2020年第2回公共政策セミナー

2020/06/10

本日第2回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:6月10日13時半~16時頃

発表者1: 船橋亜希子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル: 治療中止・差控えの法的責任について、改めて考える

要旨:

治療中止・差控えの正当化は、刑法・医事法において重要な論点の一つである。2020年3月にドイツで公表された、臨床倫理に関する勧告「COVID-19パンデミックに関連する救急・集中医療における資源配分に関する決定」および、臨時勧告「コロナ禍における連帯と責任」とこれらの勧告に関する議論を契機として、日本における治療中止・差控えの法的責任に関する議論を振り返りながら、整理・検討を行う。

発表者2: 河合香織(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 修士課程)
タイトル: 遺伝的特徴と結婚出産の助言-遺伝医療の専門家はどう語ってきたか

要旨:

遺伝医療の専門家が、結婚や出産について医療従事者や患者・家族に対してどのように助言してきたかを検討する。戦前から今日まで本課題に関連して網羅的な文献調査を行ったうえで、80年代の文献として遺伝性疾患の医療者と患者に対して結婚出産に関する助言を行っている記述が見られる『患者と家族のためのしおり』(厚生省特定疾患難病の治療・看護調査研究班編,1982)、医療者向けの助言の記述がある『遺伝性疾患への対応』(大倉興司編,1985)を取り上げ、これらの内容と、現在「難病情報センター」(https://www.nanbyou.or.jp)で公開されている内容を比較し、その助言の変化を検討した。本セミナーではその結果と考察を発表する。