東京大学医科学研究所 武藤香織教授と慶應義塾大学商学部 山本勲教授は、慶應義塾大学経済学部 長須美和子特任講師、国際医療福祉大学 和田耕治教授、早稲田大学大学院政治学研究科 田中幹人准教授と共同で、日本の一般市民を対象に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐための行動変容に関する質問紙調査を実施しました。6月11日にPLOS ONE誌に公開されました。
日本では、新型コロナウイルス感染症は、感染症予防法で「指定感染症」と位置付けられており、新型インフルエンザ特別措置法ではまん延の恐れがある場合に、場所の使用制限や行動自粛を要請することが可能です。日本では、「市民の行動変容」を求める政策をとっていましたが、そこで、この調査の目的は、日本の人々がいかにして、またいつから行動を変えたのかを明らかにすることとしました。
調査方法は、日経マクロミル社のパネルを用いて、労働力調査と同じ分類の20歳から64歳までの11,342名から回答を得ることができました。調査期間は、2020年3月26日から28日まででした。その結果、85パーセントの回答者は、政府が要請している行動変容を実践していると回答しました。多変量解析の結果、男性よりは女性、若年層よりは高年齢層のほうが実践をしていると回答した割合が優位に高い傾向にありました。例えば、頻回な手洗いは、全体で86%の回答者が実践していると回答していましたが、女性の92%は、40歳以上の人々の87.9%が回答していました。こうした予防的な行動に最も大きな影響を与えた出来事は、2020年2月上旬のダイヤモンド・プリンセス号内の集団感染と答えた人が最も多く、23%にのぼりました。政府や都道府県からの情報は、全体の60%が摂取しており、信頼度も他の情報源に比べると高いものでした。
しかしながら、全体の20%の回答者は、3月下旬においても予防的な行動を行っていないと回答していました。男性、30歳以下、独身、低所得、飲酒習慣または喫煙習慣、外交的な性格といった属性が関与していることがわかりました。第1波において日本で感染拡大を防止するためには、まだ予防行動を始めていない人を啓発することが重要との示唆を得ました。
本日第2回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:6月10日13時半~16時頃
発表者1: | 船橋亜希子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員) |
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タイトル: | 治療中止・差控えの法的責任について、改めて考える |
要旨:
治療中止・差控えの正当化は、刑法・医事法において重要な論点の一つである。2020年3月にドイツで公表された、臨床倫理に関する勧告「COVID-19パンデミックに関連する救急・集中医療における資源配分に関する決定」および、臨時勧告「コロナ禍における連帯と責任」とこれらの勧告に関する議論を契機として、日本における治療中止・差控えの法的責任に関する議論を振り返りながら、整理・検討を行う。
発表者2: | 河合香織(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 修士課程) |
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タイトル: | 遺伝的特徴と結婚出産の助言-遺伝医療の専門家はどう語ってきたか |
要旨:
遺伝医療の専門家が、結婚や出産について医療従事者や患者・家族に対してどのように助言してきたかを検討する。戦前から今日まで本課題に関連して網羅的な文献調査を行ったうえで、80年代の文献として遺伝性疾患の医療者と患者に対して結婚出産に関する助言を行っている記述が見られる『患者と家族のためのしおり』(厚生省特定疾患難病の治療・看護調査研究班編,1982)、医療者向けの助言の記述がある『遺伝性疾患への対応』(大倉興司編,1985)を取り上げ、これらの内容と、現在「難病情報センター」(https://www.nanbyou.or.jp)で公開されている内容を比較し、その助言の変化を検討した。本セミナーではその結果と考察を発表する。
例年開催しております当研究室の活動報告会の日程が決まりましたのでお知らせいたします。今年度はオンラインにて開催します。
日時: | 2020年6月21日(日)14時開始(2時間程度) |
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方法: | オンライン会議システム・Zoomによる配信 |
内容: | 1.研究室の紹介 |
2.所属する研究者による活動紹介 ※発表は各自15分程度。
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3.質疑 |
★当日の質疑は、Zoom内でお受けいたします。
<申し込み方法>
参加をご希望の方には事前登録をお願いしています。参加をご希望・予定の方は、メールのタイトルを「21日午後・活動報告会参加希望」としていただき、メールの本文に①お名前と②ご所属、③当日の緊急連絡先を記載して、下記アドレスまでご連絡ください。
(事前登録)
※お申込み締め切り 6月20日(土)
※お申込みいただきました方には、開催までにzoom参加のためのURLをお送りいたします。
学際情報学府文化・人間情報学コースへの進学を検討されている方へ
兼担教員の武藤香織および在籍者、修了者とのオンラインミーティングを企画しました。
大学院生が実施している研究のテーマや大学院生活などについてご紹介し、みなさまからの質問や相談に応じます。
日時: | 2020年6月21日(日)9時30分から11時頃 |
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参加方法: | オンライン会議システム・Zoomを利用します。 |
申込み: | ご参加を希望される方は、件名(タイトル)、①~④をお書き添えの上、下記メールアドレス宛までご連絡ください。 後日、参加用のURL等をご案内いたします。 【件名】:武藤研オープンラボ(学際情報学府)参加希望 ①お名前 ②ご所属 ③緊急連絡先 ④備考(ご参加される時間帯など) E-mail: |
申込み〆: | 2020年6月20日(土) |
なお、このイベントは、情報学環・学際情報学府20周年記念「オープンラボ・ウィーク」行事の一環として行われます。
ご関心のある方は、どうぞお気軽にご参加ください!
