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東京大学医科学研究所公共政策研究分野

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保健医療社会学論集に、ゲノム医療時代における「知らないでいる権利」について考察した論文が掲載されました(李・武藤)

2018/08/20

D3の李です。

保健医療社会学論集に以下の論文が掲載されました。

李 怡然・武藤 香織
ゲノム医療時代における「知らないでいる権利」
『保健医療社会学論集』29(1): 72-82.

 (掲載から一年半を経過した時点でJ-STAGEにて公開される予定です)

 ヒトゲノム研究や遺伝医療において、被検者は遺伝学的検査を受けて自らの遺伝情報を「知る」ことだけでなく、検査を受けずに「知らないでいる」選択をすることも、尊重されるべきだという規範があります。この「知らないでいる権利(the right not to know)」は、1990年代に米国の遺伝性疾患の患者・家族が主張したことが出発点となり、国際機関や各国のガイドラインに明文化されることで、確立されました。

 しかし、2000年代半ば以降、次世代シーケンサーの登場によるゲノム医学の技術革新を経て、今日の患者や家族をとりまく環境は大きく変化を迎えています。そこで本稿では、技術革新や医療の変化に応じて、「知らないでいる権利」をめぐる議論にどのような変遷が生じたかを整理し、現代的な意義はあるのかを考察するため、文献調査を行いました。

 2010年代を境に、“actionable”(「対処可能」である)、すなわち医学的に確立された予防法や治療法があるということを根拠に、患者や家族が発病リスクを「知る」ことを推奨する流れが強まっていることが分かりました。さらに今日、がん遺伝子パネル検査が臨床実装されることで、遺伝性疾患の家系員に限らず一般のがん患者やその家族も含め、遺伝性疾患の発病リスクを予想外に「知らされる」事態が生じうると予想されます。

 ゲノム医療が日常の診療として普及していくなかで、医療者の規範だけでなく、実際に検査を受けられる患者さんやご家族がどのような態度をもっているかを、合わせて明らかにしていきたいと考えています。

 

 
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