2015年度第2回公共政策セミナー

2015/06/17

本日、2015年度、第2回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年6月17日(水)10時00分~12時30分

発表者: 楠瀬まゆみ(公共政策研究分野特任研究員)
タイトル: Japanese Public Attitude toward “Animals Containing Human Material”

概要:

移植用臓器が慢性的に不足するなか、患者由来のiPS細胞を用い、動物体内で臓器を作製する研究が行われている。移植用臓器作製を目的とした、基礎研究のための動物性集合胚の作製は、「特定胚の取扱いに関する指針」によって認められている。しかし、作製した動物性集合胚を人や動物胎内に戻すことは同指針によて禁止されており、胚の育成期間も限定されているため、現在指針の見直しが検討されている。そこで我々は、2012年2月首都圏在住の一般生活者24名を対象に「人の要素を持つ動物(Animal Containing Human Material:ACHM)」に関する一般市民の意識、動物性集合胚研究とその規制への態度について試行的に質的調査を実施した。
セミナーにおいては、本調査の英語論文原稿をもとに、調査結果について報告する。

発表者: 発表者:藤澤空見子(大学院学際情報学府修士課程)
タイトル: 非侵襲的遺伝学的検査(NIPT)をめぐる、遺伝カウンセリングと一般市民の関係

概要:

2013年4月より、非侵襲的遺伝学的検査(Non-Invasive prenatal genetic test;NIPT)の臨床研究が開始された。NIPTは、これまでの出生前検査と比較すると、大々的な報道がなされた点や遺伝カウンセリングの利用が義務化されている点など、特徴的な点がいくつか存在する。2003年度から養成課程が新設された遺伝カウンセラーは、遺伝カウンセリングが義務付けられているこの技術において、どのように機能しているのだろうか。また、現場における「情報提供側」や「専門家」としての苦悩や葛藤はどのようなものなのか。本研究では、これまであまり焦点が当てられてこなかった遺伝カウンセラーの目線から見た遺伝カウンセリングの実態を明らかにするとともに、彼らの役割や機能を科学技術社会論の文脈の中で考察する。
今回の発表内容は、7/1(水)~2(木)に行われる学際情報学府中間審査のドラフトとして作成した。