公共政策研究分野では、以下の2つの大学院における修士(博士前期)・博士のそれぞれについて入学・進学を受け入れています。
1.新領域創成科学研究科
メディカル情報生命専攻 医療イノベーションコース
担当教員:武藤、井上
https://www.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/lab/muto.html(研究室情報)
https://www.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/admission/schedule.html(入試)
2.情報学環・学際情報学府
文化・人間情報学コース
担当教員:武藤
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/faculty/muto_kaori (受入教員の情報)
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2020053111853 (6/20 入試説明会)
新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、入試説明会の開催中止や延期、入試募集要項の変更の可能性がありますので、出願にあたっては、必ず各大学院ウェブページで最新入試情報をご確認ください。
現在、オンラインでの公共政策研究分野の研究室説明会の開催を検討中です。
出願にご関心のある方は、個別に対応いたしますので事前にご連絡をお願いいたします。
研究計画書(書式自由・できるだけ具体的にお願いします)とともに
宛てにお送り下さい。
本日第1回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:5月13日13時半~16時頃
発表者1: | 木矢幸孝(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員) |
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タイトル: | 遺伝学的リスクの意味づけにかんする別様の理解可能性 |
要旨:
1970年代以降、医学における疾病論は特定病因論から確率論的病因論へとシフトチェンジし、確定診断や発症前診断、非発症保因者診断といった遺伝学的検査の発展もあいまって、私たちは自身の遺伝学的リスクと向き合うことを可能とする社会に生きている。これまで、多くの研究は遺伝学的リスクを有する個人が自身の出産や子どもに対して罪悪感や責任感といった諸問題を抱えていることを主として明らかにしてきた。しかし他方で、同じ病いの遺伝学的リスクを有しているにもかかわらず、そのリスクを「大きな問題」と捉えていない人々が少数ながらいることも示してきた。この差異はどのような要因から生じるのであろうか。どの先行研究も遺伝学的リスクの意味づけというリスク認知の問題は決して一様ではないことに注意が払われているが、上記の問いに答えてくれるものではない。本稿は、N.ルーマンのリスク概念と危険概念を導きの糸としながら、この問題を考察することで、遺伝学的リスクの意味づけに差異が生じる要因の整理を試みる。
発表者2: | 武藤香織(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 教授) |
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タイトル: | 新型コロナウイルス感染症の公表基準に関する検討 |
要旨:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症予防法において指定感染症に指定され、厚生労働大臣及び都道府県知事には「当該感染症の予防及び治療に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により積極的に公表」すること、「公表にあたって個人情報の保護に留意」することが求められている。しかし、地方公共団体による公表方法や項目は様々であり、必ずしも予防や治療に資さない情報まで公表する例もある。さらに、感染者の人間関係を相関図として報じた報道機関があるほか、同一の事案でも報道機関によって報じ方が異なった例もあった。他方で、詳細な情報の公表を地方公共団体や報道機関に求めるのは、地域住民や読者/視聴者でもある。本報告では、公表基準を手掛かりとして感染者らへの偏見や差別に対抗する道を模索することを目的とした論点を検討し、都道府県等による公表内容に関する調査の手法や途中経過を紹介する。
本日第10回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:3月11日10時~12時半頃
発表者1: | 小林智穂子(東京大学大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 博士後期課程) |
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タイトル: | 高齢者は福祉の担い手になりうるか-高齢者のボランティアに関する調査より- |
要旨:
超高齢社会を迎える日本においては、高齢者の自宅での暮らしを維持するための日常的な生活支援ニーズの増加が見込まれている。これらは行政によるサービスでは充足できないため、地域包括ケアシステムを構築する政策がすすめられている。地域包括ケアでは、高齢者の社会参加が、福祉の支え手の充足としても、自身の介護予防観点からも期待されている。高齢者の社会活動状況調査によれば、高齢者の地域活動・社会貢献活動への参加意欲は高いが、福祉の支え手の充足に繋がる、定期的なボランティア活動は明らかではない。そこで、中高年者・高齢者を対象に、ボランティア活動への参加の現状、参加の促進・阻害要因を明らかにするため調査会社に委託し質問紙調査を行った。セミナーでは、これらの調査の結果と考察を中心に報告を行う。
