出生前診断と国家の関係に関する報告が掲載されました(佐藤)

2016/09/12

2016年8月に刊行された『生物学史研究』No.94に下記の報告が掲載されました。

「出生前診断における国家の役割——羊水検査、母体血清マーカー、NIPTに対する国家の関与の分析」(佐藤)

この報告は、昨年9月に開催された「2015年度生物学史分科会夏の学校」にて発表したものです。
1970年代、1990年代、2010年代にそれぞれ登場した羊水検査、母体血清マーカー検査、NIPT(新型出生前診断)という検査技術に対し、厚生省・厚生労働省の委託研究がどのような視点からアプローチしてきたかを調査、整理しました。

その結果、委託研究は新しい個別の検査技術には左右されていないこと、一方で遺伝カウンセリングに関する研究は母体血清マーカー検査とNIPTが登場した時期にそれぞれ再開されていたことが分かりました。

修士論文では、特に母体血清マーカー検査とNIPTに関して、検査技術のガバナンスと厚生省・厚生労働省の関係性に着目する予定です。