2013年度第8回公共政策セミナー

2014/02/05

本日、2013年度、第8回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2月5日(水)10時~12時

報告1:
「PGxを利用した医薬品に関する制度研究-日本・台湾の比較研究を中心に-」

報告者: 江 念怡(新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻 公共政策研究分野 修士課程1年)
概要: PGx検査は、新しい医療分野で、台湾においても、日本においても、まだ制度が確立されていないため、今後どのような制度を構築していくべきかは、重要な課題である。医療制度の異なる日本と台湾において、医薬品の市販に関する規制制度、とりわけ、PGxをめぐる規制の現状について、比較検討することで、両国における諸課題を明らかにし、PGx利用に関する規制のあり方について提言したいと考えている。
そこで修士論文で、この課題に取り組むつもりである。今日は先行研究や台湾の医療制度の背景を紹介しながら、修論の構想発表をおこないたい。

報告2:
「精神疾患ブレインバンク構築・運営に関する倫理的・社会的諸課題-脳提供の規定要因-」

報告者: 岩本八束(新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻 公共政策研究分野 修士課程1年)
概要: 精神医学の生物学的研究ではヒト脳組織を利用した研究(死後脳研究)が欠かせない。そのため、効率的にヒト脳組織を収集・配布することを目的とした組織・団体であるブレインバンクは非常に重要であるものの、国内のブレインバンクはその役割を十分に果たしているとはいえない。一部の国内研究者がブレインバンクの課題・問題を多数指摘しているものの、こと提供者募集に関しては十分な議論がなされているとは言いがたい。
そこで、修士課程においては、海外の事例・先行研究から脳提供の規定要因を推定し、さらに日本においてその要因が脳提供にどのような影響を与えるのか明らかにするために、一般市民に対する意識調査を行う。
今回の研究経過報告は、ブレインバンクの概要に触れながら、脳提供の規定要因を中心に行う。また、作成中の調査票についても報告を行う。