5月の公共政策セミナー
2025/05/14
2025年5月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2025年5月14日(水)13:30~16:00ごろ
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:方 璽正(学際情報学府 修士課程)
タイトル:現代中国における転向療法を合理化する言説について
要旨:現代中国における同性愛は脱病理化が進んでおり、一般市民の同性愛者への態度は受容的・積極的になりつつある。しかし、性的マイノリティを対象とした転向療法が国際的に批判される一方で、家族が同性愛者本人の意思を尊重することなく、転向療法を志向する施設に入所させるという状況がいまだに存在し続けている。
本研究は、上述のような脱病理化と転向療法の存在のバラドックスに着目し、中国における同性愛の特殊性を踏まえながら、転向療法施設への入所を合理化する論理の価値規範を捉えるためにインタビュー調査と言説分析に取り組む。分析を通じて、同性愛が脱病理化されつつある現代中国における、同性愛に対する不可視な言説空間の認識や価値観の可視化を試みたい。
⇨指定発言:松山 涼子(新領域創成科学研究科 博士後期課程)
◆報告2
報告者:西 千尋(公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル:分子生物学におけるELSI・RRI教育および科学コミュニケーション
要旨:本報告では、分子生物学におけるELSIおよびRRI(責任ある研究・イノベーション:Responsible Research and Innovation)に関する科学教育や科学コミュニケーションの分析研究および研究実践例を提示する。RRIはELSIの考え方から発展した考え方であり、研究者・開発者だけでなく市民の意見を研究の上流から取り入れようとするアップストリーム・エンゲイジメントの考えを組み込んだ枠組みである(藤垣 2018)。
報告者は、公共政策研究分野の研究室に所属する前に、分子生物学に焦点を当てたELSIや RRIに関する科学教育の分析の研究を通じて「自分のこととして議論する」重要性を論じた。さらに、分子ロボティクス分野におけるELSI・RRIに関する科学コミュニケーションの研究実践を行い、自然科学分野の研究者を対象とした読み物の作成をした。本報告では、上記の研究実践を報告者の自己紹介も加えつつ紹介する。これらの研究を踏まえて、今後、公衆衛生学分野におけるELSI論点を議論していきたい。
⇨指定発言:李 怡然(公共政策研究分野 准教授)