研究倫理研修会「データ共有時代の倫理的課題と個人情報保護」のご案内(12/2)

2015/11/20

こんにちは、特任研究員の高島です。

このたび、本教室が携わっておりますAMED『次世代がん研究シーズ戦略的プログラム』に関連して、表題の研修会を開催することとなりました。

テーマは「データ共有時代の倫理的課題と個人情報保護」です。
ゲストスピーカーには、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)の川嶋実苗様をお迎えします。

年末のご多忙な時期とは存じますが、ご関心のある皆様に、是非ご参加いただけましたら幸いです。

日時: 平成27年12月2日(水)14:30~16:30
場所: コンベンションルーム・AP品川 7階 会議室
〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 京急第2ビル
プログラム:
  1. NBDCヒトデータベース運営において直面する倫理的問題
    (川嶋 実苗氏 バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC))
  2. 家族性疾患研究のデータ共有に伴う倫理的課題
    (高島 響子 東京大学医科学研究所公共政策研究分野)
  3. ゲノム医療実現に向けた国の施策について
    (武藤 香織 東京大学医科学研究所公共政策研究分野)
申し込み方法: 11月25日(水)までに、別紙申込書にご記入の上、FAXまたはメールにてご連絡ください。
宛先は申込書をご確認ください。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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第70回 ジャーナルクラブ記録

2015/11/06

第70回(2015年11月6日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

武藤:
Reporting individual results for biomonitoring and environmental exposures: lessons learned from environmental communication case studies
Julia Green Brody, Sarah C Dunagan, Rachel Morello-Frosch, Phil Brown, Sharyle Patton and Ruthann A Rudel
Environmental Health.13:40.2014

佐藤:
Naturalism and the social model of disability: allied or antiethical?
Dominic A Sisti
Journal of Medical Ethics.41:553–556.2014

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2015年度第6回公共政策セミナー

2015/11/04

本日、2015年度、第6回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年11月4日(水) 10時00分~12時30分

発表者: 洪賢秀(公共政策研究分野 特任助教)
タイトル: 韓国社会における個人情報をめぐる諸課題~遺伝情報の利用を中心に

概要:

韓国では、1962年に住民登録法に基づく住民登録番号制度が導入にされ、行政、金融、医療、福祉など社会全般において個人識別目的で広く使用されている。しかし、近年、個人情報漏洩が深刻な社会問題として浮上してきたことから、韓国政府は、「個人情報保護法」を改正(2013)し、不必要に住民登録番号を収集することを禁じた(2014)。本報告では、韓国社会の個人情報の取扱いに関する変化をふまえ、個人情報のなかに位置づけられている遺伝情報をめぐる議論と、一般市民の遺伝情報に関する意識について考察する。

発表者: 藤澤空見子(学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程2年)
タイトル: 非侵襲的出生前遺伝学的検査(Non-Invasive Prenatal genetic Test:NIPT)をめぐる、認定遺伝カウンセラーとクライエントの関係

概要:

修士論文作成のための調査の中間報告を行う。中間発表(7/1(水))以降、科学技術社会論の先行研究調査、特に専門家と非専門家の科学コミュニケーションに注力して文献調査を進めたことに加え、一般市民を対象とした意識調査の結果分析にも取り組んだ。これらの結果を中心に報告を行う。また、認定遺伝カウンセラーを対象とした質問紙調査・インタビュー調査の準備に現在取り組んでおり、その進捗状況や今後のスケジュールについても述べる。自身の研究報告に合わせて、佐倉研との合同ゼミ合宿(10/3(土)-4(日))や日本人類遺伝学会ポスター発表(10/16(金))でいただいたコメント等も紹介する。

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インタビューのご協力ありがとうございました!(吉田)

2015/11/03

ずいぶんと朝晩冷え込んできました。
最近は出張が多く、この季節はホテルでの乾燥問題が深刻です。
朝起きると声がガラッガラになりますよね?え?わたしだけですか?
こんにちは、特任研究員の吉田です。

さて、以前からパンフレット配布や勉強会等を通じてご協力のお願いをしておりました、「臨床試験・治験参加者さんのインタビュー」が全て終了しましたことをここにお知らせいたします。

北は北海道から、南は大分まで、総勢42名の方々に臨床試験・治験に参加に関するお話を伺うことができました。今回こちらが設定していた条件に合わず、せっかくご連絡くださったにもかかわらずインタビューできなかった方々も含めまして、本当にみなさまありがとうございました。

現在は協力してくださったかたたちの語りの分析作業をおこなっています。その後その語りを第三者の有識者の方たちにチェックしていただき、web掲載いたします。
webの公開は来年の春を予定しておりますので、もうしばらくお待ちください。どうぞお楽しみに!

