くなか、汗を拭きふき修論を執筆しているイメージをもとう。コートを着るような時期に描き始めるのでは遅いよ。」と執筆スケジュールに関して、具体的なイメージ付きのアドバイスをいただきました(これ、発表会後の打ち上げで同級生たちにシェアしたところ、「そのイメージ法(?)いいっすねぇ!」と大好評)。これから汗を拭き拭き、執筆を進めたいと思います。
(M2 小林智穂子)
本日、2013年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
詳細は、以下の通りです。
日時: | 7月10日(水)10時~12時 |
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報告者: | 趙斌(新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻 修士2年) |
タイトル: | 中国における「優生政策」と生命科学政策の相互作用 |
概要:
1980年代に開始された中国の「人口管理・優生政策」と、科学技術政策の間の相互作用について検証するとともに、今後の生命科学技術発展によって母子保健政策におけるゲノム科学の利用がいかなる方向に進むのか、また国際社会との関係性などを検討していく。それから、実際に中国での遺伝相談の医師に遺伝カウンセリングに関するインタビューを計画している。可能であれば、NIPTや胎児WGS研究・実施している中国の会社・病院へのインタビューも検討している。
第33回(2013年7月5日)
本日は、以下の文献が紹介されました。
佐藤弘之:
What's missing? Discussing stem cell translational research in educational information on stem cell “Tourism”
Zubin Master, Amy Zarzeczny, Christen Rachul, Timothy Caulfield
Journal of law, medicine and ethics
武藤:
Medical research: cell division
Meredith Wadman
Nature 498, 422-426 (27 June 2013)
神里:
Cloning debate: Stem-cell researchers must stay engaged
Martin Pera, Alan Trounson
Nature vol.498, 13 June 2013
What's human? What's animal? And what of the biology in between?
Nik Brown
The Guardian, 25 July 2011
礒部:
統合的参加型テクノロジーアセスメント手法の提案:再生医療に関する熟議キャラバン2010を題材にして
山内保典
Communication-Design. 4. 1-28, 2011
楠瀬:
Therapeutic hope, spiritual distress, and the problem of stem cell tourism
Insoo Hyun
Cell Stem Cell 12, May 2, 2013
International Society for Stem Cell Research 11th Annual Meeting
中田:
Pay-to-participate funding schemes in human cell and tissue clinical studies
Douglas Sipp
Regenerative Medicine. 2012; 7 (6 Suppl): 105-11
趙:
Current genetic counseling in China
Yuan-zhi ZHANG, Nanbert ZHONG
Journal of Peking University (Health Sciences) Vol. 38 No.1 Feb. 2006
岩本:
Advancing Neuroregenerative Medicine: a Call for Expanded Collaboration Between Scientists and Ethicists
Jocelyn Grunwell, Judy Illes, Katrina Karkazis
Neuroethics April 2009, Vol 2, Issue 1, pp13-20
Scientists form new nerve cells-directly in the brain
Science Daily Mar.26, 2013
江:
再生医療とクローン・テクノロジーの衝撃とそれに応じる制度
(中)再生醫學與複製科技之衝擊與制度回應
范建得、何建志
法律與生命科學 第七期
2008年10月
はじめまして、研究員の礒部です。
今後、つれづれなるままに、報告などを書いていければと思います。よろしくお願いします。
今回は学会参加&発表報告です。
2013年6/20~6/23に京都国際会館で開催された、ニューロ2013に参加してきました。学会の詳細については、ブログ「院生室より」の岩本さんの記事をご参照ください。私からは、ポスター発表を行った内容について簡単に報告させていただきます。
私のポスター発表は、6/22の午後の時間帯にありました。発表は以下の共著者、発表タイトルで行いました。
熟議型ワークショップの試行:一般市民はBMIについてどのような論点を有しているのか(A Deliberative Workshop Trial: What Are the General Public's Concerns About BMI?)
