2018年度第3回公共政策セミナー

2018/07/11

本日、2018年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2018年7月11日(水)13時30分~16時00分

発表者1: 飯田寛(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程)
タイトル: 発症前検査の影響-生命保険

要旨:

修士論文中間発表会を控えて現在取り組んでいる研究(発症前検査の影響‐生命保険)の背景・目的・方法・調査内容・考察・研究の限界について報告する。発症前検査の進展・普及が生命保険に影響することとしてアットリスクの状態の方及び血縁者が保険に入れないという遺伝差別の問題、アットリスクの加入者が将来のリスクを告知しないで加入する逆選択の問題が挙げられる。各国が発症前検査の生命保険の利用について規制をつくっているが、日本では規制が存在せず、保険業界の議論も進んでいない。そこで、遅れてしまった日本で議論を進めるためには、海外の参考になる事例を明らかにすることとステークホルダーたる日本の生命保険業界・会社員の発症前検査に関する知識・考えなどの現状を明らかにするこが必要と考える。このことを研究の目的とする。海外の事例として英国のモラトリアム協定制定までの経緯について文献調査を実施。日本の現状把握については生保研修会参加者に対する事前アンケート調査を実施。調査結果とそこから得られる考察と今後の予定について報告する。

発表者2: 菅原風我(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程)
タイトル: iPS細胞研究をめぐる難病患者たちの「政治」

要旨:

本報告は、主に二つの内容について報告する。
まず、2000年代初頭から注目を集めた医療人類学・社会学の議論である「生物学的市民権」に関する文献調査の結果について報告する。報告の後半では、この概念を踏まえて、本邦におけるiPS細胞研究をめぐる難病の患者の積極的な参加や参画を捉えなおし、修士論文の今後の研究計画についてお話しする。