写真:インタビューで行った先々でご当地ゆるキャラを買っていたらこんなことになってしまいました。

(文責:吉田幸恵)

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【院生室より】インタビュー練習会を行いました

2015/10/31

M2の藤澤空見子です。
秋晴れが続いており、心地いい天気が続いていますね。

先日、M2の李怡然さんと共にインタビュー練習会を開催しました。
私が調査の中でインタビューを行うため、その練習にお付き合いただく形で李さんがご協力してくださいました。(李さん、お忙しい中ありがとうございました!)

学部時代はいわゆる理系の学生だったので、初めてのインタビュー体験ということで、リハーサル前は非常に緊張しました。
終わった後の感想は、まず、予想の10倍疲れたということです。笑
インタビューイーの話す内容と自分のインタビューガイドを照らし合わせながら話を聞く、そしてお話してくださる内容から次へと繋がる質問を考える...という作業を約1時間続けるためには相当の体力がいると気付き、驚きが大きかったです。
その他にも、インタビューイーの今の発言が自分の研究にどう活かされるのかを考えたり、時間配分に気を配ったり...不慣れなこともあり、終始頭がフル回転状態でした。

しかし、インタビューガイドの内容や冒頭説明の仕方など、様々な点で気付きを得ることができ、非常に有意義な経験となりました。
李さんにもフィードバックをいただけたので、今後の参考にさせていただきます。
今回の経験を活かし、インタビュー調査関連の資料の修正に着手していきたいと思います!

(M2・藤澤空見子)

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「研究倫理を語る会」(12/12)にぜひ参加してください!(武藤)

2015/10/30

我が国における医学系研究の発展のためには、科学的側面と同時に、倫理的側面の妥当性が十分吟味される必要があります。そのためには、臨床研究および研究倫理審査の支援体制のさらなる充実が不可欠です。

また、現在、倫理審査委員会の標準化や認定制度の導入が検討されていますが、倫理審査の現場で遭遇する様々な問題の対応には多くの施設で苦慮しているのが現状です。こうした現状は、各施設で研究倫理に携わる人々が一堂に会し、意見交換する機会に恵まれてこなかったことが大きな一因と考えられます。

そこで、この度、「研究倫理を語る会」を平成27年12月12日(土)に東京医科歯科大学(東京都文京区)にて開催することになりました。この催しの目的は、医学系研究を支える様々なステークホルダー(研究機関の長・研究者・医療者・研究支援者・研究倫理支援者・CRC・倫理審査委員会委員・倫理審査委員会事務局員・患者・企業等)が一堂に会し、多方面からの討論ができる時間をつくること、そして、臨床研究支援・研究倫理支援に携わる方々の情報共有・意見交換の場を設けることです。この催しを通じて、研究倫理に関連する様々な学協会が緩やかな連携を目指した協議会が発足し、研究倫理に関わる人材育成や生涯研修の場になれば、これほど嬉しいことはありません。

「研究倫理を語る会」の趣旨をご理解いただき、幅広くご案内を賜りたく、ここにお願い申し上げる次第です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

東京医科歯科大学生命倫理研究センター 吉田雅幸
東京大学医科学研究所公共政策研究分野 武藤香織

■「研究倫理を語る会」チラシ&タイムテーブルはこちらです。

■「研究倫理を語る会」ウェブサイトより事前申し込みをお願いいたします。
また、ポスター演題のお申し込み、まだ受け付けております。自施設でのお取り組みのご紹介や問題提起など、お気軽にどうぞ! 11月15日(日)事務局必着でお願いいたします。