礒部太一、水島希、加瀬郁子、大津奈都子、内田麻理香、佐倉統
具体的な発表内容は、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)という脳神経科学の中で萌芽的技術である分野について、一般市民の方々がリスクやベネフィットについてどのような認識を有しているのかを、論点抽出ワークショップを実施することで明らかにすることを目的としたものです。
ニューロ2013は、神経科学系の学会のため、私達の発表のような脳神経科学の倫理的・社会的を扱ったものは数少なかったのですが、多くの聴衆の方々が質問に来てくださり、有意義な発表の機会となりました。今回の学会は京都で開催されましたが、次回は横浜での開催が予定されています。次回も継続して発表を行い、神経科学系の学会の中での倫理的・社会的問題の捕捉や解決について少しでも貢献できればと思います。
2013年7月より、特任研究員として、高嶋佳代さん・楠瀬まゆみさん(前職:学術支援専門職員)をお迎えしました。
どうぞよろしくお願い申し上げます!
本日は以下の報告がありました。
小林:修士論文中間発表の予行
中田:文献調査の進捗、学会参加報告(米国人工臓器学会)
岩本:研究テーマの紹介、学会参加報告(科学基礎論学会、Neuro2013)
趙:ポスター発表のふり返り、来月の公共政策セミナーの準備状況
院生室(通称3研)には、様々な研究テーマを持った院生が集っています。研究をよりよいものにするには、いろんな人の意見をもらいながら進めていくことが重要です。公共政策研究分野には、院生が研究発表をしたり研究相談をできるミーティングがいくつか用意されています。今日は、それぞれのミーティングで院生がどんなことをしているかをご紹介します。
◆公共政策セミナー(月1回)
原則として毎回一人の担当者が、自身の研究進捗や論文構想の発表を行います。院生にも年1回担当が回ってきます。このセミナーでは、学会等での発表に準ずるレベルでの報告が求められ、自身の研究全体に対するコメントをもらうことができます。ここで参加者から出されたコメントへの対応が、学会発表のときに活かされることもあります。また、発表しない回でも他のメンバーの研究を理解し、それへのコメントを出すことが求められます。これは、学会等で質問をする練習にもなります。
◆ジャーナルクラブ(月2回)
自分の興味がある文献を各自が持ち寄って、一人5分程度で内容を紹介します。文献の種類は問わず、内容も自由です。院生は原則毎回文献を紹介することになっています。ジャーナルクラブに毎回参加することで、文献の要点を理解し、まとめる力が蓄積されていきます。また、自身の研究テーマに沿った文献をまとめる作業を定期的にすることで、自分に足りない情報がわかり、今後読むべき文献のめどが立てられます。さらに、他のメンバーの文献紹介を聞くことで、知らない分野の情報を得ることができます。
◆[New!!] 定例ゼミ(月2回)
研究員の方々のご提案により、今月から新しく「定例ゼミ」が発足しました。このゼミは、細かな研究進捗状況の報告や研究相談、また、学会参加報告などメンバーで情報共有をする機会として設けられました。院生は最低月に1回は報告することになっています。学会発表や学位審査の発表の予行などをさせてもらうこともできます。日々の研究でちょっと困ったことなどをメンバーに相談することができる機会になると思います。
※初回は、M2の小林さんが修論中間発表の予行を行いました(写真)。参加したメンバーからは様々なコメントやアドバイスが出されていました。
こうした研究室内のミーティングは、院生にとって、研究のブラッシュアップとともに学外発表の練習・他分野の研究者との議論の練習によい機会となっています。
(D2・中田はる佳)
はじめまして。修士課程一年の岩本八束です。不安定な天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
6月15・16日は科学基礎論学会(大阪)に、21-23日はNeuro2013(京都)に参加してきました。二週連続で新幹線での遠出がありましたが、得るものも多くありました。
