2019年第8回公共政策セミナー

2020/01/08

本日第8回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:1月8日10時~12時半頃

発表者1: 内山正登(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 客員研究員)
タイトル: 2019年の研究活動の報告と博士論文の概要

要旨:

昨年一年間、これまで行ってきた受精卵を中心としたヒト生殖細胞系列へのゲノム編集に関する啓発プログラムの開発以外に、食品へのゲノム編集の利用に関する意識調査、遺伝分野における適切な用語のあり方に関する研究活動を進めてきた。それぞれ、学会発表と論文投稿というかたちでまとめることができた。そこでこれらの報告をするとともに、現在取り組んでいる博士論文の概要と進捗状況について説明する。

発表者2: 須田 拓実(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻医療イノベーションコース 修士課程)
タイトル: Undocumented Immigrantsの医療へのアクセスに関わる諸課題について

要旨:

発表者が昨年4月以降に主に取り組んできた内容を整理した上で、特に関心を持った上記のテーマについて調べたことと、今後の課題や発表者が調査・検討したいことを報告する。在留資格のない外国人(Undocumented Immigrants)に関して、医療の提供より取締を強化しようとする国々が見られる。例えば米国では、特に現在の政権下での移民政策において、連邦政府が主体となってUndocumentedImmigrantsを拘束し、国外追放する事案が多数ある。この動きに対して一部の州や医療機関では、在留資格を問わず外国人が必要とする医療を提供することで、ある種の「駆け込み寺」として機能するべく取り組まれている。日本では、2000年代の取締強化により、Undocumented Immigrantsの数は減少した。しかし、近年で国策として受け入れ数が急増している技能実習生を初めとして、在留資格を失うリスクを抱えた外国人は存在し、今後の増加も見込まれる。海外での議論を参考にしつつ、日本国内でUndocumentedImmigrantsに対しても医療へのアクセスを担保するために、発表者が今後取り組むべきと考えている課題を述べる。