【院生室より】科学技術社会論学会へ参加してきました

2016/11/08

こんにちは。M2の藤澤空見子です。
暦上ではもう冬ですね。日が経つにつれ風が冷たくなり、冬の訪れを感じます。

11月5日(土)~6日(日)に北海道大学札幌キャンパスにて開催された、科学技術社会論学会に参加してきました。
去年は聴講のみでしたが、今回は「遺伝カウンセリングにおける科学的知識の位置付け−−非侵襲的遺伝学的検査を中心に−−」というタイトルで口頭発表をさせていただきました。

今回の報告内容は、心理支援という要素も入っている遺伝カウンセリングの中で、認定遺伝カウンセラーは科学的知識をどのように位置付けているのかを、認定遺伝カウンセラーを対象としたアンケート調査・インタビュー調査を通じて明らかにする、というものです。
科学技術社会論や科学社会学の分野では、従来、科学・技術の「社会的な」利用に関する意思決定において科学的知識の絶対性が信じられてきましたが、近年その絶対性が覆されつつあります。
今回の発表では、科学・技術の「個人的な」利用に関する意思決定においても、科学的知識の絶対性は存在しないのではないか、ということを具体的なデータと共に示すとともに、心理支援と科学的知識は分けがたく、むしろ「科学的知識は心理支援に包括される」という構造として認定遺伝カウンセラーに認識されていることを明らかにしました。

会場では、遺伝カウンセリングの実態に関する質問をいくつかいただき、調査の中で聞いた具体的なエピソードを紹介しながら回答しました。
発表では時間の関係もありあまりエピソードを細かく紹介しなかったのですが、具体的な事例を示す重要性を実感し、修士論文の中では事例紹介をしながら論じていくべきだと反省しました。
今後に活きる気付きを得ることができ、とても有意義な体験となりました。また、一部の聴衆の方からポジティブなコメントをいただけて、とても嬉しかったです。
発表の他には、福島県いわき市の復興に関するセッションで防災教育や異なる学問分野の協働についての発表を聞いたり、人工知能をテーマにしたワークショップに参加したりしました。

武藤研究室からは、私の他に、井上悠輔先生・吉田幸恵さんが「ゲノム医療と人工知能の研究開発段階における諸問題」というタイトルで、また学生の佐藤桃子さんが「出生前遺伝学的検査のガバナンスの変遷」というタイトルで口頭発表を行いました。

私は今回が初めての口頭発表でとても緊張したのですが、なんとか無事に終えることができ、ほっとしています。笑
今後は修士論文完成に向けてより本格的に取り組んでいきますが、どんどん寒くなるので体調に気をつけながら執筆していきたいと思います!
みなさんも風邪に気をつけてくださいね。

(M2・藤澤空見子)