科学基礎論学会は主に科学哲学者や科学者が集まる学会で、講演やシンポジウムも科学哲学系のものでした。余談ですが、これが人生初学会で、大阪初訪問。今年は物理学の哲学や心の哲学に関する報告が多く、例年に比べて生物学や医学系の報告は少なかったそうです。学部時代は生命科学が専門で、現在も科学哲学は専門とはしていないため、理解が及ばない話もありましたが、大変興味深い話題ばかりでした。特に興味深かったのは、今話題(?)のDSM-5(精神障害の診断と統計の手引きの第五版)に関するワークショップでした。これを機に、精神疾患の診断に大きな変化が訪れる…と思います。
国立京都国際会館で行われたNeuro2013とは日本神経科学学会、日本神経化学会、日本神経回路学会の脳科学関連3学会の合同大会です。神経の文字が多数名を連ねていますが、内容ももちろん脳神経科学づくしでした。こちらの学会は英語でのセッションが多くを占めており、最初は不安でしたが次第に慣れることができました。ランチョンセミナーや教育講演、海外の著名な研究者のプレナリーレクチャーが開かれたりと、非常に充実したプログラムが組まれていました。神経新生に関する話や、エピゲノムの話など、まだまだ脳神経にはわからないことだらけで大変面白いと改めて実感しました。アメリカではヒトゲノム規模で脳の解明を目的としたプロジェクトを立ち上げているそうです。
さて、その脳神経科学が応用・発展されていくにはトランスレーショナルリサーチ(基礎研究から臨床応用へと結びつける研究)を促進したり、ブレインバンク(大規模な脳の集積活動、またはその団体)を整える必要が出てくるでしょう。Neuro2013ではそのようなセッションも用意されており、研究している方等の意見も多数聞くことができました。これからは患者(被験者)・臨床医・(基礎)研究者の三者で手を取り合いながら医療を発展させていく時代が来るだろうと仰る方もいました。また、運が良いことにブレインバンク関係者と長い時間お話させていただける機会も得られました。
空いた時間には観光もできたのでリフレッシュともなりました。渉成園の睡蓮が綺麗でした。鴨もおいしs…かわいかったです。
前述したとおり、今回初めて学会に参加したのですが、大変実りのあるものとなりました。知識も増えますが、意欲も湧きます。次回は発表を見る側では無く、発表をする側に回れたら、と思います。
(M1 岩本八束)
第32回(2013年6月21日)
本日は、以下の文献が紹介されました。
中田:
High-profile research & the media. The case of the AbioCor artificial heart.
E. Haavi Morreim
Hastings Center Report. 2004 Jan-Feb;34(1):11-24.
趙:
我国遗传服务和出生缺陷干预相关问题探讨
(Issues of Genetic Services and Birth Defects Intervention)
睢素利(SUI Su-li)
Chinese Medical Ethics. Apr. 2013 Vol. 26 No. 2
梅雨や台風で不安定な天気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。院生室(通称3研)には扇風機や虫除けマット、麦茶など夏のものが準備されつつあります。
今回は、私が参加してきた海外学会のご紹介です。6月12日から15日まで、シカゴで開催された米国人工臓器学会(American Society for Artificial Internal Organs: ASAIO(アサイオと呼ばれます))に参加してきました。この学会は、人工臓器の研究開発や臨床使用に関連する人々が集まる学会で、参加者のバックグラウンドは医学、工学、生体工学、看護などさまざまです。今回の参加の目的は、私自身が取り組んでいる医療機器×倫理というテーマでの発表場所を探すことと、アメリカにおける医療機器研究開発の現状を少しでも把握することでした。
学会初日は、小児用デバイスに特化した分科会のようなもの(PEDIATRIC MECHANICAL CIRCULATORY SUPPORT PROGRAM)が開かれていました。ここでは、小児用デバイスに関する政府の取り組みや、臨床試験の進捗状況などが発表されていました。特に、FDAやNHLBI(米国心臓、肺、血液研究所。NIH傘下の国立研究機関)など政府関連の機関の取り組みを興味深く聞きました。
