IMSUT
Menu
ホーム
研究室の紹介
メンバー紹介
著作物リスト
大学院進学について
お知らせ
リンク集
研究室へのアクセス
ENGLISH
お問い合わせ
IMSUT ORE
BARRIER FREE
東京大学医科学研究所公共政策研究分野

文字の大きさ フォントサイズを大きく フォントサイズを小さく

ページ | << | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | >> |  / 全466件 24ページ

2014年度第2回公共政策セミナー

2014/06/13

本日、2014年度、第2回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2014年6月13日(土)10時30分〜12時

◆報告者:川端美季さん(日本学術振興会特別研究員PD)

◆タイトル: 近代日本における公衆浴場の衛生史的研究

◆発表概要:
明治期以降の近代化に伴い,日本の江戸風俗を代表する社交場としての「湯屋」は,徐々に公衆衛生的管理の対象としての「公衆浴場」になっていった.公衆浴場に対する公衆衛生的管理がもっとも凝縮したかたちで現れたのが,大正期を中心に行政によって設置された公設浴場である.本研究は,公設浴場がいかに設置され展開していったのかに着目し,公衆浴場が公衆衛生行政に組み込まれていった経緯について,歴史的に検討するものである.
 明治期以降,官僚や知識人が欧米を視察するなかで,欧米の衛生学的言説が導入され衛生思想の啓蒙運動を通して入浴は「清潔」のために行なわれるものであると強調されるようになった.それと同時に公衆浴場という場も,清潔で衛生的な場であるべきであると認識されるようになった.欧米で活発だった公衆浴場運動の影響もあり,身体の清潔が都市行政の課題とされた結果が府や市が主体となって建設した公設浴場である.公設浴場は,単に行政の主導で衛生的な清潔を目的のためだけに設けていったのではなく,公設浴場が設置される地域の住民,対立する浴場営業者などとの相互的な活動のなかで公設浴場という場が作り上げられた.公設浴場の設置と規制の確立を契機として,公衆浴場が公衆衛生のなかに組み込まれていった.

 

 

【院生室より】オープンラボにお越しいただきありがとうございました

2014/06/11

D3の中田はる佳です。梅雨入りしてすっきりしない日が続いています。
そんな雨の土曜日(6月7日)に、第2回オープンラボを開催いたしました。天気が良くなかったにも関わらず、4名の方が研究室を訪れてくださいました。第1回(5月18日)にも2名の方にお越しいただき、入試のことや関心があるテーマなどについて、情報交換をすることができました。一人一人の来訪者の方と比較的ゆっくりお話しできたと思います。

改めて、ここはいろんなバックグラウンドの人が集まりやすい研究室なのだと感じました。自分たちの研究室をどうやって紹介していくのがよいか、また振り返って検討し、来訪者の方々により有益な機会になるように考えていきたいと思います。

オープンラボにお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました!

*写真:武藤先生と修士院生2名で来訪者の方とお話中。

(D3・中田はる佳)

 

 

第47回 ジャーナルクラブ記録

2014/06/06

第47回(2014年06月06日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

武藤:
23andMe and the FDA
George. Annas, Sherman Elias
The New England Journal of Medicine 2014;370:985-8
Letters to Editor
Koichiro Yuji, Tetsuya Tanimoto, Yasuo Oshima
The New England Journal of Medicine 2014;370:2248-2249

中田:
NIH rethinks psychiatry trials
Sara Reardon
Nature Vol 507 20 March, 2014

小林:
「現代の市民社会論」
植村邦彦
『市民社会とは何か』平凡社 2010年12月15日

趙:
遺伝学、優生学及び倫理学の打診
邱仁宗(Qiu Renzong)
『遺伝(Hereditas)』19(2): 35-39 1997

岩本:
Development of a National Agreement on Human Papillomavirus Vaccination in Japan: An Infodemiology Study
Haruka Nakada, Koichiro Yuji, Masaharu Tsubokura, Masahiro Kami
J Med Internet Res. 2014 May 15;16(5):e129. Doi:10.2196/jmir.2846

