2018年度第1回公共政策セミナー

2018/05/09

本日、2018年度、第1回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2018年5月9日(水)13時30分~16時00分

発表者1: 楠瀬まゆみ(理化学研究所 科技ハブ産連本部 医科学イノベーションハブ推進プログラム 上級技師)
タイトル: 医科学イノベーションハブ推進プロジェクト紹介

要旨:

医科学イノベーションハブ推進プロジェクトは、各共同研究機関からヒト疾患に関する様々なデータを取得し、人工知能を用いた解析によって疾患についての理解を進め、患者さんの状態を細く分類することによって個別化医療の実現を目指すというものである。報告者は、昨年12月より同プロジェクトに参加する機会を得た。本報告では、同プロジェクトの概要を紹介するとともに、そこから見えてきた倫理的課題について報告する。

発表者2: 井上悠輔(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 准教授)
タイトル: 先住民族の人類学標本とrepatriationをめぐる議論

要旨:

日本では議論されることが少なかったが(とはいえ、一部の関係者にとっては長い議論の経過があるが)、先住民族からの人類学標本をめぐる議論は、科学の世界では国際的に一つのトピックであり続けてきた。これらは、人体の研究の対象・手段として最も古典的なものである一方、各国の医学関連の法規や倫理規程での位置づけは定まらないままであった。とはいえ、研究対象のフロンティアとして人体が注目される今日、また新たな解析手法が発展する中において、これらの標本は改めて注目される話題となっている。本発表では、イギリスをはじめとする、いくつかの国際的な議論の展開を踏まえつつ、日本国内の近年の議論への論点を提示する。