翌日からは、学会の本会が始まりました。事前に公表されていたプログラムで、聞きたいセッションや見たいポスターの目星をつけていたので、それらを中心に回りました。補助人工心臓(ventricular assist device: VAD)装着患者・家族の教育に関する研究や、機械的循環補助(mechanical circulatory support: MCS)を受けている患者に対するインタビュー調査、病院で人工肺を使用した際のコスト計算をした研究など、人工臓器の研究開発・臨床使用を取り巻く社会的な課題にアプローチしたものがいくつか見られ、自身の今後の発表の参考になりました。また、プレゼンテーターが全員FDA関係者というFDA Sessionが設けられており、医療機器開発のイノベーションにおける課題、FDAの取り組みなどが紹介されていました。日本は医療機器開発のイノベーションが起こりにくい、規制が厳しい等よく言われるところですが、このセッションを聞く限りでは、アメリカでも自国の状況について同じような問題意識を持っていることが伺えました。FDA関係者は現地に来ることがなかなか難しいのか、ウェブ会議システムを用いての発表が多かったのですが、それでも多くの関係者が学会で発表し、現場の研究者等と意見交換をする試みは有益であると思いました。その他、VADコーディネーターが集まるセッションなどにも参加し、実り多い学会でした。
学会の合間には地のものを楽しもう、ということでシカゴ名物deep-dish pizzaを食べに行きました。
各種地ビールとともにいただきます。
一切れでギブアップしました。
学会に参加することで研究内容の情報収集だけでなく、発表方法なども自身の参考になることが多くあります。今後も機会を見つけて積極的に参加したいと思います。
(D2・中田はる佳)
公共政策研究分野は、文部科学省の「個人の遺伝情報に応じた医療実現プロジェクト(オーダーメイド医療実現化プロジェクト)」の社会との接点・ワーキンググループとして、プロジェクトの広報および倫理的な支援活動を行っています。その活動のひとつとして、「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」がIC担当者として養成したメディカル・コーディネーター(MC)に着目し、ゲノム医科学研究におけるインフォームド・コンセント(IC)の実践について調べました。病院で長時間の順番待ちで疲れている患者さん(試料提供者)への負担を軽減するために、MCの方々がどのようなリスク管理をし、配慮をしているのか、また、患者さんとの信頼を築くためにどのようなコミュニケーションをしているのか、その詳細について、MCさんの語りから分析しました。今後さらに注目していきたいのは、MC業務の専門性です。IC実践において、研究者側や患者さん側からMCに期待される役割は、可視化できない部分が多いため、MCの役割をどのように規定し、専門的領域を構築していくべきなのかについて、今後、他職種との比較分析をすえながら考察していきたいと思います。
○本報告書をご覧になりたい方は、こちらへ→
★PDF統合版ダウンロード(8.2MB)
※統合版をダウンロードする際には、ファイルが重いのでご注意ください。
★PDF3分割版
・Part1ダウンロード(2.1MB)
・Part2ダウンロード(5.8MB)
・Part3ダウンロード(1.7MB)
○第1期の説明同意パンフレットをご覧になりたい方は、こちらのサイトからご覧いただけます。
○第3期の説明同意パンフレットをご覧になりたい方は、こちらのサイトからご覧いただけます。
最近、医科研で研究をしている外国人研究者が増えています。日本語が話せない外国人は少なくなく、日常会話には英語が共通語として使われています。一方、日本の科学界や経済界は英語が堪能な人材を望んでいます。そのため、日本の学生たちは海外文化に触れ、英語で外国人と交流できるようになりたいと考えています。外国人研究者たちも日本の学生と楽しく交流をしたいと考えています。こうした双方の希望が合致して、「イングリッシュディナー」が生まれました。
このアイデアは、最近瀧尻崇史さん(発生工学研究分野、修士2年)が発案しました。毎週月曜日の19時半から医科研食堂に集まり、夕飯をたべながら自由に英語で話します。いろいろな国籍の学生が十人ぐらい参加しています。出欠は自由です。時々英語の意味が通じないことがありましたが、みんなが楽しんで交流していました。