江:
医薬品開発におけるファーマコゲノミクスの現状と展望
玉起 美恵子
薬学雑誌 Vol.129,No.1,p.132-145,2009

李:
思春期の子どもへのインフォームド・アセントとケア倫理の必要性
本田優子
熊本大学社会文化研究2(2004)

藤澤:
韓国における選択的中絶をめぐる議論
金律里
死生学・応用倫理研究 第19号(2014.3.15)

 

 

【院生室より】博士中間報告会

2014/05/20

D3の中田はる佳です。少し間が開いてしまいましたが、院生はそれぞれ元気に活動しています。今年度はM1学生が2名増え、にぎやかな雰囲気になっています。

私は、今年度が博士課程の最終学年です。メディカルゲノム専攻の博士号取得に向けた第一歩として「博士中間報告会」というものがあります。これは、博士課程の研究進捗状況や論文の取りまとめ状況を、指導教員以外の先生方に報告し、アドバイスをいただく機会です。発表形式などは、学生とコメントをいただく先生方との間で自由に決めることができます。今回は、スライドでの発表会形式として研究の進捗報告をしました。

この中間報告会は、自分の研究を客観的に見ていただく非常に良い機会でした。公共政策研究分野ではメディカルゲノム専攻の中で社会科学寄りの研究を行っており、主に実験をして成果を出す他の研究室の先生方にはなじみが薄い研究分野でもあります。しかし、他分野の先生方に見ていただくことで、どこが伝わりづらいのか、自分の研究の価値を説明する上で足りないところは何かというところをはっきり認識することができました。

公共政策研究分野で行う研究の成果は、基礎研究を行っている先生方や臨床現場の先生方にも積極的に伝えていく必要があります。今回の中間報告会では、博士課程の研究方針だけでなく、今後の研究成果の伝え方についてもとても有用な示唆を得ることができました。

課題が見えたところで、引き続き研究をがんばって進めていきます。

(D3・中田はる佳)

 

 

第46回 ジャーナルクラブ記録

2014/05/16

第46回(2014年05月16日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
The ESHRE PGD Consortium: 10 years of data collection
J. C. Harper, L. Wilton, J. Traeger-Synodinos, V. Goossens, C. Moutou, S. B. SenGupta, T. Pehlivan Budak, P. Renwick, M. De Rycke, J. P. M. Geraedts, and G. Harton
Human Reproduction Update, Vol.0, No.0 pp.1-14, 2012

小林:
「第9章 福祉の社会的分業」
武川正吾
『福祉社会―包摂の社会政策』、有斐閣、2011年10月5日新版

趙:
ゲノム解析技術の進展と課題 -巨大化する医学・生命科学分野の技術-
荒内貴子,井上悠輔,礒部太一,武藤香織
社会技術研究論文集, 11,138-148.(2014).

江:
ファーマコゲノミクスの薬物治療への応用に関する市民の意識調査
藤尾 慈, 津谷 喜一郎, 渡邉 裕司, 玉起 美恵子, 東 純一
臨床薬理 38(4)July 2007

李:
子どもへのテリングのサポート方法に関する考察―第三者の関わる生殖技術による出生について―
才村真理
帝塚山大学心理学部紀要 1, 87-98, 2012

 

 

2014年度第1回公共政策セミナー

2014/05/14

本日、2014年度、第1回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:5月14日(水)17時30分〜18時30分

◆報告者:中田はる佳(新領域創成科学研究科メディカル専攻博士後期課程3年)

◆タイトル:当事者から見た臨床試験・治験の倫理的課題の探索に向けて(中間報告会予行)

◆概要:現在「当事者から見た臨床試験・治験における倫理的課題の探索」をテーマとして研究を進めており、博士論文としてまとめる予定である。現在、本テーマで意識調査を行い、インタビュー調査を行っているところである。今回は、データ収集状況、分析状況について進捗を報告する。

 

 

オープン・ラボ(5月18日(日)、6月7日(土))

