『医学のあゆみ』(特集:希少遺伝性疾患の最前線:科学と社会をつなぐ)に寄稿しました(渡部・武藤)
2026/03/25

『医学のあゆみ』 296巻10号 (2026年3月発行)(特集:希少遺伝性疾患の最前線〜科学と社会をつなぐ)に、「希少疾患のゲノム情報の利活用とELSI(倫理的・法的・社会的課題)」を寄稿しました。
渡部沙織, 武藤香織, [2026]「希少疾患のゲノム情報の利活用とELSI(倫理的法的社会的課題)」『医学のあゆみ』第269巻10号, 968-972. doi: https://doi.org/10.32118/ayu296100968.
国内で希少疾患のゲノム情報の利活用が推進され,データ利活用の基盤整備が行われている状況に伴い,2023年に「ゲノム医療推進法」が施行されました。現在、2025年11月に閣議決定された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」に基づいてゲノム情報に基づく差別や偏見の防止のための取り組みが開始されています。
一方で、2000年代から早期に遺伝差別禁止法制を整備してきた諸外国でも、既存の規制が及ばない領域での新たな課題が生じてきています。また、AI技術の導入や、産業界も含めた国際的な幅広い利活用の促進は、従来は想定されていなかったゲノム情報のプライバシーリスクの懸念に関する議論を生じさせています。
本稿では、希少疾患領域のゲノム解析研究の推進と法整備の状況を概観しながら、ゲノム情報に基づく差別・偏見への対処などをはじめとするELSI(倫理的・法的・社会的課題)について整理し、今後の課題について考察しました。(渡部)