【「研究倫理を語る会」世話人会】 吉田雅幸 (東京医科歯科大学・代表)
武藤香織 (東京大学・副代表)
飯島祥彦 (名古屋大学)
板井孝壱郎(宮崎大学)
市川家國 (信州大学)
勝原裕美子(聖隷浜松病院)
加藤和人 (大阪大学)
笹栗俊之 (九州大学)
澁谷和俊 (東邦大学)
田代志門 (国立がん研究センター)
森下典子 (国立病院機構大阪医療センター)
山下紀子 (国立がん研究センター)
【協賛】 医学系大学倫理委員会連絡会議
日本医師会
日本臨床試験学会
日本製薬工業協会
日本医療機器産業連合会
株式会社ビッグバン
CITI Japan プロジェクト(事業統括 福嶋義光)
ICR臨床研究入門(研究代表者 山本精一郎)
【後援】 日本医学会連合
全国医学部長病院長会議
日本医療研究開発機構
文部科学省(予定)

(2015.10.15時点)

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神里 彩子・武藤 香織 編集 『医学・生命科学の研究倫理ハンドブック』(東京大学出版会)を上梓しました(神里)

2015/10/21

近年、度重なる研究不正の発覚を通して「研究倫理」が社会的に注目されています。
そして、研究不正の再発防止策として研究倫理教育の重要性が叫ばれ、研究倫理に関する研修やe-learning等の受講が公的研究費申請条件にもなりました。
一昔前は、「面倒臭い、研究を妨げるもの」として研究者から嫌われ者だった研究倫理。それが、ここ1~2年で急に株を上げ、今や研究者が異口同音に「大切!重要!」と言っています。
でも、なぜ大切であり、重要なのでしょうか?
「科研費申請に必要だから....」、心の中でそうつぶやく研究者は残念ながら多い気がします。
何のために研究倫理を学ぶ必要があるのか、この点への理解がなければ研修や講義はただただつまらない時間になってしまいます。

公共政策研究分野では、研究倫理に関する研究を進めるとともに、さまざまな大学や研究機関での講義、また、研究者への研修にも数多く携わってきました。特に東京大学大学院創成科学研究科においては、科目「研究倫理・医療倫理」を毎年担当させていただき、未来の医学・生命科学を担う学生に話をする機会を得てきました。
そうした中、医学・生命科学研究分野の学生や若手研究者が「研究倫理」に対してマイナスなイメージを抱くことなく、「研究倫理」と仲良く付いながら研究できるように導くことがとても大切であると気づきました。仲良くお付き合いするには、まず相手のことを知らなければなりません。そこで、「研究倫理」に関する基本的な知識と感覚を学生や若手研究者に身につけてもらえる教科書を作りたい、そんな思いで作ったのが本書です。

本書は3部構成になっています。第1部「人を対象とする医学・生命科学研究に関する倫理の基礎知識」では、研究倫理が誕生した歴史や、研究に人体試料を用いる場合の倫理的取り扱い、研究対象者(被験者)からのインフォームド・コンセントの取得方法、また、日本における人を対象とした研究の倫理的ルールの枠組みなど、研究倫理の「いろは」について解説しました。
第2部「研究領域特有の倫理」は、応用編として、ゲノム医学研究や調査研究、臨床試験、幹細胞研究、脳神経科学研究といったそれぞれの研究領域に固有の倫理的配慮事項について、また、動物実験における倫理を紹介しています。
そして、第3部「研究者としての倫理」では、実験が終了した後に研究者がとるべき行動や適正な研究発表、研究活動の信頼性を得るための行動など、研究者として行うべき倫理的行動について学べるようにしました。
また、それぞれのレクチャーには、関連する事柄をコラムとして入れています。

「研究倫理はなぜ重要なのか?」、このハンドブックを読んでいただければ、きっと答えが見つかるはずです。全編口語体にしていますので、手軽に読んでいただけると思います。
また、研究者以外の方にも、研究倫理とはどういうものかを知るのにお役立ていただければ幸いです。

東京大学出版会の住田様の多大なるご支援・ご助言がなければ、本書の誕生はあり得ませんでした。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました!

