【院生室より】日本社会学会に参加してきました

2016/10/12

こんにちは。D1の李怡然です。
あっという間に10月も半ば、一気に涼しくなりましたね。

10月8日(土)9日(日)に九州大学伊都キャンパスにて開催された第89回日本社会学会大会の「家族」部会にて、“親から子への「告知」-出生コホート研究に参加する親の認識と語り方の考察”というタイトルで報告を行いました。
年に一度、全国から社会学者が集まる一大イベントで、二年前に神戸大学にて開催された大会に次いで2回目の参加となりました。はじめての発表に不安と緊張で震えていた、当時の思いが蘇りました。

養子縁組や生殖補助医療において、子どもの「出自を知る権利」行使の出発点として重要視されてきた「告知(telling)」という概念を、子どもを対象とする医学研究という新たな領域に応用して考察する、というのが本報告の趣旨でした。今回は、出生コホート研究に子どもを参加させている母親・父親を対象に実施した調査の中でも、何を・どう伝えるつもりなのか、という「語り方」のパターンにしぼって考察をし、これまでに検討されてきた「告知」と比べてどのような違いがあるのか、意義や展望についてまとめました。

聴衆の方から、いくつかご指摘や質問をいただき、今後さらに考えを詰めなければいけない点に気付かされました。日頃のゼミでは、何度も皆さんに研究構想を聞いていただいているので、言葉の説明がぼんやりしていても、なんとなく通じてしまうことがあります。はじめて聞く人にもわかりやすく伝える訓練をする上でも、外部で発表することは大事だなと実感しました。対象や方法論はばらばらでも、「家族」という切り口で研究をされている他の報告者との交流を深められたことも、貴重な機会でした。
ほかにも、「精神・保健・医療」などの部会を覗きに行き、患者・家族の語りの分析、健康/病気・障害に関する社会学的な考察について、バラエティーに富んだ発表を楽しみました。

来月には学際情報学府の「博士コロキウム」(博士論文の執筆に向けて先生方の前で、研究構想や進捗について報告をする場)が待ち受けています。
今回の発表は、それに向けて今一度、問題設定や課題を見つめ直す上でも、よいタイミングだったと思います。
気がつけば、今年もあと2ヶ月弱!?宿題はまだまだたくさん、早く片付けなくては。

(D1・李怡然)