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東京大学医科学研究所公共政策研究分野

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文部科学省「医学・生命科学研究等に係る倫理指針及びカルタヘナ法に関する説明会」(6/21)投影資料(武藤)

2019/06/21

「医学・生命科学研究等に係る倫理指針及びカルタヘナ法に関する説明会」(2019年6月21日 於 文部科学省 3階第1講堂)にて「医学研究・臨床試験における患者・市民参画(PPI)について」を説明する機会をいただきました。投影した資料(PDF)を公開します。こちらからダウンロードなさってください。また、本資料で紹介した、AMEDによるPPIの情報サイトは、こちらです。

 

 

 

2019年度第2回公共政策セミナー

2019/06/12

本日、2019年度、第2回目の公共政策セミナーが開かれました。
ゲストスピーカーの方にもお越しいただきました。
内容は以下の通りです。

◆日時:6月12日(水)13時半~16時頃

◆発表者1:船橋亜希子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)

◆タイトル:最先端医療における刑事過失責任を考える

◆要旨:2017年度より「がんゲノム医療」という最先端の医療におけるELSI研究に携わったことを契機に、最先端医療と刑法の接点の模索と検討を繰り返してきた。当該活動における自身の一つの到達点が、伝統的な論点への回帰と再検討の必要性であった。そこで、当該課題に関するこれまでの取り組みと、現在行っている研究内容について、刑事医療過誤に関する研究内容も振り返りながら、報告する。

 

◆発表者2:中田はる佳(国立がん研究センター 社会と健康研究センター生命倫理・医事法研究部 研究員)

◆タイトル:未承認薬へのアクセス方法に関する日米比較

◆要旨:保険診療によるがん遺伝子パネル検査の導入や、人工知能技術による治療法選択の拡大により、患者が未承認薬の利用を検討する機会が増加することが見込まれる。未承認薬の利用方法として、日本では2016年から拡大治験と患者申出療養制度が導入されている。一方、米国では、従来からあったFDAのExpanded access programに加えて、いわゆるRight-to-try法が導入され、2018年5月末には連邦法が成立している。本報告では、日米の未承認薬利用制度を概観した上で、患者団体のウェブサイト調査の結果を紹介し、未承認薬利用に関する情報の普及について検討する。

 

 

【院生室より】第19回東京大学 生命科学シンポジウムに参加してきました。

2019/05/30

 4月20日に平成最後の「第19回東京大学 生命科学シンポジウム」に参加し、ポスター発表の機会をいただきました。

 武藤研からは、大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻博士後期課程1年の高嶋佳代さんが「幹細胞治療研究に関する報道とソーシャルメディアの影響に関する一考察」について発表されました。また、同じく同課程の楠瀬まゆみが「研究領域における情報銀行(情報利用信用銀行)システムの影響と便益・利益の検討」について発表しました。文系のポスターは、武藤研の2名だけだったようでアウェイ感もありましたが、休日にもかかわらず武藤研から北林さんが応援に来てくださり、大変心強かったです。

 異なる領域の方々が多かったですが、足を止めてポスターを見てくださり、質問やコメントを沢山いただきました。今後の研究につながるような示唆もいただき、大変貴重な機会となりました!

 (D1- 楠瀬まゆみ)

 

 

【院生室より】日本産業衛生学会に参加してきました

2019/05/26

名古屋国際会議場で開催された第92回日本産業衛生学会に参加してきました。

この学会は主に産業医で構成されるものであり、私は主に労働者の両立支援(労働者が病気にかかっても継続して働くことを支援すること)をトピックとした口演、シンポジウム等を聴講しました。労働者からの視点では労働者の生き方の尊重及び収入の確保、事業者の視点では労働者の高齢化対応及び労働力の確保の点から両立支援の取組みは重要だと考えられています。特に65歳までにがんにかかる労働者は男女とも15%であり、そのうち30%が退職している実態の改善が求められています。厚労省が推進している対策としては、がん検診の啓発、会社全体が正しく知る、がんになっても働き続ける環境をつくる、というものです。産業医は労働者の相談の窓口として役割が期待されていますが、メンタル不調に関する窓口として産業医は認知されているものの、両立支援としての認知はまだ低いことが実態のようです。また、産業医は主治医の意見を参考に両立支援を講じますが、主治医は就業よりも治療優先で、産業医の存在を知らず、双方向のコミュニケーションがまだ構築されていないことが実態のようです。その他、子育支援の出来ている企業は両立支援も進んでいるといったような発表や不妊治療と就業の両立の困難さに関する発表などもありました。当学会に参加したことで、両立支援の実態とその中での産業医の役割とその課題の概要を把握することができたと思います。