2014/04/19

 平成27(2015)年度に大学院入学を希望され、当研究室での研究を検討されている方は、オープン・ラボにご参加いただくか、個別に連絡をお願いします。

第1回 オープン・ラボ
日時:2014年5月18日(日) 10時~18時(武藤不在予定)
場所:公共政策研究分野研究室(白金台キャンパス)

第2回 オープン・ラボ
日時:2014年6月7日(土) 10時~18時
場所:公共政策研究分野研究室(白金台キャンパス)

 事前にご連絡をいただければ、大変うれしいですが、当日訪問でも構いません。お気軽にお越し下さい。

※6月7日(土)は武藤が不在にする時間があります。武藤との面談をご希望の場合は事前連絡をお願いします。

 

 

第45回 ジャーナルクラブ記録

2014/04/18

第45回(2014年04月18日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

小林:
『公共性』「第3章 生命の保障をめぐる公共性」
齋藤純一
岩波書店 2000年

趙:
「遺伝子配列解析検査及び技術の臨床使用についての管理強化に関する通知」
中国食品薬品監管総局弁公庁、国家衛生計生委弁公庁

岩本:
バイオテクノロジーをめぐるメディア言説の変遷―朝日新聞記事の内容分析を通じて
日比野愛子、永田素彦
科学技術社会論研究 第5号(2008)

江:
これからゲノム医療を知る―遺伝子の基本から分子標的薬,オーダーメイド医療まで
中村祐輔
羊土社 2009/06/30

 

 

科学技術社会論からみた次世代シークエンサーの意味を問う論文が社会技術研究論集に掲載されました(荒内)

2014/04/15

次世代シークエンサー技術は、その解析速度が主に注目されていますが、この機器を研究室で制御し、適切に運用することについて、十分な議論がありません。この論文では、巨大科学をめぐる議論を参考に、次世代シークエンサーが研究環境に与える影響と、巨大化するゲノム科学について検討しました。

ゲノム解析技術の進展と課題-巨大化する医学・生命科学分野の技術

荒内貴子, 井上悠輔, 礒部太一, 武藤香織. 社会技術研究論集11: 138-148, 2014.

 

 

新しい仲間を迎えました

2014/04/01

2014年4月より、
学際情報学府修士課程1年生として
藤澤 空見子さん
李 怡然さん
をお迎えしました。
どうぞよろしくお願い申し上げます!

 

 

【院生室より】特別講演会「終末期における臨床ケアと研究に関する倫理的問題について」を聴講してみて

2014/04/01

春の暖かな陽気とともに、杉の花粉が舞い散る今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
4月よりM2となりました岩本八束です。


先日、医科研にて行われた特別講演会「終末期における臨床ケアと研究に関する倫理的問題について」を聴講してきました。
今回の講演会は研究支援業務従事者、医療従事者のみならず、基礎医学研究者など様々な方が参加してくださりました。

講演会の内容は大変興味深く、また、はっとさせられるようなところもありました。十分に吸収できている自信はありませんが、今後の研究の糧となりました。また、今回参加なさってくださった多数の方々も、今回の講演会は非常にためになった、このような講演会を今後も開催して欲しい、と思ってくださっているそうです。
紙面の都合上全てというわけにはいかないため、その一部について拙い文章ではありますが、ご報告させていただきます。


Vollmann先生の講演は「積極的/消極的安楽死」という用語が未だに使われていることについての問題から始まりました。積極的/消極的安楽死、尊厳死などといった用語が現場ではよく用いられているのですが、実際に明確に区別がつくことは少ないうえ、そもそも何が倫理的なのかが見失われてしまうということを指摘していました。そして大事なことは患者さんにとってなにがよいのか、ということであり、用語から解き放たれた議論が必要であると述べておりました。
このお話を聴いたとき、このようなことは終末期をめぐる議論にとどまった話ではなく、より広く倫理に関する現代の研究が抱えている問題ではないか、と思うと同時に、自分自身そうなっているのかもしれない、と反省しました。

