6月の公共政策セミナー

2024/06/05

2024年6月の公共政策セミナーが以下の通りに行われました。

◆日時: 2024年6月12日(水)13:30~16:00ごろ
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:木矢 幸孝(公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル:認知症の超早期予測・予防の倫理的課題:FGIの結果からみえてきたこと
要旨:認知症研究に関する新たな展開として、症状があらわれるよりも前に超早期に疾患の発症を予測し、予防することが可能な医療技術・治療薬の開発が目指されている。認知症高齢者やその前段階にあたる軽度認知障害(MCI)の人びとだけでなく、無症状の市民をも対象に、発症前予測や予防が追求される。このような医療技術等が社会実装される際には実際に享受しうる市民がその予測法や予防的介入をどのように評価しているかを把握することが肝要である。しかし、この点はいまだ十分に明らかにされていない。そこで本報告では、症状があらわれるよりも前に認知症を超早期に予測・予防する医療技術を日本の市民はどのように捉えているかについて、2023年10月に実施したフォーカス・グループ・インタビュー(FGI)の結果を発表する。調査の背景や先行研究の状況を踏まえ、FGIからみえてきたことは何であったのか、社会実装に向けた倫理的課題を考えたい。
指定発言:佐藤 桃子(学際情報学府 博士後期課程)

◆報告2
報告者:北尾 仁宏(公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル:新興感染症の蔓延時等におけるCHIM研究とその法的諸課題の概観
要旨:COVID-19パンデミックを受けて、先進国を中心に100日ミッションと呼ばれる国際プロジェクトが進行中である。次のパンデミックでは感染症の発生からワクチン等の実地投入までを100日以内で完遂しようというこの極めて野心的な計画を達成するために、有力な方策として、健常者に人為的な感染を惹起させることを伴うControlled Human Infection Model(CHIM)の利用が日本でも模索されている。しかし、一般に現在の日本ではCHIMを利用した研究に対する認知度自体が低調で、その社会的正当性を担保する論拠をめぐる議論も全く足りていない。
 本報告では、CHIM及びCHIM研究自体の意義を確認した後、英蘭豪その他の各国の経験も踏まえたCHIM研究の課題を法的観点から広覧する。各論点に対する報告者自身の暫定的な見解も一応提示するが、むしろ論点提示を通じた議論の叩き台を準備することが本報告の主たる目的である。
指定発言:武藤 香織(公共政策研究分野 教授)