私としては産業医が参照する健康情報にゲノム情報が加わった場合に、労働者のプライバシーを保護して、産業医がゲノム情報をもとにどのように発症前の労働者に寄り添い、発症後の両立支援を準備するのか、発症後にどのように両立支援をするのかに関心があります。引き続き、当学会の情報を含めて研究を進めていきたいと考えています。

学会に参加させていただきありがとうございました。

(D1 飯田寛)

 

 

 

 

2019年度第1回公共政策セミナー

2019/05/08

本日、2019年度第1回目の公共政策セミナーが開かれました。

内容は以下の通りです。

◆日時:2019年5月8日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1.木矢 幸孝(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野特任研究員)

◆タイトル:身体変化への抵抗の意味

◆要約:神経疾患の多くは難治性で、いまだ治療法の確立には至っていない。本報告が取り上げる球脊髄性筋萎縮症(以下、SBMA)も、そのような疾患の一つである。SBMAとは筋力低下や筋萎縮を主症状とする疾患である。ただ、近年の研究成果によって、SBMAに関する疾患修飾療法が世界に先駆けて薬事承認され、ロボットスーツHALは医療機器として承認され普及されつつある。確かにこれらは根治治療ではないが、SBMA患者の多くはそれらを利用している。しかし、上記以外の薬を服用する患者や運動療法として推奨されていない「筋トレ」をする患者も存在する。なぜ彼らはそのような行為をするのか。このような背景・問題意識のもと、本報告はSBMA患者の語りを通して、身体変化への抵抗の意味を考察する。その結果、彼らの行為は決して非合理的なことではなく、むしろSBMA患者全体に通底する問題から引き起こされた行為であることを示す。

◆発表者2.武藤 香織(東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授)

◆タイトル:「身元保証」がない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン(案)について

◆概要:近年、身寄りがなく、意思決定が困難な状態にある人の入転院や医療に関して、医療機関が各自の方法で身元保証を求める動きがある。このことは医師の応召義務違反への懸念、成年後見制度の濫用、家族機能の代行として身元保証を業とする団体の登場と規制の要否などの議論につながっている。2017〜18年度にかけて、厚生労働省の研究班に参加し、医療機関への質問紙調査及びヒアリングを行った。その結果をもとに、今般、「身元保証」がない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン(案)が策定された。本報告では研究班の活動内容とガイドライン概要を報告する。

 

 

【終了しました】「研究室説明会」(5月25日)に関するお知らせ

2019/04/15

※5月13日更新

入試の説明会のシーズンが近づいてまいりました。恒例の公共政策研究分野主催の説明会を今年も実施します。


★大学院につきまして
この公共政策研究分野は、以下の2つの大学院における修士(博士前期)・博士のそれぞれについて入学・進学を受け入れています。これらの大学院全体の説明会も参考いただいたうえで、この「研究室説明会」では、特にこの分野にご関心がある方を対象として、入試や進学後の日々について情報提供させていただきます。進学をご検討の方には、ぜひ足を運んでいただき、進路決定の参考にしてください。

1.新領域創成科学研究科
メディカル情報生命専攻 医療イノベーションコース
担当教員:武藤、井上
http://www.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/lab/muto.html(ラボ情報)
http://www.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/admission/schedule.html(入試)

2.情報学環・学際情報学府
文化・人間情報学コース
担当教員:武藤
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/faculty/muto_kaori(ラボ情報)
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/admissions(入試)

★研究室説明会の日時・場所は以下のとおりです。
日時:2019年5月25日(土)11時開始(14時ごろ終了予定)
場所:公共政策研究分野研究室(白金台キャンパス)
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター・3階
http://www.pubpoli-imsut.jp/access/index.html
参加をご希望の方には事前登録をお願いしています。参加をご希望・予定の方はお名前とご所属、当日の緊急連絡先について下記までご連絡ください。
pubpoli@ims.u-tokyo.ac.jp(事前登録)