終末期の患者さんの研究参加について、研究参加がタブーとされてきたのは、以前は根治治療の研究しか行われてこなかったという背景が大きく、緩和ケアの研究もなされている今、根治治療の研究含め、どのような形で終末期の患者さんが研究に参加できるのかを考えていくことこそが重要であると述べておりました。それは例えば、同意を頂く際には十分に説明を行うことや、根治治療の研究であればいつでも緩和ケアに移れるようにしておくこと、緩和ケア目的の研究であれば個々にどのような緩和ケアが必要とされているのかを考えた研究を設計すること、などであるそうです。

そして最後に、緩和ケアと根治治療は切り離して考えるべきではなく、全人的な医療が必要であること、そして終末期の過ごし方は家族や友人、医師と共同して考えていくことが何よりも重要である、そのためには専門医のみならずかかりつけ医や医師でない医療従事者も終末期について深く考えていくべきである、と述べておりました。
研究者の卵としては、あぁその通りだな、それこそが目指すべき姿なのだろうな、と非常に感銘を受けました。しかし一市民としては、ではどうやって話し合えばいいのか、話を持ちかけるきっかけはどう作ればよいのか、といった戸惑いや疑問を持ちました。今回の講演会に参加してくださった方々も、ではより具体的にはどうすればよいのか、との感想をアンケートに記していました。


講演の内容を十分に記すことができず大変もどかしいですが、少しでも皆様に伝われば幸いです。


尚、余談ですが、私と趙さんでVollmann先生をお迎えにあがったのですが英語がほとんどできない私はVollmann先生と話すことができず、大変悔しい思いをしました。グローバルな人間になるためにも英語もしっかり勉強しよう!、と強く決意をしました。

(M2・岩本八束)

 

 

STAP細胞問題をめぐって(武藤)

2014/03/16

 STAP細胞問題について、マスメディアの方々から多数の問合せをいただいているのですが、現時点でコメントしたい事柄がなく、全てお断りしています。
 とはいえ、ここでは、まだ余り指摘されていないことを3つほど、備忘録として挙げておきたいと思います。

(1)理系論文の「背景」「目的」部分への労力/評価のバランスを見直そう
(2)科学という不確実な営みに対する、「契約」や「評価」がもたらす歪みを問い直そう
(3)「細胞を創り出す」思想や行為に特有の、研究倫理上のリスクを洗い出そう

 なお、いま願うことは、理化学研究所でのSTAP細胞作製手順公開から2週間経過しましたが、いまだに再現実験を繰り返して苛立っている友人たち、どういう(不正な)行為を足し引きすればSTAP細胞ができあがるのかを実験している友人たちが、睡眠不足の日々から早く解放されることです。以下、長文。
 
-----------
(1)理系論文の「背景」・「目的」部分への労力/評価のバランスを見直そう
 文系の研究者からみますと、生命科学(あるいは理系全般?)の研究者は、論文の「背景」・「目的」に対する思い入れが少なすぎます。この思い入れのなさの原因は、論文のインパクトが「方法」と「結果」であって、「背景」と「目的」にかける執筆労力も、論文全体からみた配点/評価も低く割り当てられているためではないでしょうか。従って、執筆者もその上長も、「背景」・「目的」におけるコピペへの垣根が極めて低く、むしろ常態化しているのではないかとも感じます。このことは、生命科学・医学の世界にやってきたときのカルチャーショックの一つでもありました。
 個人研究を中心とする文系の研究者にとっては、自分のレゾン・デートル証明のためにも、論文の「背景」「目的」は、極めて重要な執筆過程になります。逆に、文系の研究者の論文は、「方法」部分の記述が全体としてpoorになりやすく、「結果」「考察」の区別をつける必要性は研究領域によっても異なるため、論文が「作品」/「エッセイ」/「論説」になりやすいリスクを秘めていることも指摘しておきます。