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2015年度第5回公共政策セミナー

2015/10/07

本日、2015年度、第5回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年10月7日(水) 10時00分~12時30分

発表者: 高島響子(医科学研究所 特任研究員)
タイトル: 家族性疾患登録および研究における家系員への倫理的配慮

概要:

【目的】
家族性(遺伝性)疾患では、疾患のメカニズムや関連する遺伝情報を明らかにするために、患者(以下、発端者)に加えて、症状が出現していない血縁者(以下、家系員)も対象とし、ゲノムを幅広く探索するとともに、長期にわたって疾患の発症状況等の情報を追跡する研究が重要である。国際的には、複数の疾患において家系員登録が日本よりも先行して構築されてきた。近年、国内でも家族性アルツハイマー病や遺伝性乳癌・卵巣がん症候群、家族性膵腫瘍等において登録制度の構築が進んでいる。しかし、家族性疾患に配慮した長期追跡に関する倫理的課題の抽出と対応は十分ではない。そこで本報告では、国内外の研究倫理指針を踏まえながら、対象者の選定から登録過程、追跡研究の実施中に渡って生じうる倫理的問題について検討し、研究者に求められる対応を考察する。

【方法】
文献的検討及び国内の事例検討をおこなった。

【結果】
登録対象の家系員は、一般集団よりも高い確率で将来疾患を発症する可能性があり、登録過程を通じて自身の疾患リスクを知る可能性があるという点で通常の研究対象者よりも脆弱性を有した存在といえる。したがって、登録参加のインフォームド・コンセントを得る前にまず、登録対象となった理由と連絡方法について研究者から(場合によっては発端者を介して)情報提供される必要がある。とりわけ疾患によって「家族性」といっても遺伝形式や浸透率が異なる場合があることから、対象登録制度における「家族性」の意味を明確にすることが重要である。追跡期間中では、研究開始時には未知であったゲノム医学上の知見が明らかになる場合の個人の遺伝情報の取扱い、家系員に疾患が発症した場合の対処が重要と考えられた。

【考察】
研究者は、家族性疾患の家系員が有する脆弱性、個々の対象疾患および登録制度の特徴、追跡期間が長期に渡ることに配慮し対応方法を検討することが求められる。

発表者: 李 怡然(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程2年)
タイトル: 子を対象とする医学系研究の告知とアセント―出生コホート研究を事例に―

概要:

近年、環境が小児の健康と発達に与える影響への関心から、親子を長期的に追跡する出生コホート研究と呼ばれる観察研究が世界的な規模で実施されている。出生前に親が子の研究参加に同意するため、成長後にいつ・どうようにして子本人の意思確認(インフォームド・アセント)を行うかが倫理的な課題の一つとして指摘されてきた。しかし、先行研究ではアセントの前提として子に研究参加の事実を知らせる告知の段階については十分考察に至っていない。そこで本研究では、研究参加者の親と研究に携わる専門家がもつ告知の意図やその差異を明らかにするために、インタビュー調査を実施した。今回のセミナー発表では、研究参加者を対象とした構造化面接・半構造化面接および専門家を対象とした半構造化面接について、結果の中間報告を行う。

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【院生室より】佐倉研と合同ゼミ合宿を行いました

2015/10/04

M1の佐藤桃子です。
ここ数日は気持ちよく晴れて、秋らしい日が続いていますね。

先日、学際情報学府の佐倉統先生の研究室と、合同で1泊のゼミ合宿を開催しました。
武藤研からは武藤先生、院生3名、内定生1名が参加し、M2の先輩方は修論構想の発表を、それ以外の参加者は自身の研究の紹介を行いました。

訪れた東大施設の山中寮はとても良い環境の綺麗な施設で、充実した1泊2日となりました。
特に発表後のディスカッションは非常に盛り上がり、佐倉研の方と共通の問題意識が見つかるなど、多くの刺激を受けることができました。
また、夜の懇親会では来年度から研究室に来る内定生とも交流できました。

武藤研での合宿は初めてだったそうですが、来年度も継続していければと思っています!