★当日の内容は以下のとおりです。
1. 研究室の紹介

2. 学生生活/研究関心の紹介

① ゲノム編集はどこまで認められるのか:一般市民の意識調査(仮)

② 家族内における遺伝性疾患の「リスク告知」の調査について(仮)

3. 入試制度の解説、各研究科の入試経験談の紹介

4. 質疑、進路相談

★教員との個別の面談を希望される方
当日に面談を希望する方は事前にお知らせください。後日改めての面談も受け付けています。

 

 

 

李 怡然さんが日本保健医療社会学会「園田賞」を受賞しました

2019/03/29

 日本保健医療社会学会では、当該年度に発行された機関誌『保健医療社会学論集』に掲載された若手研究者による論文(総説、原著、研究ノート)のうち、著者(共著の場合は筆頭著者と読みかえる)の年齢が35歳未満であるか、また研究歴が10年未満とみなせるものを対象に、学会奨励賞として園田賞を授与しています。

 このたび、『保健医療社会学論集』第29巻1号に掲載された「ゲノム医療時代における「知らないでいる権利」」(研究ノート)が園田賞に選ばれ、当研究室所属の李 怡然大学院学際情報学府文化・人間情報学コース博士課程3年)が受賞することになりました。授賞式は、2019年5月に開催される、第45回日本保健医療社会学会大会30周年記念大会にて執り行われます。

 本選考に携わって下さった関係者の皆様に心から御礼申し上げます。

李 怡然・武藤 香織
ゲノム医療時代における「知らないでいる権利」『保健医療社会学論集』29(1): 72-82, 2018.

 (掲載から一年半を経過した時点でJ-STAGEにて公開される予定です)

 

 

 

【院生室より】送別会が開かれました

2019/03/29

先日、表参道の隠れ房というお店にて武藤研の2018年度の送別会が行われました。送別される方は高嶋佳代さん、内山さん、李さん、飯田の四名。しかし、高嶋さんはご栄転が決まっているも同時に新領域創成科学研究科の博士課程入学ということで武藤研にも残り、内山さん、李さんは博士課程単位取得満期退学するも内山さんは客員研究員、李さんは特任研究員として武藤研に引き続き残り、飯田は修士号取得するも新領域創成科学研究科の博士課程進学し武藤研に残るということで、特に送別というわけではなく、どちらかというと壮行する会となったんだと思います(従ってお別れの涙も無しです)。

高嶋さんには皆から置時計と武藤先生からニコライバーグマンのフラワーボックスが授与されました。私、飯田も皆さんよりオーディオテクニカのイヤホンを頂きました(イヤ、ホンとうにありがとうございます)。また、内山さん、李さん、飯田から研究室にIMSUTマーク入りの掛け時計を進呈させていただきました。また、高嶋さんより市田商店の「京の天然ばすそると」を参加者は頂きました。

OGの皆さんも参加され、美味しい食事に飲み放題のアルコール類もあり、盛況な会となりました。ただ、席の移動が難しく、全員とはお話しできなかったのは残念です・・・。

こんな素敵な会を設定していただいた、幹事の永井さん、李さん(送別される側なのに・・・?)、本当にありがとうございました。新年度も皆さん、宜しくお願いいたします。

(M2 飯田寛)

 

 

【院生室より】高校生の皆さんが、研究室見学に来てくださいました

2019/03/27

こんにちは。早くも年度末を迎えました。 

3月27日(水)に、三重県立四日市高等学校の学生のみなさんが、研究室見学にいらしてくださいました。今回は、理化学研究所所属で、当研究室の客員研究員である楠瀬まゆみさんから、再生医療研究とその倫理的課題についてトークをしていただき、iPS細胞(人工多能性幹細胞)のもつ利点、課題点について紹介しました。続いて、「患者さんのヒトiPS細胞を使って、動物の体内で移植用臓器をつくる研究を進めてもよいかどうか?」という模擬事例のテーマで、皆さんにグループ・ディスカッションを体験してもらいました。

なかなか難しいテーマだったかと思いますが、各グループとも、一人ひとりがしっかりと賛成・反対の意見とその理由を述べられ、上手にディスカッションを進行してまとめていました。スタッフもファシリーテーターとしてグループの輪に入ったのですが、意見を促す必要がないぐらい、スムーズに議論が進んだため、レベルの高さに一同感動しきりでした…!