(2)科学という不確実な営みに対する、「契約」や「評価」がもたらす歪みを問い直そう
 2005年に韓国の黄禹錫氏によるヒトクローン胚からのES細胞樹立の捏造が発覚したときには、日本の研究コミュニティは、それを「初のノーベル賞をほしがった韓国の話であって、日本は関係ない」と冷笑していました。
 しかし、2007年にヒトiPS細胞が作製されるようになると、「万能な細胞を創り、利用することを目指す」研究領域では、「オール・ジャパン」での産学連携体制が進み、確実に実用化できる成果を出させなければ、研究機関としても、個人としても、大幅に評価が低下する環境が、他の研究分野に先駆けて整ってしまいました。つまり、本来、科学は、成果を確約できない不確実な営みであるにもかかわらず、この数年の間で、「成果は論文ではなく実用化」という評価軸が産まれ、「実用化に資する成果を出す」ことをスポンサーと「契約」して研究せざるを得なくなりました。
 大規模予算の獲得を目の前にして、素人にわかりやすい説明責任を求められるようになると、研究責任者は、素人受けのよい研究テーマや成果説明を、そして広告代理店を調達しようとします。こうして、イノベーションを目指す営みには大規模予算がつく一方、基礎科学を目指す営みは、「科研費で細々とおやりください」という環境が完成したように思います。その両方を同じ「科学」と呼んでよいのか、はなはだ疑問です。 
 結果として、個々の研究者個人の営みは、実用化に向けた下請けとしてさらに分業化され、かつてない労働環境が進んでいるように思います。若手研究者の自虐的な呼称である「ピペット土方/奴隷」という言葉が出てきて久しいですが、彼らはもっと大きな構造変化のなかでの「ピペド」に転換したともいえます。
 むろん、日本の生命科学は、ほぼ国の税金によって支えられており、厳しい財政難のなかでこれを差配する官僚からみれば、国民への説明責任や国民へ成果還元を重視せざるを得ないという立場も理解できます。しかし、余りにも短期間のうちに、環境が大きく転換されたことの功罪を、いま見直しておく必要があると考えます。

(3)「細胞を創り出す」思想や行為に特有の、研究倫理上のリスクを洗い出そう
 まだ漠然とした、またぼんやりとした懸念ですが、「万能な細胞を創り、利用することを目指す」研究領域では、その思想や行為自体に内包される、独特の研究倫理上のリスクが存在しているのではないかと思うようになりました。
 従来同定されてきた倫理的な課題としては、①受精卵を滅失させるES細胞の利用、②女性からの採卵や卵子売買、③iPS細胞から作製した生殖細胞の受精の禁止などがあります。確かにこれらを除けば、法令・指針で同定している範囲での、生命倫理上の問題はないのかもしれません。
 しかし、古くは、1981年のクローンマウスの捏造事件に遡るかもしれませんが、一般的な臨床研究のデータ捏造とは異なり、「新しく万能な何かを創り出す」こと、あるいは「新しく万能な何かを創り出す科学者になること」には、独特な魔の差し方、あるいは、彼らを魅了する何か、があるように思われるからです。
 ここで述べている漠然とした研究倫理上のリスクとは、
・コピペや画像処理が容易になった時代における一般論としての研究不正リスク
・(2)で述べたような、契約や評価へのプレッシャーがもたらす歪みから生じる研究不正リスク
とも異なる、新たな問題として認識しないと、この研究領域での研究不正はなくならない予感がします。まだ具体的なことは何も指摘できませんが、考え続けていきたいと思っています。

 

 

2013年度第9回公共政策セミナー

2014/03/12

本日、2013年度、第9回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2014年3月12日(水)10時~12時

◆報告者:武藤香織

◆タイトル:「偶発的所見」の取り扱いに関わる論点と今後の課題(高坂班報告書原稿要旨)

◆報告者:永井亜貴子

◆タイトル:オーダーメイド医療の実現プログラムと遺伝子検査に関する意識調査

◆概要:遺伝情報をもとにした個別化医療の実現を目指し、2003年より実施されている「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」の概要およびその臨床情報に関する研究についてと、現在調査を実施している遺伝子検査ビジネスに関する意識調査の概要についてお話しします。

 

 

特別講演会「終末期における臨床ケアと研究に関する倫理的問題について」(3月24日(月)開催)

