新しいくすりや医療機器の開発に協力したことがある患者さんの体験談、大募集!(臨床試験の語りプロジェクト・武藤)

2014/02/13

新しいくすりや医療機器の開発(いわゆる臨床試験や治験)に協力したことがある患者さんの体験談、まだまだ募集しております。

こうした研究に患者として協力した方や、協力を断った方、途中で中止になった方の体験談を集めて「語り」のデータベースをつくり、その一部をウェブサイトに公開するとともに、よりよい臨床試験・治験実施体制を考えるという趣旨のプロジェクトです。インタビュアーは、特任研究員の吉田幸恵さんと大学院生の中田はる佳さんが担当しています。

これまでに14名の患者さんのインタビューを終了しましたが、ネタバレしないように感想を述べますと、
(1)お一人お一人の尊い生活史の前には、研究倫理の世界の理屈では折り合いがつかないことが多いなあ
(2)日常診療の上に折り重なる臨床試験や治験の立ち位置は、本当に難しいなあ
という感じでしょうか?

つまり、臨床試験・治験の性質を理解したうえで、参加を決意し、語りたいという意欲をお持ちの方と出会うのは、今のところ極めて難しいってことです。「経験者の声を聞こう!」と言い出した我々自身、なかなか出会いがなく結構な困難と向き合っていまして、そこに向き合うためにも、今年度は、以下の学会で報告して参りました。

日本質的心理学会第10回大会
「「語り」の可能性―臨床試験・治験の語りデータベース構築の取り組み」8月30日(金)~9月1日(土)@立命館大学(吉田、中田、有田、武藤)

■第13回CRCと臨床試験のあり方を考える会議in舞浜
「臨床試験参加者の語りデータベース構築の取り組み――なぜ臨床試験の語りは「困難」なのか」9月15日(土)、16日(日)@東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート(吉田、中田、別府、有田、武藤)

■第86回日本社会学会
「臨床試験の語りの「役割」と「困難」―「臨床試験参加者の語りデータベース構築」の取り組みから」10月12日(土)、13日(日)@慶應義塾大学(吉田、武藤)

■第34回日本臨床薬理学会学術総会
「英国における臨床試験の参加動機とその課題――国際比較にむけて」12月3日(水)~5日(金)@東京国際フォーラム(中田、松井、會澤、吉田、武藤)


インタビューに協力して下さる方の目標は50名です。まだまだ募集中ですので、よろしければご参加、または周囲の方々にご紹介いただければありがたいです。詳しいご案内は、ディペックス・ジャパンのウェブサイトをご覧下さい。

この写真は、現在制作中の新しいパンフレットです。完成したら、こちらにも掲載します!

(文責:武藤香織)

*この研究は、文部科学省科学研究費助成事業基盤研究(B)「臨床試験・治験の語りデータベース構築と被験者保護の質向上に関する研究」(研究代表者・武藤香織)として実施しております。
*この研究は、特定非営利活動法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパンの全面的なご協力のもと、北里大学薬学部医療心理学部門の有田悦子さんたちのチームと一緒に進めています。