がんや病気の治療、医学研究に興味がある学生さんが多かったと思いますので、私たちの研究室のように、倫理的課題、政策やガバナンスに取り組む分野はなじみが薄かっただろうと思います。それでも、ディスカッションが楽しかった、という感想をいただけて、私たちもとても嬉しく思いました。

明るく元気な高校生のみなさんとお話ができて、フレッシュな気持ちになれた気がします!これからの高校生活と、今後どのような進路に進むか、楽しみにしています。

短い時間でしたが、足を運んでいただき、本当にありがとうございました!

(D3・李怡然)

 

 

2018年度第9回公共政策セミナー

2019/03/13

本日、2018年度、第9回目の公共政策セミナーが開かれました。
ゲストスピーカーの方にもお越しいただきました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2019年3月13日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1:高島響子(国立国際医療研究センター メディカルゲノムセンター 上級研究員)

◆タイトル:患者遺伝情報の家族への共有に関する医師の義務

◆要約:患者は、自らの遺伝情報について知る権利・知らないでいる権利を有しており、医師は、患者の意思の尊重、並びに、守秘義務およびプライバシー保護の責務を負う。他方、患者の遺伝情報はその血縁者と一部共有されるため、患者家族の知りたい/知りたくないという希望と、患者の希望(あるいは患者の希望が不明である状況)との間に不一致が生じる場合がある。医師は、患者家族に患者の遺伝情報を伝える義務を負うか?患者への義務と家族の希望との間にジレンマが生じた場合にどうすればよいのか?本発表では、イギリスとドイツの2つの判例をもとにこれらの課題について検討する。

◆発表者2:武藤香織(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 教授)

◆タイトル:倫理審査委員会の一般の立場の委員をめぐる検討~患者・市民参画論の体系化を目指して

◆要約:倫理審査委員会に非専門家の立場の委員を置くというルールは、米国のIRBの歴史において構築され、広義での研究への患者・市民参画に含まれる。だが、非専門家委員への役割期待は、その歴史のなかで揺らぎ続けてきた。「人を対象とする医学系研究に関する研究倫理指針」では、「一般の立場の委員」の出席は倫理審査委員会の開催要件とされているが、その役割はガイダンスに少し触れられているだけで、実際にどのような役割を果たしているのか不明である。そこで、2018年10月、AMED「研究倫理審査委員会報告システム」に登録されている倫理審査委員会1,408件に調査票を送付し、最も経験年数の長い「一般の立場の委員」1名に調査票を配布する調査を実施した。
 本報告では、この調査結果のうち、「一般の立場の委員」の動機や役割認識などを中心に報告するとともに、研究への患者・市民参画をめぐる断片的な議論の体系化に向けた構想も述べたい。本調査は、AMED研究公正高度化モデル開発支援事業「倫理審査の質向上を目的とした倫理審査委員向け教材の開発」(代表:神里彩子)の一環として実施された。

 

 

2018年度第8回公共政策セミナー

2019/02/13

本日、2018年度、第8回目の公共政策セミナーが開かれました。
ゲストスピーカーの方にもお越しいただきました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2019年2月13日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1:神原容子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 学術支援専門職員)

◆タイトル:遺伝カウンセリングについて

◆要約:遺伝カウンセリングの概略と私が行っている遺伝カウンセラーの仕事についてご報告させていただきます。

◆発表者2:渡部沙織(東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学分野 日本学術振興会特別研究員PD)

◆タイトル:ジェネティック・シティズンシップ(遺伝学的市民権)に基づく難病患者研究参画の基盤整備に関する研究

◆要約:本研究は、先進諸国で展開してきたジェネティック・シティズンシップ研究のパースペクティブを踏まえ、日本における患者を中心とする研究参画の実相と課題について医療社会学の手法を用いて調査分析する。シティズンシップ・モデルに基づく患者の主体的な研究参画を実現する制度的基盤、政策的含意について、明らかにする事が本研究の総合的な目標である。そのために本研究では、(1)日本における患者の研究参画の実相に関する聴き取り調査(2)患者の研究参画の障壁に関するウェブ・郵送アンケート調査(3)アメリカ、欧州の患者レジストリに関する調査(4)日本の患者登録・レジストリに関する調査、これら4 つのフェーズの調査を実施する。本日はフェーズ2で実施した患者の研究参画の現状と課題に関するアンケート調査の概況と結果について、分析の経過を報告する。