多くの学生は、小さい頃から外国語を勉強しています。いろいろな英語勉強方法をさがして学んでも、なかなか英語が話せない人が少なくないです。これは、ふだん覚えた英語を口に出さないからだと思います。この「イングリッシュディナー」のような交流会は英語を話す機会が少ない学生たちによい場だと思います。
(M2・趙斌)
本日、2013年度、第2回目の公共政策セミナーが開かれました。
詳細は、以下の通りです。
日時: | 6月5日(水)10時~12時 |
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報告者: | 小林智穂子(学際情報学府修士課程) |
タイトル: | 日本企業の“社会貢献”活動 |
概要:
修士論文では、文献調査と事例検討を通じて、日本企業が実施してきた社会貢献活動を歴史的に整序するとともに、日本企業による社会貢献活動の実情や特徴を浮き彫りにしたうえで、今後の課題を模索しています。
発表は、その中間報告を行います。
ウプサラにも春が来ました。種々の花が一斉に咲き、木々の緑もすっかり濃くなりました。通学路は、人に臆せぬ鳥のさえずりに満ちています。緯度が高いので(約60度、東京は約35度)、まだ外が明るいと思って油断していると、夜の10時ごろだったりします。月末の夏至祭に向けて日照時間はまだまだ長くなります。
今は人の入れ替わりが多い時期です。最近のセミナーでは、新たに雇用される研究員の方々による研究紹介や、院生さんの進捗の発表が多いです。進行の形式は、私が日本で経験したものと大きな違いはないのですが、スライドを用いる場合のほか、院生さんの場合には、執筆中の原稿について意見を出し合うというものも多いように思われます。これとは別に、隣の部屋の哲学者がこつこつと書き溜めているセンターのブログがあります。先日、彼に頼まれて、日本の新しい公衆衛生法規に関する文章を寄せました。関心のある方はこちらからどうぞ。
ところで先週には学位授与式の日がありました。授与者を満載したにぎやかなオープントップバスが市内を練り進んでいました。また、ウプサラでは、式当日に軍が授与者の数だけ祝砲を打つことが慣例となっています。
ウプサラはやや特異な場所だとしても、一般にスウェーデンでは、学術研究への社会の信頼が高いとされています。例えば、重要な法案の審議や政策立案においては、学識者の意見を聞く段階が設けられますし、医学研究においても学術研究への試料の利用に異論を唱える声は限られてきました。しかし、個々の学識者についていえば、それらの発言力は過小に評価されることもなければ、過大に評価されているわけでもなく、個々人の専門性に関して淡々と受け止められている観があります。契約外の労務に動員されることもなければ、一方で、専門分野以外にも影響力を有するようなカリスマ性も期待されていないというところです。
一方で、学識者が実務作業や社会に対して持つ視点も、どことなくドライなものを感じます。例えば、スウェーデンの医療体制は現在、深刻な状況に直面しています。しかし、これまで大学研究者による問題提起は活発でなかったように思います。先日のストックホルムでの焼打騒動は日本でも紹介されたようですが、このあたりも行政の仕事ということで淡々と受け止められているように思うのです。暗黙の距離感というか、役割分担のようなものがあるのかもしれませんが、よく分かりません。こちらで滞在を始めてから何となく感じ続けてきたことなので、書いてみました。
写真:ウプサラ駅前。暖かくなったので、日向ぼっこをする人、日光浴をする人をよく見かけます。
(井上:ウプサラ大学にて在外研究中/スウェーデン王国)
2013年6月1日(土)
オープン・ラボ
時間: | 11時~15時 |
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場所: | 公共政策研究分野研究室(白金台キャンパス) |
大学院進学に関するご相談をラボでお受けします。事前にご連絡をいただければ、大変うれしいですが、当日訪問でも構いません。お気軽にお越し下さい。
2013年6月1日(土)
大学院学際情報学府入試説明会
「各研究室のブース展示と研究紹介」にも参加します
時間: | 16時~17時 |
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場所: | 東京大学本郷キャンパス福武ホール 地下二階ラーニングシアター 地下鉄丸の内線・大江戸線[本郷三丁目駅]から徒歩8分 地下鉄南北線[東大前駅]から徒歩8分 |
