2015年度第3回公共政策セミナー

2015/07/29

本日、2015年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年7月29日(水)10時00分~12時30分

発表者: 武藤香織(公共政策研究分野 教授)
タイトル: 人文・社会科学研究の研究倫理教育について

概要:

2014年に「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」が改正されて以降、人文・社会科学系の研究機関でも研究不正や研究倫理に関する大学院教育、Faculty Developmentが実施されるようになった。しかしながら、医学・生命科学分野以上に学問の手法上の多様性があること、事例が蓄積されていないことなどから、教育内容は未成熟な状況にある。本報告では、報告者が試行してきた教育内容を振り返りつつ、デブリーフィング、悪事の是認など特有の論点に関する検討を含め、人文・社会科学研究の研究倫理教育を体系化を目指すための論点整理をしたい。

発表者: 岩本八束(新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 修士課程2年)
タイトル: メディアにおける「バイオバンク」の語られ方―日米の新聞記事比較を通して―

概要:

現代の生命科学・医学研究において、ヒト試料を用いた研究は不可欠であり、ヒト試料の収集・保管・配布を行う「バイオバンク」は重要な役割をもつ。現在、その運用がもたらす社会的な影響にも注目が集まっており、「バイオバンク」は社会に対する責任を果たすことが求められている。しかし、これまで責任の観点から「バイオバンク」をめぐる科学コミュニケーションのあり方が実証的に検討されたことはなかった。そこで本研究では、「バイオバンク」を取り巻く利害関係者間で共通の媒体となりうるマスメディアの一つである新聞記事を用いて、「バイオバンク」がこれまでどのように語られてきたのかを分析した。今回の発表内容は、修士論文のドラフトとして作成した。