 

 

医学研究の倫理をテーマにした単行本が刊行されました(『医学研究・臨床試験の倫理 わが国の事例に学ぶ』)

2019/02/10

医学研究・臨床試験の倫理 わが国の事例に学ぶ』が日本評論社より刊行されました。編者を井上が担当したほか(国立がん研究センターの一家綱邦さんとの共編)、執筆にも船橋他の研究室関係者、そして月例で開かれている研究倫理研究会のメンバーが多く参加しています。企画から刊行まで3年がけの作業でしたが、奇しくも臨床研究法の施行の年に刊行されることになりました。

この本では、わが国で、医学研究での「被験者保護」「研究倫理」が争点となった、15の出来事を検討しています。海外の出来事や事例が紹介される機会は多いのですが、この日本でこれまでどのような出来事が議論されてきたのか、また単にその事案の問題としてではなく、そこから今日の我々が学ぶべき課題は何か、このような視点からアプローチした類書はありませんでした。

患者を対象とする研究のほか、軍による研究、刑務所や乳児院での研究、最近のものでは産学連携をめぐる事案、研究論文の不正などが登場します。巻末には海外の議論と比較できるよう、整理した年表も付しました。改めて俯瞰すると、「問題」が認識される時代背景にも一定の潮流があり、「人を対象とする研究」を今後どのように検討していくべきか、新たな議論の地平も見えてきました。1月には本書の書評会があり、香川知晶さん(山梨大学)、松原洋子さん(立命館大学)、坂井めぐみさん(同)より貴重なコメントをいただき、議論することができました。刊行に至るまで多くの方々からいただいた助言、激励に感謝申し上げます。読売新聞ヨミドクター、日本臓器保存生物医学会の刊行誌(Organ Biology vol.26 No.1)などに書評が掲載されています。

 

 

PLOS ONE誌に臨床試験・治験参加経験のある患者の意思決定の背景に迫る論文が掲載されました(武藤)

2019/01/31

治験に参加した経験がある患者2,045名を対象とした質問紙調査(株式会社インテージのパネルを利用)と、認定NPO法人ディペックス・ジャパン1が管理する「臨床試験・治験参加者の語りデータベース」2に収載されている語りのデータも併用して分析し、患者が臨床試験・治験3に参加するまでの意思決定の過程を分析した結果が東部標準時2019 年 1 月 29 日午後2時にPLOS Group の科学誌 PLOS ONEの電子版に掲載されました。

質問紙調査の結果から、多くの患者は、医療者から臨床試験・治験に関する詳細な情報を受け取る前に、すでに「インフォーマルな意思決定」をしており、短期間のうちに(概ね2~3日間)、誰にも相談せずに参加の決断をしている傾向が明らかになりました。また、語りのデータの分析から、患者の臨床試験への参加にあたっての態度は、①能動的参加(医療者の考えを引き出し、積極的に同調する)、②受動的参加(医療者の提案をそのまま受け入れる)といったタイプに分類され、熟慮のうえで意思決定をしている状況とは言いがたいものでした。また、著者らは、患者が臨床試験・治験への参加判断をするまでに4つの段階を経るのではないかと考えました(臨床試験・治験に関する最初の情報に接する段階、「インフォーマルな意思決定」をする段階、臨床試験・治験に詳しい医療者からの詳細な説明に接する段階、「フォーマルな意思決定」をする段階)。そこで、著者らとしては、臨床試験・治験のインフォームド・コンセント5を担当する医療者は、熟慮するきっかけを促すためのリストの作成、4日以上の熟慮期間の確保に留意すべきではないかと結論づけています。

本研究成果は、国立がん研究センター生命倫理・医事法研究部の 中田 はる佳(なかだ はるか)研究員、群馬パース大学保健科学部の 吉田 幸恵(よしだ さちえ)講師、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの 武藤 香織(むとう かおり)による共著論文です。