ご都合により、以上の行事に参加できない場合には、お問い合わせください。
なお、今年度の入試に関して、受験を検討される方からのご相談を受けられる期間は、出願前までとなっております。
■新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻を受験される方は、6月20日(木)まで
■大学院学際情報学府文化・人間情報学コースを受験される方は、7月15日(月)まで
ご注意ください。
博士課程2年の中田はる佳です。
しばらく更新が止まっていた「院生室より」ですが、今年度からは院生も6名になり、様々なバックグラウンドを持つ学生が集まるようになったので積極的にいろいろなことを発信していきたいと思います。
さて、2013年度の1本目は、ちょっと変わった私の博士課程研究生活についてご紹介したいと思います。
公共政策研究分野には主に院生たちが集っている部屋(通称「3研」)があるのですが、普段はそこにはおらず、大阪の国立循環器病研究センターで非常勤研究員として勤務しています。このセンターは、循環器疾患の抑圧を目標として設置されたナショナルセンターで、特に医療機器の研究開発に力を入れており、いわゆる医工連携を肌で感じることができます。私は現在「医療機器と倫理」をキーワードに研究を進めており、格好の研究フィールドとなっています。
東京の研究室に所属して、普段は大阪にいるの?いつ研究室に行くの?とよく不思議がられますが、白金台の「3研」には、第一・第三金曜日に行われる教室ミーティングとジャーナルクラブ、月に一回行われる公共政策セミナーのときにやってきます。その機会を利用して、研究相談や進捗報告をしたり、外部の方を交えて研究ミーティングをしたりしています。また、この時が他の院生や研究員の人たちと直接情報交換ができる貴重なときでもあります。
博士課程1年目は研究計画を具体的に詰める、という「考える」作業であっ?!という間に過ぎました。今年度は博士論文用のデータ収集・分析を進めることと、それとは別に論文を1本書き上げるという「手を動かす」ことが目標です。まだ2013年度が始まったばかりですが、長いようで短い1年間になりそうです。
(D2・中田はる佳)
第31回(2013年5月17日)
本日は、以下の文献が紹介されました。
神里:
「第一部表象される身体<理論編>」
浮ヶ谷幸代
「身体と境界の人類学」(2010年)春風社
礒部:
「第9章 ワークショップの評価」
高木光太郎
苅宿俊文、佐伯 胖、高木 光太郎 編「ワークショップと学び3 まなびほぐしのデザイン」(2012)東京大学出版会
中田:
Failure Mode and Effects Analysis as an Informed Consent Tool for Investigational Cardiothoracic Devices
Katrina A. Bramstedt
ASAIO Journal. 2002 May-Jun; 48(3):293-295
趙:
Second Opinions: The Old Eugenics and the New Genetics Compared
Merryn Ekberg
Social History of Medicine Vol. 20, No. 3 pp. 581-593
岩本:
Male microchimerism in the human female brain
William F. N. Chan, Cécile Gurnot, Thomas J. Montine, Joshua A. Sonnen, Katherine A. Guthrie, J. Lee Nelson
PLos One. 2012;7(9):e45592. 2012 Sep 26
江:
Use of Complementary and Alternative Medicine Among Patients with Cancer Receiving Outpatient Chemotherapy in Taiwan
Che Yang, Li-Yin Chien, Chen-Jei Tai.
The Journal of Alternative and Complementary Medicine. May 2008, 14(4): 413-416.