発表者2: | 渡部沙織(東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野) |
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タイトル: | 難治性疾患患者の研究参画における諸課題 |
要旨:
本研究の目的は、ジェネティック・シティズンシップ(遺伝学的市民権)に基づく難病患者の研究参画について、政策的基盤整備のための課題を明らかにする事である。科学と患者、医療市場の関係性における新たなシティズンシップとして研究参画を捉える諸先行研究のパースペクティブを踏まえ、日本における患者を中心とする研究参画の実相と課題について調査分析した。2018年から2019年の間に実施した難治性疾患の研究者と患者会を対象とした意識調査、及び日本・アメリカでの事例研究を通じて、日本の研究参画に関する実情や、それぞれの障壁について分析を行った。患者会も研究者も、患者が研究に参画する事の研究側のメリット(試料収集の効率化、アンメットニーズの把握、より患者の視点に即した研究デザインの実現など)を把握し、研究参画の推進に対する肯定的な回答が多数派を占める。しかし、日本の患者会の組織運営基盤は常勤スタッフのいないボランティアの運営が主流で、財政や労務の負担を誰がどう担うのかが大きな課題となっている。研究費や国費でサポートを実施する事についても政策的検討が必要であり、また医学研究に関する基本的なリテラシー教育の提供機会も求められている。アメリカや欧州の事例との⽐較等に基づいて、科学政策として独⾃の関係諸法令やガイドラインの整備が今後必要とされる。
※本イベントは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、延期とさせていただきます。
バイオバンクとは、患者さんからいただいた生体試料・情報を使って研究するための基盤です。バイオバンクの未来や運営などについて、私たちと一緒に考えていただける患者さんとそのご家族を募集します。
“バイオバンク”という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。患者さんには馴染みの薄い存在かもしれません。“バイオバンク”は、一般の方々や患者さんからご提供いただいた生体試料や情報を保管する倉庫やデータベースを保有し、主に基礎研究を支える基盤とされています。“バイオバンク”のひとつである、バイオバンク・ジャパンは、患者さんからいただいた生体試料や情報を多くの研究者に提供しており、それらをもとにして様々な研究成果が生み出されています。この会では、“バイオバンク”の生体試料や情報を未来の研究へ活用していくことへの期待や不安について一緒に考えたいと思います。
日時: | 2020年3月15日(日)13時00分~16時00分(受付開始12時30分~) 延期とさせていただきます。 |
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会場: | 東京大学医科学研究所 1号館1階講堂(東京都港区白金台4-6-1) |
対象: | バイオバンク・ジャパンの対象疾患*があるご本人とそのご家族 (前立腺がん、関節リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など)30名 *バイオバンク・ジャパンの対象疾患は、こちらからご確認ください。 |
申し込み: | 事前のご登録が必要です。下のボタンをクリックしてお申し込みください。 定員に達しましたらお断りする場合がございます。 なお、車椅子ご利用の場合、施設の構造上、見学ができない場合がございますので、申込時にご連絡いただけますようお願いいたします。> |
プログラム: | 【講演1】 バイオバンク・ジャパンの運用の現状について(森崎 隆幸 東京大学医科学研究所) 【講演2】 バイオバンク・ジャパンにおける倫理面への配慮について(永井 亜貴子 東京大学医科学研究所) 【見学会】 バイオバンク・ジャパンが保有する、DNAバンク、血清・血漿バンク、組織バンクの見学を行います。 【意見交換会】 バイオバンクの将来や運営、ゲノム解析研究について、一緒に考えましょう。 |
ご案内のチラシは、こちらからダウンロードできます。
お問い合わせ先:東京大学医科学研究所 公共政策研究分野
TEL03-6409-2079(月~金:10時~16時)
特任研究員の木矢です。
このたび、『社会志林』に非発症保因者に関する以下の論文が掲載されました。
木矢幸孝
非発症保因者の積み重ねてきた経験
――恋愛・結婚・出産の語りをめぐって
『社会志林』第66巻第3号, 195-217.(2019.12)
遺伝/ゲノム医療における技術の進展は、確定診断・出生前診断・非発症保因者診断等といった医療技術を可能にし、私たちに遺伝学的リスクを考慮する「生」を歩ませています。今後、人々は遺伝学的リスクとますます向き合うことになると考えられますが、実際に遺伝学的リスクによってどのような課題や問題が浮上するのでしょうか。
これまでの研究では、遺伝学的リスクを有する個人の葛藤や苦悩が主として検討されてきました。ただ、個人の生における一時点の諸問題を取り上げることが多く、遺伝学的リスクに対する問題意識の移り変わりとその帰結が明らかではありませんでした。
そこで本稿では、遺伝学的リスクを有する個人、「非発症保因者」(以下、保因者と略記)に焦点を当て、10代に告知を受けてから30代で結婚するまでの時期における「恋愛・結婚・出産」の観点から保因者一人の経験を詳細に検討しました。
