2019年度第3回公共政策セミナー

2019/07/10

本日、2019年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:7月10日(水)13時半~15時頃

発表者: 李怡然(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル: 家族内における遺伝性がんの「リスク告知」に関する研究

要旨:

がんゲノム医療の推進に伴い、疾患の早期発見や予防、治療薬の選択のために、疾患の発病リスクを家族内で情報共有すること(「リスク告知」)が医療者から推奨されるようになっている。遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)は、医学的にactionable(対処可能である)とされる代表的な遺伝性がんであり、診断を受けたもしくは疾患の疑いがある患者から血縁者に「リスク告知」を行うことがますます期待されると考えられる。では、患者はどの程度、家族と遺伝学的なリスクや遺伝学的検査に関する情報を共有しようとしているのか。また、伝えるかどうかの選択にはどのような背景や、課題があるのか。
本研究では、上記の問題意識を出発点に、HBOC患者と家族へのインタビュー調査を実施している。本報告では、現在取り組んでいる博士論文の全体の構想を示した上で、これまでに実施した調査の結果の中から、「リスク告知」に関する語りに着目して、報告を行う。