※1 認定NPO法人ディペックス・ジャパン

オックスフォード大学で作られているDIPEx(Database of Individual Patient Experiences)をモデルに、日本版の「健康と病いの語り」データベース」のデータベースを構築し、それを社会資源として活用していくことを目的として作られた特定非営利活動法人(NPO法人)です。

※2 臨床試験・治験参加者の語りデータベース

認定NPO法人ディペックス・ジャパンの「健康と病いの語りデータベース」内にある、臨床試験・治験に参加した人、参加できなかった人、参加を断った人など、なんらかの形で臨床試験・治験に関与したことがある40名の語りが収録されたデータベース。その語りの一部はウェブ上で公開されている。

※3 臨床試験・治験

新規の医薬品・医療機器開発や、手術方法等の安全性や有効性を確認するために実施される、健康な人や患者を対象とした臨床研究を臨床試験と呼ぶ。このうち、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき、医薬品・医療機器等の製造販売承認を得るために実施される臨床試験を治験と呼ぶ。

※4インフォームド・コンセント

臨床試験・治験において、研究対象者が研究内容について十分な説明を受け理解したうえで、その研究参加に関して意思決定する過程のこと。

 

 

Journal of Human Genetics誌にがん遺伝子パネル検査に対する態度に関する論文が掲載されました(永井・李・武藤)

2019/01/11

永井です。Journal of Human Genetics誌にがん遺伝子パネル検査に対する態度に関する論文が掲載されました。

 

Akiko Nagai, Izen Ri & Kaori Muto

Attitudes toward genomic tumor profiling tests in Japan: patients, family members, and the public

Journal of Human Genetics (2019)

https://www.nature.com/articles/s10038-018-0555-3

 

 がんに関連する遺伝子を網羅的に調べるがん遺伝子パネル検査は、医療への応用が急速に進んでいます。日本では、2018年にがんゲノム医療の中核を担うがんゲノム医療中核拠点病院が指定されるなど、がんゲノム医療の推進に向けた体制整備が進められています。海外におけるがん患者を対象とした研究では、がん細胞のプロファイリングへの関心が高く、二次的所見の開示を希望する人が多いけれども、心理的負担や健康保険への影響などの懸念も示されたと報告されています。しかし、日本では、がん遺伝子パネル検査の認知度や同検査に対する態度に関する調査はほとんど行われておらず、がん患者やがん患者の家族が、がん遺伝子パネル検査に対してどのような期待や懸念を持っているかは明らかではありませんでした。そこで、がん患者やがん患者の家族、一般市民を対象として、2018年3月と5~6月にがん遺伝子パネル検査の認知度および同検査に対する態度について調査を行いました。

 調査の結果から、がん遺伝子パネル検査の認知度は、がん患者・がん患者の家族・一般市民のいずれのグループでも低いけれども、がん患者とがん患者の家族は一般市民よりも同検査のベネフィットを高く認識していることが明らかになりました。がん患者の家族は、がん患者よりもがん遺伝子パネル検査の生殖細胞系列の結果を共有したいと考えている人が多いことがわかりました。がん遺伝子パネル検査の主な検査対象となる進行がんの患者は、心理的な負担から治療選択や生殖細胞系列の結果の共有について意見を述べることが難しい可能性があることから、がん遺伝子パネル検査はアドバンスド・ケア・プランニングと一緒に提示されるべきと考えます。

 2019年度よりがん遺伝子パネル検査は保険適用されることとなり、同検査への関心や態度に影響を与える可能性があります。今後もがん遺伝子パネル検査に対する態度について調査を行い、がんゲノム医療の普及に向けた課題について検討していく必要があると考えています。

 

■プレスリリース文は下記をご覧ください■

がん遺伝子パネル検査に寄せる期待と懸念とは?