結果、保因者は遺伝学的リスクに悩みながらも試行錯誤し、アイデンティティを再構築していることが分かりました。同時に、遺伝学的リスクに対して結婚や出産を諦める位置から結婚し出産を意識するところまで変化があることが明らかになりました。
本稿では、アイデンティティの再構築や遺伝学的リスクに対する捉え方の変化を詳しく把握することはできましたが、一人の事例の検討にとどまっています。今後はより普遍性のある議論に接続していければと考えています。
※このイベントは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、開催方法を変更いたしました。以下の通り、ウェビナー(インターネット中継によるセミナー)として開催させていただきます。
医療現場でのAIの利活用は、どのような点に留意して進められるべきでしょうか――この問いを一緒に考えてくださる方を募集します。
「AI」「人工知能」という言葉に接する機会が随分増えてきました。新聞やテレビ番組、商品を紹介する広告などで、関連する情報が毎日のように登場しています。医療においても、AIの活用によって、私たちの通院や診療が一層便利に、またより充実したなものになることが期待されています。一方、こうした展開によって、我々が新たな悩みや課題について直面することもあるかもしれません。そこで、「みんなで考える医療AI」検討会を開催することになりました。
当日は、医療AIの現状と課題を知っていただくとともに、架空の事例をもとにしながら、患者・市民の視点からみた課題と解決策を探していきます。この検討会に参加し、感想や意見を提供くださる方を募集します。皆さんのご応募を心よりお待ちしております。
日程: | 2020年2月22日(土) |
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時間: | 14時から15時20分頃(予定) |
対象: | 医療AIの利用に関心をおもちの患者・市民の皆様(医療関係者、製薬企業関係者、AI開発企業関係者の方はご遠慮ください) |
参加費: | 無料 |
申込方法: | 事前のご登録が必要です。次の【参加者へのご案内】をお読みの上、ボタンをクリックしてお申込下さい。 |
主催: | 厚生労働科学研究費補助金「医療におけるAI関連技術の利活用に伴う倫理的・法的・社会的課題の研究」(研究代表者:井上悠輔) |
共催: | 認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML、文部科学省新学術領域研究「システム癌新次元」「ゲノム解析の革新に対応した患者中心主義 ELSI の構築」(研究代表者:武藤香織) |
内容:
- 開会
- 医療AIとは何か?
研究代表者より、医療AIに関するこれまでの議論や課題を紹介します。
Zoomの機能を使ったご質問やご意見をお寄せください。資料は前日に配信いたします。
<ご参考:テレビ会議ソフト Zoomの基本基礎> - 仮想事例の検討:スマートフォンのアプリを使って「ほくろ」を見分ける
皆さんに事例を通して様々な論点を考えて頂きます。Zoomの機能を使ったご質問やご意見をお寄せください。
資料は前日に配信いたします。 - アンケート記入
以下のウェブアンケートのサイトからご記入いただきます。
https://questant.jp/q/MedicalAI_ELSI (当日に接続可能となります) - 閉会
当日の参加方法:
Zoomというウェブ会議システムを使用します。パソコンやスマートフォン、タブレットからアクセスしてください。ご家族やお友達と一緒にお聞きくださっても構いません。アクセス方法は、お申込み後、前日にご連絡いたします。
参加者へのご案内
(1)利用方法とテスト接続について
Zoomを初めて利用される方は、パソコンの場合には、https://zoom.us/にアクセスしてご準備下さい。
スマートフォン、タブレットからアクセスする場合は、Zoomで検索してアプリをダウンロードして下さい。
事前に操作方法を確認してください。接続に関するサポートはできませんので、ご了承下さい。
<テスト接続(ご希望の方のみ)>当日13時から14時頃
前日のご案内する、「当日の参加用URL」にアクセスすると、テスト接続ができます。
(2)進行中に頂くご質問やご意見について
Zoomの機能を使って、ご質問やご意見をお寄せ下さい。お寄せ頂いた内容は、進行中にご紹介することがあります。
頂いたご質問やご意見の全てにお答えすることは難しい場合があることをご了承ください。
公共の場での投稿として不適切な投稿と主催者が判断した場合には、削除、凍結させて頂く場合がございます。
具体的な投稿方法は、前日にご連絡いたします。
(3)記録について
当日は、Zoomの録音、チャットの内容の記録をさせて頂きます。
文字起こしされた録音データやチャットの記録は、共催者である認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの会報の記事や
研究班の報告書に使用することがあります。録音データやチャットの記録は公開いたしません。
本日第9回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:2月12日10時~12時半頃
発表者1: | 李 怡然(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員) |
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タイトル: | 遺伝性腫瘍に関する家族内での情報共有の課題点 |
要旨:
報告者はこれまで、家族内における遺伝情報に関する「リスク告知」というテーマについて、遺伝性腫瘍を事例に取り組んできた。遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)は、予防・治療法といった対処可能性(actionability)の高い代表的な遺伝性腫瘍であり、疾患の早期発見や予防のために、積極的に血縁者と情報を共有することが、医療専門職の学会ガイドライン・指針等で推奨されている。これまでの遺伝性疾患に関する先行研究では、親から子に伝える葛藤や困難に着目することが多かったものの、患者からきょうだいや親世代を含む親族、友人や職場など家族外へ打ち明ける際の課題点は、十分明らかにされていない。本報告では、HBOC患者が、家族らと情報共有を行うことにどのような態度を有しており、相手からの反応によって生じるジレンマにどう向き合っているのか、インタビュー調査の結果を紹介し、情報共有における課題点を検討したい。
発表者2: | 井上 悠輔(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 准教授) |
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タイトル: | 非倫理的な研究論文の原稿の取扱いについて |
要旨:
2018年の中国での胚ゲノム編集に関する報告は様々な波紋を呼んできた。本発表では、先月号のネイチャー・バイオテクノロジー誌のエディトリアルを素材としつつ、特に発表倫理との関係から検討したい。この試行については、学術的に十分に評価されていないこともあって、様々な憶測を呼んでいる。最近、この研究者らが投稿していた原稿の一部が第三者に流出したことが確認され、新たな論点となっている。プロセスに課題の多かった研究で得られた知識をどのように取り扱うべきか。研究倫理における過去の議論と2015年の拙稿を振り返りつつ、今回の出来事を整理して、その位置づけを図りたい。
D1の飯田です。
このたび、「生命保険経営」に以下の論文が掲載されました。
飯田寛、武藤香織
英国の「遺伝学と保険に関するモラトリアム協定」
生命保険経営第88巻第1号、26-41(2020.1)
発症前遺伝学的検査によって将来の発症が予測される人々が生命保険に加入できないもしくは高額の保険料を払うことは差別だとして海外では保険会社での発症前遺伝学的検査の利用を制限しています。一方で日本では今のところこのような規制がありません。
そこで、本稿においては、今後の日本の生命保険での発症前遺伝学的検査の利用に関するの議論の参考にするために、英国の政府と保険業界の取決めという形態での発症前遺伝学的検査結果の利用を制限した議論の経緯について文献調査および英国保険協会へのインタビュー調査をおこないました。英国を対象にした理由は医療制度が国営であり、日本の皆保険制度と似ていることから、生命保険の死亡保障を対象に議論がなされているからです。英国での早い議論の展開や、政府と業界の取決めという形態とした背景、発症前遺伝学的検査の適用を判断する仕組みなどの要点を整理し考察をおこないました。
英国と日本での環境や考え方の違いは考慮しなければなりませんが、今後の日本での議論の活性化の一助になればと考えています。
ご関心のある方はご一報ください。
東京大学医科学研究所 学友会セミナーのお知らせ
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/events/gakuyukai/archive/post_873.php
開催日時: | 2020年1月24日(金)10:00~11:30 |
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開催場所: | ヒトゲノム解析センター3F セミナー室 |
講師: | Jon F Merz |
所属・職名: | Associate Professor of Department of Medical Ethics & Health Policy, University of Pennsylvania |
演題: | Waivers of Informed Consent for Research: A Legal and Historical Review and Consideration of Emerging Practices |
概要:
Waivers of informed consent for research are broadly permitted by national regulations and international ethical codes, and there is movement to expand the use of waivers in clinical trials. In this talk, I summarize several threads of current research that explore the legal and policy background to the development of waivers in United States policy and regulation. I also describe several completed and on-going systematic reviews that raise questions about the frequency of use as well as the legal and ethical legitimacy of waivers. The potential for misuse is highlighted by specific cases. The purpose of the presentation is to spur a comparative discussion of relevant norms and regulations in Japan.
