2月の公共政策セミナー
2025/02/12
2025年2月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2025年2月12日(水)13:30~16:00ごろ
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:三村恭子(公共政策研究分野 学術専門職員)
タイトル:人工物使用の正統化過程をみつめる:産婦人科内診台の開発・使用の歴史から
要旨:日本国内の産婦人科の医療機関には、一般的に「内診台」(産婦人科検診台・診察台)が設置されている。内診台は、受診者を仰向け、開脚の状態に保つ機能をもつもので、様々な診療行為がこの台上で実施されている。
2005年~2008年実施の内診台に関する調査研究(1)より、自動機能がついた椅子型の内診台は、日本に特徴的な医療機器であり、その開発意図には、診療の効率化や、受診女性の羞恥心への配慮が含まれていたことが示された。
本発表では、内診台の開発・使用の歴史をみつめ、どのようにこの人工物が産婦人科医療の中で正統化legitimizeされてきたかを辿りたい。
(1)http://www.meijigakuin.ac.jp/~atsuge/naishindai/index.html
⇨指定発言:渡部沙織(公共政策研究分野 特任研究員)
◆報告2
報告者:永井亜貴子(大学院新領域創成科学研究科 特任研究員)
タイトル:双方向バイオバンクプロジェクト研究参加者を対象とした調査の検討
要旨:バイオバンク・ジャパン(BBJ)では、2024年より、BBJ登録者を対象として、2024年より「バイオバンク・ジャパン登録者を対象とした双方向バイオバンクプロジェクト」を開始し、2025年1月より研究参加者の募集を開始した。
同プロジェクトでは、研究対象者がBBJの研究参加から長期間経過していることや、多くが高齢であること、BBJで初めて電磁的方法を用いたインフォームド・コンセント(IC)を行うことなどの課題が想定され、ICのプロセス、ICで用いる資料や機材などついて、患者・市民の視点を取り入れた上で検討・改善し、実際のICで利用を開始した。
本報告では、バイオバンクの参加動機に関する先行研究などを概観し、同プロジェクトの研究参加者が持つBBJおよび同プロジェクトの参加動機や動機に関連する要因を明らかにすること、開発したIC資材の評価を行うことなどを目的として計画している調査について紹介する。
⇨指定発言:河合香織(学際情報学府 博士後期課程)