日本臨床薬理学会でポスター発表をしました(システム癌新次元)

2016/12/03

皆さんこんにちは。特任研究員の中田はる佳です。システム癌新次元・武藤計画班の中では、主に、人工知能技術をがん研究・がん診療に活かしていく際の倫理的・法的・社会的課題(ELSI)や政策状況について検討しています。

先日、第37回日本臨床薬理学会学術総会で「人工知能の医療応用における倫理的課題の論点整理―IBM Watsonを例として」と題してポスター発表をしてきました。東京大学医科学研究所では、2015年7月からIBM社のコグニティブコンピューティングシステム・Watsonをがん研究に導入しています。今年の8月にはWatsonを用いた診断に関するニュースが大々的に取り上げられたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。人工知能技術の医療応用に対する期待が高まっている中で、Watsonを一つの例として、倫理的・法的・社会的観点から考えていくべき論点をいくつか提示しました。そして関連する政策・規制の状況について、議論が先行している欧米と比較しながら今後の展開を検討しました。多くの方がポスターに足を止めてくださり、関心の高さを感じました。

人工知能技術の医療応用に関連するELSIに関してはまだまだ論点がありますが、実用化への動きに遅れることなく引き続き検討していきたいと考えています。