主たる世話人:武藤香織(公共政策研究分野)
世話人:神里彩子(生命倫理研究分野)
本日第8回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:1月8日10時~12時半頃
発表者1: | 内山正登(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 客員研究員) |
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タイトル: | 2019年の研究活動の報告と博士論文の概要 |
要旨:
昨年一年間、これまで行ってきた受精卵を中心としたヒト生殖細胞系列へのゲノム編集に関する啓発プログラムの開発以外に、食品へのゲノム編集の利用に関する意識調査、遺伝分野における適切な用語のあり方に関する研究活動を進めてきた。それぞれ、学会発表と論文投稿というかたちでまとめることができた。そこでこれらの報告をするとともに、現在取り組んでいる博士論文の概要と進捗状況について説明する。
発表者2: | 須田 拓実(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻医療イノベーションコース 修士課程) |
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タイトル: | Undocumented Immigrantsの医療へのアクセスに関わる諸課題について |
要旨:
発表者が昨年4月以降に主に取り組んできた内容を整理した上で、特に関心を持った上記のテーマについて調べたことと、今後の課題や発表者が調査・検討したいことを報告する。在留資格のない外国人(Undocumented Immigrants)に関して、医療の提供より取締を強化しようとする国々が見られる。例えば米国では、特に現在の政権下での移民政策において、連邦政府が主体となってUndocumentedImmigrantsを拘束し、国外追放する事案が多数ある。この動きに対して一部の州や医療機関では、在留資格を問わず外国人が必要とする医療を提供することで、ある種の「駆け込み寺」として機能するべく取り組まれている。日本では、2000年代の取締強化により、Undocumented Immigrantsの数は減少した。しかし、近年で国策として受け入れ数が急増している技能実習生を初めとして、在留資格を失うリスクを抱えた外国人は存在し、今後の増加も見込まれる。海外での議論を参考にしつつ、日本国内でUndocumentedImmigrantsに対しても医療へのアクセスを担保するために、発表者が今後取り組むべきと考えている課題を述べる。
東京大学医科学研究所 学友会セミナーのお知らせ
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/events/gakuyukai/archive/post_872.php
開催日時: | 2020年1月20日(月)18:00~19:00 |
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開催場所: | 総合研究棟8階 大セミナー室 |
講師: | 李 怡然 |
所属・職名: | 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 公共政策研究分野 特任研究員 |
演題: | 医療・医学研究に関する「告知」の研究―遺伝性腫瘍に関する家族内での情報共有を事例に |
概要:
2010年代以降、疾患の早期発見や予防・治療選択のために、医学的にactionable(対処可能)な疾患について、患者や家族が積極的にリスクを知り、家族内で共有することを、推奨する傾向が強まっている。たとえばBRCA1/2は遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子であり、サーベイランスや乳房・卵巣のリスク低減手術、分子標的薬PAPR阻害剤の選択のためにも、血縁者への情報共有が期待される。さらに、がんゲノム医療が推進され、網羅的なゲノム解析を伴うがん遺伝子パネル検査が臨床実装、保険収載された。つまり、家族歴をもたない一般のがん患者と家族も、二次的所見としてわかる遺伝性腫瘍の情報の取扱いについて、意思決定に直面する事態が生じている。しかし、日本の患者・家族の情報共有の実態や課題点については、十分明らかにされていない。
本研究では、がん患者・家族への質問紙調査を通して、がん遺伝子パネル検査で遺伝性腫瘍の可能性がわかった場合の、情報共有への希望を明らかにした。また、HBOC患者・家族へのインタビュー調査から、家族内でのコミュニケーションの態度や経験を考察した。
本セミナーでは、ほかの医療・医学の「告知」研究にも言及しつつ、遺伝情報に関する「リスク告知」研究の概要を紹介する。また、今後の展望として「知らないでいる権利」や医療者の守秘義務に関する近年の議論の動向、子どもの全ゲノム解析に関する論点について触れたい。
主たる世話人:宮野 悟(DNA情報解析分野)
世話人:武藤香織(公共政策研究分野)
本日第7回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:12月11日10時~12時半頃
発表者1: | 楠瀬まゆみ(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻博士後期課程) |