2014/03/12

 このたび 2014年3月24日(月)午後6時より、東京大学医科学研究所2号館大講義室にて、特別講演会「終末期における臨床ケアと研究に関する倫理的問題について」を開催することになりましたので、ご案内申し上げます。
 ご講演くださるのは、臨床倫理コンサルテーションの著書もお書きになっている、ドイツ・ボッホム大学のヨッヒェン・ホルマン教授です。東大医学系研究科でのご講義に先立ち、医科研でもご講演をしてくださることとなりました。
 主な対象は、医療職の方々をはじめ、この領域に関心をもつ、医学・生命科学、人文・社会科学系の大学院生・専門家などです。
 年度末のご多用のところ、誠に恐れ入りますが、ぜひご参加いただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

********

特別講演会「終末期における臨床ケアと研究に関する倫理的問題について」

概要:
 元来、臨床研究や治験とは、新しい知識を生み出し、未来の患者さんや社会に貢献することを目的とする活動である。平成24年に取りまとめられた「臨床研究・治験活性化5 か年計画2012 アクションプラン」では、医療上必要な医薬品、医療機器を迅速に届けることが目標の一つに掲げられ、医療者自身による臨床研究や治験の実施も推奨されている。他方、終末期にある患者さんへの臨床のケアは、医療者が患者さんの命の最期のプロセスに寄り添い、その患者さんにとっての最善の利益を提供することでもある。本講演では、終末期における臨床のケアと研究に関わる倫理的問題について、ドイツより医療倫理分野で著名なホルマン教授をお招きして、とともに考える。

日時: 2014年3月24日(月) 午後6時~午後7時30分(予定) 

場所: 東京大学 医科学研究所 2号館 大講義室(東京都港区白金台4-6-1)
医科研へのアクセス

構内地図(*10番の建物です)

講師: ドイツ・ボッホム大学 ヨッヒェン・ホルマン教授

使用言語: 英語・日本語 (同時通訳あり)

参加費: 無料

定員: 70名
(同時通訳設備の関係で、事前登録をお願いしております。ただし、定員に達しない場合は、当日でもご参加を受付致します。)

事前登録先:
参加ご希望の方は、1)お名前、2)ご住所、3)ご所属、4)緊急連絡先を明記の上、3月22日(土)までにikaken140324@gmail.com 「再生医療と研究倫理教育 事務局」
まで、お申込み下さい。
*悪天候の場合は、緊急連絡先にお知らせ致します。

主催:
(独)科学技術振興機構 再生医療実現拠点ネットワークプログラム
「再生医療研究における倫理的課題の解決に関する研究」(課題D)

共催:
日本生命倫理学会研究倫理部会

 

 

第44回 ジャーナルクラブ記録

2014/03/07

第44回(2014年03月07日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
The establishment of Research Ethics Consultation Services (RECS): An Emerging Research Resource
Jennifer B. McCormick, Richard R. Sharp, Abigale L. Ottenberg, Carson R. Reider, Holly A. Taylor, Benjamin S. Wilfond
Clin Transl Sci. 2013 February; 6(1): 40-44

趙:
BGI社による日本での新型出生前遺伝学的検査(NIPT)販売をめぐる問題について

岩本:
存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて
東浩紀
新潮社 1998年10月30日

 

 

シンポジウム 「日本のゲノムコホート研究とバイオバンクの倫理的課題-信頼と責任を考える」(3月28日(金)開催)

2014/03/03

 このたび、「オーダーメイド医療の実現プログラム」では、シンポジウム「日本のゲノムコホート研究とバイオバンクの倫理的課題―信頼と責任を考える」を開催することとなりました。
 多施設共同のバイオバンク及びゲノムコホート研究では、長期間にわたり、多様な研究に利用されることを前提として、多数の参加者からインフォームド・コンセントを受け、試料や情報を提供して頂いています。そこで、日本を代表する6事業について、その倫理面のガバナンスや課題に着目したシンポジウムを開催し、各事業の推進において抽出された倫理的法的社会的課題とその対応状況について紹介するとともに、必要な制度設計をめぐる社会的議論を喚起したいと考えています。
 年度末のお忙しい折ではございますが、多くの方々にご参加いただけますよう下記のようにご案内申し上げます。

