2019年第5回公共政策セミナー

2019/10/09

本日第5回公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:10月9日11時~12時頃

発表者1: 北林アキ(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻博士後期課程科)
タイトル: 患者・市民の視点を踏まえた医薬品情報の提供を実現するための課題の検討

要旨:

医薬品は、品目毎に厚生労働省の承認を受けて初めて製造販売、すなわち市場に出荷又は上市できるようになる。しかし、承認前に得られる副作用等の情報は一般的に限られることに加え、2017年の条件付早期承認制度の開始等によって、承認後の情報収集の重要性が、副作用の早期発見や適正使用のために一層増している。収集する情報源として、これまで主であった製薬企業や医療者からの情報に加え、患者から寄せられる情報の利点が注目され始め、副作用の早期発見や適正使用のために当該情報を規制当局の意思決定に活用する取組みが世界的にも進んできている。しかし、こうした取組みが始まったのは2000年代初頭と比較的最近のことであり、未だ各国でも模索が続き、課題を抱えている状況である。そこでリサーチクエスチョンとしては、患者の実体験の情報を基に承認後の医薬品評価を行うという世界的な動向が、市民と医薬品行政の関係にどのような変化を求め、またそれはどのように可能なのか、ということを考案した。本報告にて、現在構想中の研究計画を共有することで、今後の調査研究の計画立案のための糧としたい。