(M1 佐藤桃子)

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2015年度第4回公共政策セミナー

2015/09/30

本日、2015年度、第4回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年9月30日(水) 10時00分~12時30分

発表者: 井上悠輔(医科学研究所、大学院新領域創成科学研究科)
タイトル: 動物個体内での人臓器構築と「広い同意」

概要:

一般市民および研究者を対象とした共通設問郵送調査の結果を踏まえ、人試料の動物への導入と「広い同意」について検討します。研究活動への試料提供について、提供者から使用計画ごとに個別に同意を取得する従来の方式に加え、最近では「広い同意」(broad_consent)が注目されるようになりました。この方式については、試料の柔軟な利活用が期待される反面、除外規定(exclusion_clause)や再同意の基準も並行して検討する必要があります。人試料を動物胚に導入して動物個体内で臓器を作成する研究について、個別に同意取得は必要でしょうか。この検討を事例として、専らバイオバンクの文脈で検討されてきた「広い同意」と、iPS細胞以降の再生医学研究との接続を考えたいと思います。

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第69回 ジャーナルクラブ記録

2015/09/18

第69回(2015年9月18日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
プロフェッショナリズムの認知的基礎
リチャード・クルーズ、シルヴィア・クルーズ
医療プロフェッショナリズム教育 理論と原則.第一章.2012.

佐藤:
日本における新型出生前診断(NIPT)のガバナンス―臨床研究開始まで
松原洋子
生存学研究センター報告書.22:69-85.2014.

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【院生室より】お楽しみ企画・飲茶会

2015/09/17

M2の藤澤空見子です。
やっと晴れ間が出てきたと思ったら、またはっきりしない天気が続いていますね。
晴れの日が恋しいです。

昨日は、院生が企画したお楽しみ企画ということで、「飲茶会」を開催致しました!
...と言っても、私達自身で飲茶を作ったわけではなく、研究室近くの中華料理店の飲茶食べ放題に行きました。
有名な中華料理店が期間限定で食べ放題を実施するということで、同期と「飲茶会」を企画し、研究室の方々と一緒においしい飲茶を堪能してきました。

今回の企画では、なんと合計8名が参加してくださいました!
わいわいと楽しいひとときを過ごすことができ、私自身にとっても良い気分展開になりました。
私も含め、皆さんつい食べ過ぎてしまったようで最後は口々に「苦しい」とおっしゃっていました。笑

不定期になるとは思いますが、今後もぜひこのような会を企画していきたいと思います。

(M2・藤澤空見子)

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【院生室より】マレーシア大学の方が来訪されました

2015/09/09

M2の李怡然です。
台風18号の影響で大雨警報が出ていて、今後の進路が気になるところです。皆さまもどうぞお気を付けてお過ごし下さい。

本日の午後、マレーシア大学Cancer Research Malaysiaから院生2名と教授、日本語がとても流暢なアドミニストレーターの方が公共政策に来訪されました。がん等の基礎研究をされているとお聞きしていたので、うまくお話できるだろうか...とどきどきしつつも交流できることを心待ちにしていました。

こちらはスタッフの方3名、院生2名で出迎え、それぞれが以前発表したポスターを貼って紹介したところ、さっそく関心を示されて多くの質問やコメントをいただきました。生命倫理や研究倫理をはじめとする公共政策の活動やプロジェクトにも興味をもって下さり、こちらもマレーシアでの研究や院生生活について知ることができました。日本のおやつをつまみつつ(抹茶入りのお菓子や金平糖が好評でした!)リラックスした雰囲気の中で盛り上がり、2時間があっという間に過ぎました。

印象深かったのは、マレーシアではさまざまなエスニシティをもつ方が集まるので、宗教や文化的な背景、ジェンダーについて身近に考える機会が多いということです。医療や研究も含めて、そうした相手のバックグラウンドを意識しつつ接することが大切だという、先生のユーモアを交えたお話に、私たちも思わず引き込まれて聴き入っていました。

あいにくのゲリラ豪雨という天気でしたが、「マレーシアではよくある、大したことないよ」という冗談とともに笑顔で研究室をあとにされたご一行を見て、私たちもほっと和みました。

海外、特に東南アジア圏の先生や学生さんと交流する機会は少ないので、とても貴重な時間を過ごすことができたと思います。個人的には、英語で自分の研究関心を十分に伝えることができず、留学経験のあるスタッフの方に助けてもらう場面もありましたが、今後もこうした場を通じて、ぜひ多くの国の方と交流を広げられたらと思います。

Thank you very much for coming all the way!

