2月の公共政策セミナー

2023/02/08

2月の公共政策セミナーは以下の通りでした。

日時: 2022年2月8日(水)13:30~16:00ごろ
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:
飯田 寛(新領域創成科学研究科博士課程)
タイトル:
遺伝情報に基づく差別禁止とは何か-生命保険と労働分野における制度設計
要旨:ヒトゲノム解析計画によって遺伝情報が明らかになることでの差別が懸念され、ユネスコは世界宣言で差別禁止の考え方を示した。遺伝情報だけを特別視することは遺伝子例外主義といった批判的な議論もあったものの、諸外国では遺伝情報の利用に関する法規制をつくりあげてきた。しかし、日本では現在のところ規制は存在しない。日本の先行研究では、議論が必要であることが明らかになっているが、議論の前提となる制度設計の課題などを具体的に示した研究は見当たらない。
本研究の目的は日本の遺伝情報の取扱いをめぐる議論と制度的な課題を明らかにし、より具体的な制度設計が進んでいる海外での議論の事例を取り上げて検討することで、差別の防止に向けた制度設計の枠組を提示することである。本研究の方法は文献研究より、日本の文献研究を第一研究と設定し、国内での政策的な議論の経過を明らかにし、これまで制度設計に至らなかった要因を検討、また、遺伝情報が加わった場合の差別の論点を明らかにする。海外の文献研究を第二研究と設定し、海外の議論と差別禁止の制度設計をした国々の議論を明らかにし、それらを踏まえて日本の制度設計を考察する。今回のセミナーでは、論文の構成に沿って博士論文の内容を発表する。