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タイトル: | 研究におけるベネフィットシェアリングに関する倫理的議論に関する検討 |
要旨:
研究倫理の文脈においてベネフィット・シェアリング(benefitsharing)の議論がなされ始めたのは比較的新しく、議論が十分になされていない
分野の一つである。従来、研究におけるヒト試料・情報の提供に関しては利他主義に基づいた無償提供が前提とされている。しかし、企業等のなかには、それら無償で得た情報を販売することによって利益を得ている場合もある。Schroeder(2006)は、ベネフィット・シェアリングを、交換の正義を達成するためにヒト遺伝資源提供者にその資源利用に由来する利益や利潤の一部を提供する行為と定義する。さらにAnderson & Schroeder(2013)は、ベネフィット・シェアリングの背後にある哲学的原則として、科学技術の研究や発展に貢献した人々は、その利益を共有するべき(oughtto)であると述べ、科学的進歩の貢献者と利益を共有しない場合の搾取の可能性について指摘している。そこで本発表においては、研究におけるベネフィット・シェアリングに関する基礎的文献からベネフィットシェアリングに関する根本をなす倫理的議論を概観する。
発表者2: | 河合香織(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース修士課程) |
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タイトル: | 遺伝的特徴における結婚差別とは何か |
要旨:
遺伝的特徴に基づく差別とは、科学的に解析あるいは検査されたゲノムの状態をも含む、遺伝的特徴に基づくあらゆる区別、排除、制限、又は優先である(厚生労働科学特別研究, 2017)。その中でも結婚をめぐって生じうる差別とは何かについて、修士論文として調査する。差別の形成にあたって、遺伝カウンセリング等の専門知を提供する遺伝医療の専門家の規範や差別意識が当事者の意識に反映する場合も少なくないと予想する。専門家を対象に、差別に関する教育歴、自身が形成した規範と臨床実践、クライアントからの相談内容と対応の事例など、質問紙調査とインタビュー調査を行うことにより、遺伝的特徴に基づく差別に関する知の蓄積に貢献したい。
私たちはこれまで、日本網膜色素変性症協会(JRPS)からご縁を頂き、本邦で初めてiPS細胞の臨床応用に挑まれた髙橋政代先生(理化学研究所・2019年7月迄)との対話の機会に恵まれてきました。その内容は、2014年7月28日に「共につくる臨床研究~患者と研究者の対話から~」という報告書として取りまとめました。
本邦では、2014年に滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究が実施され、その後も、複数の疾患に対する臨床研究が計画・実施されてきました。未知のリスクを伴う臨床研究であること、そして社会的な期待が過度に高まっていることなどを踏まえ、研究計画の立案段階から研究者と対象疾患の患者が対話をすることは必要であるとされています。再生医療分野では、臨床研究に関する啓発をしながら、研究計画や方向性への意見を陳情する取組みをJRPSが先駆けとなって実施してきましたが、こうした取組みは、今後、ますます重要なものになると考えられます。
このたび、網膜色素変性症(RP)に対する臨床研究の実施が近づいてきたことから、再びご縁を頂き、2018年11月18日に「JRPSワークショップ2018 in 神戸~網膜再生医療臨床試験・患者からのアプローチ~」をJRPSと共催させて頂くことになりました。今回も髙橋政代先生にご協力いただき、「臨床試験を成功させるために、患者は何ができるか、何をすべきかを考える」ことをテーマに、RP患者さんやご家族と一緒に考え議論しました。さらに、この企画は神戸会場と東京会場、札幌会場をオンラインでつなぐ3元中継の試みとして開催されました。本報告書は、この日の発言録をもとに、読者が追体験できるように再構成したものです。
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また、テキストデータもPDF版とword版の2種類をご用意しています。音声読み上げソフトの仕様等に合わせて、お好きなほうをダウンロードしてください。
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※ この報告書作成にあたり、日本医療研究開発機構(AMED)「再生医療の実現化ハイウェイ」における、「再生医療研究における倫理的課題の解決に関する研究」(課題D)より財政的支援を得ております。ここに御礼申し上げます。
本日第6回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:11月13日10時~12時半頃
発表者1: | 高嶋佳代(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻博士後期課程) |
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タイトル: | 患者対象のFIH試験における倫理的課題の検討 |
要旨:
治療法開発において初めて人を対象とするFirst in Human(FIH)試験では、安全性を確認することが主な目的となる。しかしながら、一般的な薬理試験でのFIH試験が健康な成人を対象とするのに対して、FIH試験の対象が患者である場合、リスクベネフィットのバランスを検討するのは容易ではない。その理由として、患者が対象となるFIH試験の場合、他に(標準)治療法がない場合があり、安全性のみならず、ある程度の治療的効果を期待することを一概に否定できないことが挙げられる。そこで本研究では、患者を対象として初めて試みる医療行為としてのFIH試験について理論研究を行い、その上でFIH試験に参加する患者自身の意識に着目して、患者自身によるリスクベネフィットの考え方や、FIH試験の意義などを考察したい。今回は、先月参加させて頂いたASBH(American Society for Bioethics and Humanities)で得た知識なども含めて研究の進捗に関する発表を行う。
発表者2: | 飯田寛(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻博士後期課程) |
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タイトル: | 修士課程と博士課程の研究の状況 |
要旨:
修士課程で研究した「日本における生命保険と発症前遺伝学的検査をめぐる諸課題の検討」について、その後の学会誌への投稿状況等について報告する。博士課程においては労働分野におけるゲノム情報の取扱いに着目している。労働者の高齢化や少子化による労働者の減少の観点から事業者は労働者が健康で長く働くことを求めている。また、労働者もより長く働くことを望んでいる。この観点から労働者の職場の安全衛生や労働者の健康を管理する産業医の役割は今後益々重要である。一方で今般、ゲノム医療が本格的に開始されており、これにより自身のゲノム情報に接する労働者が今後増大することが予想される。事業者によるゲノム情報の利用は労働者に不利な帰結を生むとの懸念から、諸外国では法的な規制が設けられている(厚生労働科学特別研究2016)。また、事業者と雇用関係にある専属産業医の勧告権の行使には限界があるとの指摘もある(藤野2013)。そのようななか、2018年に労働安全衛生法が改正され、事業者による労働者の健康情報の取扱は、労働者の健康確保に必要な範囲に限られることがあらためて確認されるとともに、事業者には労働者の健康情報等の取扱規定整備を求めている。しかし、政省令においてゲノム情報への特別な言及はなく、産業医や健康保険組合がゲノム情報を取扱う可能性に関する議論が不十分である。そこで、博士課程の研究では特にゲノム情報の利用可能性がある治療と仕事の両立支援、健康増進、安全衛生という産業医と健康保険組合が関連する3つの領域で事業者の責務と労働者の不当な取扱いの間にどのような問題が起こっているのかの具体的な実態を把握し、労働分野を射程にしたゲノム情報の諸課題を整理する。
学術支援専門職員の神原です。
このたび、日本遺伝カウンセリング学会誌に下記の論文が掲載されました。
神原容子、竹内千仙、川目裕、持丸由紀子、佐々木元子、三宅秀彦
「成人期ダウン症候群において必要とされる情報提供と家族支援のあり方」
日本遺伝カウンセリング学会誌、第40巻3号、101-108頁(2019年10月)
ダウン症候群のある方々の平均寿命の延長に伴い、ダウン症候群のある成人に対する健康管理と合併症治療の重要性は増しています。
成人期のダウン症候群のある方とその家族を対象に開催した「大人のダウン症セミナー」において、参加者を対象に質問紙調査を行い、情報提供と家族支援のあり方について検討を行いました。
その結果、ダウン症候群のある方の親は、成人後の認知機能と認知症、情緒と行動異常などに高い関心があることが明らかになりました。
このような、セミナーの取り組みは、家族が望むダウン症候群に関する情報提供の役割を果たし、今後の情報提供の場として有用であると考えられました。
本日第5回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:10月9日11時~12時頃
発表者1: | 北林アキ(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻博士後期課程科) |
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タイトル: | 患者・市民の視点を踏まえた医薬品情報の提供を実現するための課題の検討 |
要旨:
医薬品は、品目毎に厚生労働省の承認を受けて初めて製造販売、すなわち市場に出荷又は上市できるようになる。しかし、承認前に得られる副作用等の情報は一般的に限られることに加え、2017年の条件付早期承認制度の開始等によって、承認後の情報収集の重要性が、副作用の早期発見や適正使用のために一層増している。収集する情報源として、これまで主であった製薬企業や医療者からの情報に加え、患者から寄せられる情報の利点が注目され始め、副作用の早期発見や適正使用のために当該情報を規制当局の意思決定に活用する取組みが世界的にも進んできている。しかし、こうした取組みが始まったのは2000年代初頭と比較的最近のことであり、未だ各国でも模索が続き、課題を抱えている状況である。そこでリサーチクエスチョンとしては、患者の実体験の情報を基に承認後の医薬品評価を行うという世界的な動向が、市民と医薬品行政の関係にどのような変化を求め、またそれはどのように可能なのか、ということを考案した。本報告にて、現在構想中の研究計画を共有することで、今後の調査研究の計画立案のための糧としたい。