-がん患者・一般市民を対象としたインターネット調査の結果より-

http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/190212jhg.pdf

 

 

2018年度第7回公共政策セミナー

2019/01/09

本日、2018年度、第7回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2019年1月9日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1:内山正登(大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 博士後期課程)

◆タイトル:ヒト生殖細胞系列へのゲノム編集に関する啓発プログラムの開発に関する研究 -これまでの研究のまとめと今後の課題-

◆要約:博士課程の3年間、受精卵を中心としたヒト生殖細胞系列へのゲノム編集に関する啓発プログラムの開発に向けて取り組んできた。本研究では、一般市民を対象とした意識調査、フォーカス・グループ・インタビュー、日本科学未来館との啓発プログラムの試行版の作成などを取り組みを行った。
 今回は3年間の研究活動の総括として、これまでの一連の研究内容を整理するとともに、現在取り組んでいる2018年に実施した意識調査に関する論文の進捗状況について報告する。また、博士課程予備審査会で今後の課題として指摘された”ヒト受精胚”の取扱に関する議論の整理に関する進捗状況を報告する。
 また、今後ヒト受精胚への一般市民の認識を明らかにするため、フォーカス・グループ・インタビューを再び実施する予定である。このフォーカス・グループ・インタビューの計画について紹介するとともに、今後の研究の進め方について報告する。

◆発表者2:李怡然(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 博士後期課程)

◆タイトル:遺伝性疾患の患者の「リスクの医学」をめぐる経験と認識 

◆要約:網羅的なゲノム解析技術を利用したゲノム学が発展し、ゲノム情報をもとに診断や治療選択を目指すゲノム医療が国際的に推進されている。ゲノム医学/医療は、リスクの管理と疾病予防を重視する「リスクの医学」の一形態と考えられる。特に有効な治療・予防法の存在する(「対処可能な」)遺伝性疾患のリスクを、患者・家族が早期に知ることを推奨する動きが強まっている。このような背景の中で、国内の遺伝性疾患の患者は、どのような経緯で遺伝学的検査を受検し、発病リスクに向き合うかについては、十分明らかにされていない。そこで、本研究では、対処可能な遺伝性疾患の代表例とされる遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の患者へインタビュー調査を実施した。本報告では、患者の受診経験や、遺伝学的検査を受検する過程に焦点を当てて、報告を行う。

 

 

第5回「ヒトゲノム研究倫理を考える会」 – 新しいゲノム医療の中で何が必要か –(1/16)

2018/12/19

2018年度第5回「ヒトゲノム研究倫理を考える会」
新しいゲノム医療の中で何が必要か

日時:2019116日(水)14:00-17:00 (開場13:30)
会場:東京大学医学研究所 1号館講堂(東京都港区白金台 4-6-1)
対象:大学・研究機関の倫理審査関係者、研究者など
定員・参加費:100名(無料)
主催:文部科学省科学研究費新学術領域「先進ゲノム支援」ゲノム科学と社会ユニット(GSユニット)
協力:東京大学ゲノム医科学研究機構
事前申し込みが必要です
https://www.genomics-society.jp/news/event/post-20190116.php/

プログラム
14:00-14:10 「開会の挨拶」
        東京大学医科学研究所 武藤 香織

14:10-14:30 「保険診療として行われるがん遺伝子パネル検査」
        国立がん研究センター 河野 隆志 

14:30-14:50 「がん遺伝子パネル検査:研究から診療への移行・混在に伴う倫理的課題」
        東京大学医科学研究所 武藤 香織         

14:50-15:10 「患者からみる今後の課題と対策」
        (一社) ゲノム医療当事者団体連合会 太宰 牧子

15:10-15:30 「生命保険とゲノム医療」
        (一社) 生命保険協会 契約サービス委員会 浦中 麻由良 

15:30-15:50 「総合的な政策のあり方」
        参議院議員 薬師寺 みちよ

(休憩 10分)

16:00-16:10 指定発言
        大阪大学大学院医学系研究科 加藤 和人

質疑・総合討論

問合せ:workshop@eth.med.osaka-u.ac.jp

 

 

2018年度第6回公共政策セミナー

2018/11/21

本日、2018年度、第6回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2018年11月21日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1:飯田 寛(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程)