【日時・場所】                                
日時:2014年3月28日(金) 14時~17時
場所:大手町サンケイプラザホール (東京都千代田区大手町1-7-2)

【参加無料】(定 員 300名)
【申込方法】本シンポジウムは事前申込をお願いしております。ウェブサイトよりお申し込みください。

主 催  東京大学医科学研究所    
共 催  理化学研究所統合生命医科学研究センター

 プログラム等の詳細については、こちらをご覧ください。
 なお、お問い合わせ先は、以下のとおりです。
【お問い合わせ先】
「日本のゲノムコホート研究とバイオバンクの倫理的課題」シンポジウム事務局
〒164-0003 東京都中野区東中野4-27-37 株式会社アドスリー内
TEL 03-5925-2840  FAX 03-5925-2913(受付時間 10:00~17:00)

 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

 

新しいパンフレットができました!(臨床試験の語りプロジェクト・吉田)

2014/02/26

先日実家から「東京は寒いと聞きました」と、もっふもふのパジャマが送られてきました。
寒さのピークは過ぎましたが、おかげさまで毎晩もっふもふです。
こんにちは、特任研究員の吉田です。

さて、お知らせしていた「臨床試験・治験の語りプロジェクト」の新しいパンフレットが出来上がりました!
よりわかりやすくするため、表紙を「新しいくすりや医療機器の開発に協力したことがある患者さんへ」と変更し、あたたかみのあるデザインとなりました。
デザイナーさんに協力していただき、たくさん打ち合わせをして、たくさん変更して…完成品を手にしたときの喜びはひとしおでした。これを持参し、病院や患者団体さんなどに協力のお願いをする旅がはじまります。みなさまのお手元に届きますように。
このパンフレットに興味があるかたは、公共政策研究分野にご連絡ください。お送りいたします。

(写真上)表紙面です。A3二つ折り版とA4三つ折り版がございます。大きなサイズは大きな字でよりわかりやすく、小さなサイズはポケットにもしのばせられます。
(写真下)中面です。どちらも記載内容はほぼ変わりません。可愛い鳥たちがこのプロジェクトの説明をしてくれています。
[文責・吉田幸恵]

 

 

在外研究が終わりました ウプサラより(6)

2014/02/24

ウプサラ大学での活動は全日程を終了しました。ステファン先生には最後の日まで論文についてコメントをいただき、何とか構成について及第点をもらいました。マッツ先生からはいくつかの宿題をもらいました。温かく接してくださったメンバーをはじめ、多くの方々と別れることは名残惜しいですが、今回の滞在をきっかけに次の新たな段階、新たな関係に進めるという意味では祝福するべきことだとも思っています。個人的にも、大きな病気やケガもなく帰国できることは大変な幸運です。

私の作業の関係上、公衆衛生や研究倫理、研究者のライフスタイルなどに興味が偏ってしまいますが、個人的に総評しますと、スウェーデン社会は、種々の社会問題を抱えつつも、不信感や性悪説ではなく、有形無形の政策基盤と良識によって主に支えられているように見えました。生命倫理についても、合理性と機能性を重視した政策作りが印象的ですが、国が個々人の行動に深く介入する土壌もあります。もう一つ認識したことは、日本で起きている問題は、海外の問題意識をそのまま当てはめるのではなく、日本での問題意識を大事にし、また日本なりの解決策を考えなくてはいけないという、当然と言えば当然のことでした。逆も然りで、日本の問題や解決策の本質を海外に説明することはなかなか容易な作業ではありません。

最後の昼食会で、(今さらですが)私はこのセンターが受け入れた初めての海外研究者だということを知りました。慣れないことも多くあったはずですが、常に温かく、そして公平に接していただきました。余韻に浸る余裕はなさそうですが、今回の滞在が実りあるものであったといえるよう、次にお会いするときに少しは成長した姿をお見せしたいと決心しました。最後になりましたが、ウプサラ大学CRBの愛すべきメンバーたち、滞在をサポートしてくれた支援スタッフの方々、また快く送り出してくださった所長や武藤教授はじめ職場の方々に心より御礼申し上げます。