(M2 李怡然)

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【院生室より】厚生労働省でのインターン

2015/09/05

はじめまして。M1の佐藤桃子です。
まだまだ公共政策に来て日が浅いのですが、きちんと発信していければと思います。よろしくお願いします。

さて早速ですが、8月の後半、厚生労働省でインターンシップを体験してきました。
受け入れ先は健康局の、「疾病対策課・臓器移植医療推進室」という部署です。
臓器移植と造血幹細胞移植(骨髄移植など)に関わる医療を取り扱っています。
この部署を希望したのは、生命倫理でよく扱われる移植というトピックにおいて、行政はどういった業務をするのだろうか…?と疑問に思っていたからです。
行ってみると、部署の方々は非常に親切に業務を教えてくれたり、見学に連れて行ってくれたりしました。
特に印象的だったのは、さい帯血バンクの見学です。
出産直後のお母さんの胎盤から採取され、白血病など血液の病気の方のために移植されるさい帯血は、液体窒素で厳重に保管しなければなりません。
巨大な液体窒素のタンクや、加工のための無菌室はなかなか見る機会がなく、興味深かったです。意外と採取する臍帯血は少ないんだな…と感じました。

他にも貴重な体験がたくさんできたので、冬学期以降の授業に活かしていければと思っています。

(M1・佐藤桃子)

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第68回 ジャーナルクラブ記録

2015/09/04

第68回(2015年9月4日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

高島:
Return of genetic testing results in the era of whole-genome sequencing
Knoppers BM, Zawati MH, Sénécal K
Nat Rev Genet.16(9):553-9.2015.

藤澤:
Moving Beyond Social and Epistemological ‘Bundan’ in Fukushima
Vaughan, Tyson
5 Designing Media Ecology.3:52-57.2015.

佐藤:
Evaluation of non-invasive prenatal testing (NIPT) for aneuploidy in an NHS setting: a reliable accurate prenatal non-invasive diagnosis (RAPID) protocol
Melissa Hill et al.
BMC Pregnancy and Childbirth.14:229.2014.

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再生医療実現化ハイウェイ・プロジェクトで行ったインフォームド・コンセント研修等についての論文が掲載されました。(楠瀬)

2015/08/18

South African Journal of Bioethics and Law に、下記の論文が掲載されました。

M Kusunose, F Nagamura, K Muto. Informed Consent in Clinical Trials Using Stem Cells: Suggestions and Points of Attention from Informed Consent Training Workshops in Japan. S Afr J BL 2015;8(2 Suppl 1):49-54. DOI:7196/SAJBL.8016

2014年に世界に先駆けてiPS細胞を用いた臨床研究が実施され、再生医療への期待が高まっています。そのような中、患者さんに研究への参加をお考えいただくにあたって、リスクや利益等を含め研究について判断に必要な情報を提供し、治療との誤解を避け正しい理解のもと、自発的に参加を決めていただくというインフォームド・コンセント(IC)のプロセスの重要性は、被験者保護の観点からも高く認識されているところです。しかし、実際にどのように説明すればよいか、研究参加候補者の理解度や自発性をどのように図ればよいかといった実践的なICスキルを習得する場はそれほど多くありません。そこで我々は、2014年2回にわたりアメリカより講師を招いて、再生医療実現ハイウェイプロジェクトで研究におけるICに関与している方々を対象にし、役者に被験者候補者を演てもらってICを行うという、ロール・プレイ方式のIC研修を実施しました。

本稿では、研修内容について報告するとともに研修から得られたICを行う上での留意点や、同じく2014に開催された患者会の皆さんとのワークショップの報告書から得られた、患者さんが研究参加にあたって知りたいと思う情報について検討し、ICを行う側のスキルの養成と教育の重要性について述べています。

また本IC研修で用いられた研究の説明同意文書、患者情報提供書等については、テキスト化、ビデオ教材化の作業を開始しており、再生医療の文脈を超えてIC教育に利用できるようにしたいと考えています。

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第67回 ジャーナルクラブ記録

2015/08/07

第67回(2015年8月7日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
プラセボに関する日本人の知識と臨床試験への参加意識に関するインターネット調査:2003年の2013年の比較
津谷喜一郎・小出宏・中野重行
臨床薬理46(4):199-210.2015

高嶋:
Adapting Standards: Ethical Oversight of Participant-Led Health Research
Vayena E, Tasioulas J
PLoS Med,10(3):1-5.2013

江:
「薬ネット販売解禁へ 大衆薬、原則全て対象」
日本経済新聞,2013年6月4日

李:
Research With Children
Bernard,Lo
Ethical Issues in Clinical Research: A Practical Guide, Philadelphia: LWW.
Chap.17,156-167.2009

