【院生室より】DVD上映会シリーズ-夏休み特別企画編

2016/08/06

暑中お見舞い申し上げます。
みなさま、暑い日々が続きますが、いかがお過ごしですか。D1の李怡然です。

先日、DVD上映会シリーズの様子をM2の藤澤さんが紹介してくれましたが、8月からは特任研究員の高島さんが企画してくださった第2弾!「キネマPP(Public Policy)」上映会が始まりました。早速ですが、その感想をお届けします。

第一回となる8月3日と4日は、「アリスのままで(原題:Still Alice)」という2014年に公開されたアメリカの映画を観ました。主人公のアリスは言語学者として順調なキャリアを築いていましたが、物忘れが多くなり、受診した病院で若年性アルツハイマーと診断されてしまいます。さらに、家族性アルツハイマーという遺伝性の疾患であるため、3人の子どもたちに50%の確率で遺伝する可能性があることが伝えられます。記憶を失っていく中で、夫や子どもたちはどう向き合い、そしてアリスは自分自身が「アリスのままで」いるために、どのような行動をとるのか……と、これ以上はネタバレになるので言えませんが、進行していく病気の症状とそれに対する主人公の焦りや葛藤、遺伝子検査について、家族や周囲の人々の反応まで、アカデミー賞主演女優賞を受賞したことだけあって、見応えのある作品でした。

「私が私であること」という人格の尊厳を保つことは、当たり前すぎて普段は考えもしないことですが、自分が、あるいは家族が同じような立場に置かれたらどうするのだろうかと、考えさせられた次第です。また、医師から主人公へ診断結果を伝えるシーン、主人公から夫や子どもたちへ伝えるシーンなど、フィクションではありますが、それぞれの告知の場面が印象的でした。

私は前半のみ参加したので、実はまだクライマックスまで観ていないのですが(笑)研究室のメンバーには、こうしたテーマに何かしら関係のある研究や活動をされている方もいらっしゃるので、皆さんの感想を聞くとさらに理解が深まり、一味違った鑑賞の仕方ができるのも楽しみです。

「キネマPP」上映会では、この後もアルツハイマーや認知症、老いていくことを題材とした海外や日本の映画を何本か観ていく予定です。また今後も報告したいと思いますので、乞うご期待!

なかなか外に出るのが億劫になりがちなこの頃ですが、これを機に見逃していた気になる映画をまとめて観るのもいいかもしれませんね。

(D1・李怡然)