上写真:ウプサラは欧州では有名なネコの童話の舞台です。下写真:同じく市内にて。冬の長い夜にはろうそくの灯りが好まれています。

井上:ウプサラ大学にて在外研究中/スウェーデン王国)

 

 

大学院進学説明会(4/19@医科研)

2014/02/15

 平成27年度、医科研内の研究室に所属を希望される方のための進学説明会が、4月19日(土)に開催されます。当研究室には、新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻と、大学院学際情報学府文化・人間学情報コースから受験して頂くことができます。
 理系から進学される方の場合、ゲノム医療、再生医療、研究倫理・研究倫理支援に関する研究者を志す方を歓迎しますが、必ず出願前にご相談下さい。
 また、文系から進学される方の場合には、もう少し研究範囲を広げて頂くことが可能ですが、やはり必ず出願前にご相談下さい。
 研究室見学等、歓迎致します!

 

 

臨床試験・治験の語りの「難しさ」(臨床試験の語りプロジェクト・吉田)

2014/02/15

東京では2週連続の大雪でした。
みなさまのお住まいの地域はいかがでしたか?
わたしの自宅は玄関前に雪が大量に積もり、ドアが開かなくなりました。
はじめまして、特任研究員の吉田です。

この研究室でわたしは「臨床試験・治験の語りデータベースプロジェクト」のインタビューを担当しています。
このプロジェクトの詳細につきましてはこちらを御覧ください。

ある病いとともに生活している人から、その生活のなかで臨床試験・治験に参加したというたったひとつの事項について語っていただくのですが、これがなかなか難しいのです。
語り手となる参加者さんからは「病いの経験」は語ることができるものの、「臨床試験・治験に参加した経験」は何をどうやって語っていいものかわからない、といったご意見をよく聞きます。
「臨床試験・治験に参加した経験」は特に特別なものでなく、日常生活の延長線上にあるもので、それを他者に伝えることが何かに役に立つのだろうか、という疑問が起こるのです。

「そもそも何から話せばいいのか…」と悩む参加者さんが多くおられるようで、インタビュー協力者の募集にはなかなか苦戦しております。
わたしは「何を話せばいいのかわからない」という参加者さんの話にも興味を持っています。「なぜ、臨床試験・治験の経験の語りは語りにくいのか/語るに足らないと思ってしまうのか」。社会学出身のわたしとしては、この状態に大変関心をもち、「臨床試験・治験の語りの困難さ」に注目した報告を今年度2回させていただきました。

■第13回CRCと臨床試験のあり方を考える会議in舞浜
「臨床試験参加者の語りデータベース構築の取り組み――なぜ臨床試験の語りは「困難」なのか」9月15日(土)、16日(日)@東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート(吉田、中田、別府、有田、武藤)
■第86回日本社会学会
「臨床試験の語りの「役割」と「困難」―「臨床試験参加者の語りデータベース構築」の取り組みから」10月12日(土),13日(日)@慶應義塾大学(吉田、武藤)

このプロジェクトは、語りの分析を通じて、臨床試験・治験を取り巻く倫理的問題を明らかにし、被験者保護の質向上を目指すことを目的としていますが、お話を聞くなかでその人がどのように病いと向き合ってきたのかといった背景も見えてきます。インタビューを重ねるたびに、理屈では片付かない「どうしようもなさ」みたいなものをひしひしと感じます。その「どうしようもなさ」が垣間見える「臨床試験・治験の語り」は当初の目的以上の「臨床試験・治験周囲のリアル」が見えてくる、最先端な試みなのかも…と思っています。

まったくまとまりがなくなってしまいましたが、臨床試験・治験に参加したことがある患者さんをまだまだ募集しています(唐突!)。
是非、お話聞かせてください。進捗状況についてはまたこちらでご報告させていただきます。[文責:吉田幸恵]

 

 
読み込み中