佐藤:
ASHG POSITION STATEMENT Points to Consider: Ethical, Legal, and Psychosocial Implications of Genetic Testing in Children and Adolescents
Jeffrey R. Botkin et al.
American Journal of Human Genetics,97:6-21.2015

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お子さん向けに採血やiPS細胞を用いた研究参加について説明した絵本を作りました!(楠瀬)

2015/08/04

研究の中には、病気の治療法開発や創薬に向け、お子さんにもご協力をお願いする研究があります。「再生医療実現拠点ネットワーク事業」の中の「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」でも、お子さんに血液の提供をお願いすることがあります。

成人の方に研究参加を考えて頂く場合、研究について説明を受け、自由な意思と判断に基づいて研究への参加を決めて頂く「インフォームド・コンセント」というプロセスがあります。お子さんの場合にも、保護者の方に研究についてご説明し許可を頂くほか、お子さんに対しても可能な限り説明を行い、研究参加について賛意さんいを求める「インフォームド・アセント」という考え方があります。ただし、お子さんの場合、理解力や判断能力が成長段階や個々のお子さんによってケース・バイ・ケースで異なってきます。

そこで今回は、お子さん向けに採血と研究について説明した絵本を2種類作製しました。

「オレンジ色の絵本」は、読み聞かせを想定した7歳未満程度のお子さんを対象とした幼児用絵本です。研究の説明よりも、むしろ採血についての説明を主としています。この絵本は、研究だけでなく一般的な採血の説明にも使って頂ける内容だと思います。

「みどり色の絵本」は、小学校低学年を対象としており、研究の説明や提供して頂いた血液の役立て方、採血の方法等について説明した絵本です。

両者とも、楽しみながら読み進められるよう、遊びの要素をちりばめていますので、ぜひ一度遊んでみて下さい。

幼児用絵本は、こちらをクリック!
低学年用絵本は、こちらをクリック!

次回は、マンガを使った小学校高学年用の研究説明冊子を作製する予定です。

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2015年度第3回公共政策セミナー

2015/07/29

本日、2015年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年7月29日(水)10時00分~12時30分

発表者: 武藤香織(公共政策研究分野 教授)
タイトル: 人文・社会科学研究の研究倫理教育について

概要:

2014年に「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」が改正されて以降、人文・社会科学系の研究機関でも研究不正や研究倫理に関する大学院教育、Faculty Developmentが実施されるようになった。しかしながら、医学・生命科学分野以上に学問の手法上の多様性があること、事例が蓄積されていないことなどから、教育内容は未成熟な状況にある。本報告では、報告者が試行してきた教育内容を振り返りつつ、デブリーフィング、悪事の是認など特有の論点に関する検討を含め、人文・社会科学研究の研究倫理教育を体系化を目指すための論点整理をしたい。

発表者: 岩本八束(新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 修士課程2年)
タイトル: メディアにおける「バイオバンク」の語られ方―日米の新聞記事比較を通して―

概要:

現代の生命科学・医学研究において、ヒト試料を用いた研究は不可欠であり、ヒト試料の収集・保管・配布を行う「バイオバンク」は重要な役割をもつ。現在、その運用がもたらす社会的な影響にも注目が集まっており、「バイオバンク」は社会に対する責任を果たすことが求められている。しかし、これまで責任の観点から「バイオバンク」をめぐる科学コミュニケーションのあり方が実証的に検討されたことはなかった。そこで本研究では、「バイオバンク」を取り巻く利害関係者間で共通の媒体となりうるマスメディアの一つである新聞記事を用いて、「バイオバンク」がこれまでどのように語られてきたのかを分析した。今回の発表内容は、修士論文のドラフトとして作成した。

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第66回 ジャーナルクラブ記録

2015/07/17

第66回(2015年7月17日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
国内における研究倫理コンサルテーションのニーズ:予備的質問紙調査
會澤久仁子・中田はる佳・土井香・大北全俊・松井健志
臨床薬理46(3):115-125.2015

佐藤:
Points to Consider: Ethical, Legal, and Psychosocial Implications of Genetic Testing in Children and Adolescents
ASHG/ACMG REPORT
American Journal of Human Genetics,57(5):1233–1241.1995

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