10月の公共政策セミナー
2025/10/08
2025年10月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2025年10月8日(水)13:30-16:00ごろ
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
◆Web参加方法:公共政策メンバーの方は、共有カレンダーのURLからご参加下さい。
※所外の方は、お手数ですがご参加都度、開催当日昼12時までに渡部までご連絡下さい。セミナー開始までに参加用URLと当日の資料ファイルをお送りします。
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:河合 香織(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 博士後期課程)
タイトル:インターネットを通じた難病のゲノム医療や遺伝情報の伝え方に関する検討
要旨:近年、ゲノム医療の進展に伴い、遺伝情報の提供は患者や家族の結婚・妊娠・出産のみならず、診断後の生活設計や家族内での情報共有など多岐にわたる意思決定に影響を及ぼしている。特に希少な疾患や難病については、多くの患者や家族が身近にアクセスできるインターネット上の情報源において、欧米に比べ日本ではゲノム医療や遺伝情報についてわかりやすい情報提供が充分になされていない状況がある。また情報を伝える上で、「余命」「普通」といった配慮が必要な表現が意図せざる誤解を生じさせたり、発信者の無意識のジェンダーバイアスなどが差別や偏見を喚起するリスクも存在する。本発表ではこれまでの研究の振り返りとともに、今後開催予定の難病のゲノム医療に関するPPIワークショップのデザインを検討する。
⇨指定発言:村上 文子(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 修士課程)
◆報告2
報告者:木矢 幸孝(公共政策研究分野 助教)
タイトル:高齢者等終身サポート事業者と医療機関との関わり
要旨:単身高齢者の増加等を背景として、全国で推定400社を超える高齢者等終身サポート事業(以下、事業者)の利用が浸透しつつある。2024年6月に公表された「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(内閣官房他)では、利用者の意思を医療機関が把握し、その希望を踏まえた医療を可能にすため、事業者による意向表明文書の作成支援が想定されている。加えて、事業者が関わる現場では利用者本人が意思表示できない場合に、事前に確認した利用者の意向を事業者が医療機関に伝える場合がある。しかし、その際、事業者が医療機関にどのように受け止められたと認識しているかについては、十分に検討されていない。事業者の語りを通じて、利用者の意向が医療現場でどのように反映され実現されているのかを捉えることは重要である。本報告では、この問題意識のもと、2024年11月および2025年1月〜7月に実施した事業者へのヒアリング調査の結果を紹介する。
⇨指定発言:島﨑 美空 (大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻博士後期課程)