◆タイトル:発症前検査の影響―生命保険

◆要約:修士論文で取り組んでいる研究(発症前検査の影響‐生命保険)の背景・目的・方法・調査内容・中間報告について発表する。発症前検査の進展・普及が生命保険に影響することとしてアットリスクの状態の方及び血縁者が保険に入れないという遺伝差別の問題、アットリスクの加入者が将来のリスクを告知しないで加入する逆選択の問題が挙げられる。各国が発症前検査の生命保険の利用について規制をつくっているが、日本では規制が存在せず、保険業界の議論も進んでいない。そこで、遅れてしまった日本で議論を進めるためには、海外の参考になる事例を明らかにすることとステークホルダーたる日本の生命保険業界・会社員の発症前検査に関する知識・考えなどの現状を明らかにするこが必要と考える。このことを研究の目的とする。海外の事例として英国のモラトリアム協定制定までの経緯について文献調査を実施、日本の現状把握については生保研修会参加者に対する事前アンケート調査を実施した。前回の公共政策セミナーの発表後に英国保険協会のヒアリングと日本の生命保険社員へのヒアリングを実施したので、その結果も加えて報告する。 

◆発表者2:永井 亜貴子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任助教)

◆タイトル:がん遺伝子パネル検査に対する患者・市民の態度

◆要約:がん組織の遺伝子を一括して網羅的に調べるがん遺伝子パネル検査は、がんの治療方針の決定において有用とされ、医療への応用が急速に進んでいる。日本では、2018年2月に「がんゲノム医療中核拠点病院」が指定され、4月にがん遺伝子パネル検査が先進医療として承認されるなど、がんゲノム医療の推進に向けた体制整備が進められている。海外では、がん患者を対象とした調査がいくつか報告されているが、日本のがん患者や市民のがん遺伝子パネル検査に対する態度は明らかではない。
 こうした背景の下、がん患者およびがん患者の家族と市民を対象として、がん遺伝子パネル検査に関するインターネット調査を実施した。本報告では、特に、がん遺伝子パネル検査の認知度や同検査に関する期待や懸念などに関する結果について紹介します。

 

 

第4回研究倫理を語る会(2/10)in 名古屋!

2018/11/10

第4回研究倫理を語る会のサイトがオープンしました。
次回は名古屋です。お早めにお申込下さい!
日時:平成31年(2019年)2月9日(土) 場所:名古屋大学医学部(名古屋市昭和区) 参加費:5000円(事前4000円)

https://confit.atlas.jp/guide/event/kenkyurinri4/static/announce

 

 

2018年度第5回公共政策セミナー

2018/10/31

本日、2018年度、第5回目の公共政策セミナーが開かれました。 
内容は以下の通りです。 

◆日時:2018年10月31日(水)13時30分~16時00分

◆発表者1:小林智穂子(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 博士後期課程)

◆タイトル:公共の福祉におけるプロボノ活用の領域

◆要旨:最近関わっている事業事例と近況のご報告をいたします。

 

◆発表者2:船橋亜希子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)

◆タイトル:ドイツ遺伝子診断法について

◆要旨:現在検討中のドイツ遺伝子診断法について、その成立過程と現在の規制内容を中心にご報告させていただきます。

 

 

【院生室より】日本人類遺伝学会に参加してきました

2018/10/15

10月11日(木)から13日(土)にパシフィコ横浜で開催された「日本人類遺伝学会」に参加してきました。これが私の初の日本での学会参加です。

武藤先生はシンポジウムの座長を務めるとともに演者としても3度も登壇され八面六臂のご活躍でした。11日の口演では永井さん、内山さん、李さんが発表。前日の予演の効果もあって三人とも堂々とスムーズに発表されていました。素晴らしい☆ 

私は12日にポスター発表。会の指示通り朝の8時にポスターを貼りに行くも他の人は誰も貼っておらず・・・。前回のイギリスの学会では誰にも興味を持っていただけなかったので期待していなかったのですが、昼に覗きに行くと熱心に読んでくださっている方がいらっしゃいました!思い切って声をかけて説明させていただくと、次々と人が集まって活発な質疑応答になりました。本チャンの17時45分からの発表の際にも多くの人に集まっていただき活発な議論ができました。医療従事者の方々が患者さんとともに生命保険の不透明な取扱いに不安と不満を持っていらっしゃることがよく分かりました。また、自分の研究の価値について常々悩んでおりましたが、皆さんに関心を持っていただき評価いただきましたので、研究の世間への貢献の可能性を感じモチベーションが上がったしだいです。ポスターについては説明させていただくと理解していただけましたが、他のポスターと比較すると用語の解説もなく、内容も要点がまとまっておらず、分かり難いものでした。反省です。

今回の学会で多くの知識と知己を得たように思います。

(M2 飯田寛)

 

 
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