2019年度第2回公共政策セミナー

2019/06/12

本日、2019年度、第2回目の公共政策セミナーが開かれました。

ゲストスピーカーの方にもお越しいただきました。

内容は以下の通りです。

◆日時:6月12日(水)13時半~16時頃

発表者1: 船橋亜希子(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル: 最先端医療における刑事過失責任を考える

要旨:

2017年度より「がんゲノム医療」という最先端の医療におけるELSI研究に携わったことを契機に、最先端医療と刑法の接点の模索と検討を繰り返してきた。当該活動における自身の一つの到達点が、伝統的な論点への回帰と再検討の必要性であった。そこで、当該課題に関するこれまでの取り組みと、現在行っている研究内容について、刑事医療過誤に関する研究内容も振り返りながら、報告する。

発表者2: 中田はる佳(国立がん研究センター 社会と健康研究センター生命倫理・医事法研究部 研究員)
タイトル: 未承認薬へのアクセス方法に関する日米比較

要旨:

保険診療によるがん遺伝子パネル検査の導入や、人工知能技術による治療法選択の拡大により、患者が未承認薬の利用を検討する機会が増加することが見込まれる。未承認薬の利用方法として、日本では2016年から拡大治験と患者申出療養制度が導入されている。一方、米国では、従来からあったFDAのExpanded access programに加えて、いわゆるRight-to-try法が導入され、2018年5月末には連邦法が成立している。本報告では、日米の未承認薬利用制度を概観した上で、患者団体のウェブサイト調査の結果を紹介し、未承認薬利用に関する情報の普及について検討する。