2026年5月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2026年5月13日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告
報告者:楊中希(大学院新領域創成科学研究科 修士課程学生)
タイトル:倫理審査委員会におけるAI活用の可否性および検討事項
要旨:
近年倫理審査委員会の運営において集約化の動きが顕著になりつつ
当研究室主催の、2026年度活動報告会/研究室説明会を開催いたします。
公共政策研究分野のメンバーより、取り組んできた研究テーマや活動について、紹介いたします。
また、大学院への進学先として、この研究室にご関心がある方への研究室説明会も兼ねています。
※大学院への進学をご検討されている方は、こちらのページもご覧ください。
◆開催日時:2026年5月9日(土)10:00~12:15 頃 (予定)
◆参加方法:オンライン会議システムZoomを利用(進学希望者は対面参加可)
◆当日の内容
- 当研究室の紹介、大学院の案内
- 研究室メンバーによる最近の活動報告
(※順不同。報告テーマは仮のものであり、後日変更の可能性があります)
- 「身寄り」のない高齢者の医療に関わる意思決定支援
村上 文子(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 博士後期課程)
- 出生コホート研究における母親の参加経験の検討
松山 涼子(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 博士後期課程)
- 非HIV/AIDS領域の臨床試験におけるPLWH(HIVとともに生きる人々)の包摂:現状と課題
島﨑 美空(東京大学医科学研究所研究倫理支援室/公共政策研究分野 特任研究員)
- ワクチン開発のためのヒトチャレンジ試験に対する期待と懸念
永井 亜貴子(東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任助教)
- 認知症の超早期予測・予防を考える――2050年に向けた倫理的課題
木矢 幸孝(東京大学医科学研究所公共政策研究分野 助教)
- 質疑応答
◆お申し込み方法:
下記の申し込みフォームより、事前登録をお願いいたします。
最後に「送信」ボタンを押さないと記入内容が送信されませんのでご確認ください。
https://forms.gle/V8Q8f8HjXXb4N5VX9
お申込み締め切り:5月8日(金)12:00まで
※当日参加用のZoom URLは、開始時刻までにメールで送信させて頂きます。
※障害等を理由に特別な配慮をご希望の方は、フォームの欄にご記入ください。後日、担当者から別途ご連絡させて頂きます。
※大学院入試を受験される方は、事前に教員との面談が必要になります。別途、研究室窓口(pubpoli@ims.u-tokyo.ac.jp)までご連絡ください。
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◆本イベントに関するお問い合わせ
東京大学医科学研究所 公共政策研究分野
活動報告会/研究室説明会 担当(河田、三村)
Email:event@pubpoli-imsut.jp
公益社団法人認知症の人と家族の会が実施した、「研究における認知症当事者のニーズと参画の推進に関する調査研究事業」(令和7年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金)に、検討委員会の委員長として参加する機会をいただきました。
2024年1月に施行された、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」に基づく「認知症施策推進基本計画」の重点目標(2024年12月)では、「認知症の人と家族等の経験・意向を踏まえながら研究テーマを構成する当事者参画型研究を推進する」ことが謳われています。この事業では、どのように当事者の研究ニーズを聞き、どのように参画を実現できるのかを様々な意見交換の工夫を凝らして模索しました。このたび、読み応えのある報告書が刊行されましたので、ぜひご一読ください。
特任研究員の渡部です。
3月23日(月)に、患者・市民参画イベント「難病のゲノム医療について考えよう!〜ゲノム医療や「遺伝」をウェブ上でどう伝えるか?〜」を開催しました。
Peatixページ:https://260323-genome.peatix.com/

厚生労働行政推進調査事業補助金(難治性疾患政策研究事業)「革新的技術を用いた難病の医療提供体制推進に関する研究」(研究代表者・水澤英洋)(以下、「水澤班」)は、難病の全ゲノム解析等実行計画やゲノム医療のあり方について研究と検討を行っている研究班で、武藤香織先生が分担研究者として加わり、研究室スタッフ(李・渡部・河合)が研究活動に参加しています。
前身の班の時期も含め、水澤班として2021年からこれまで計68名の患者・家族の方々に患者・市民参画(PPI)にご参加いただいて参りました。倫理的配慮の方針の検討、ICF(説明同意文書)のレビュー、説明補助動画や資料に対する助言など、頂いたご意見を難病の全ゲノム解析の研究体制の議論に届けることに注力してきました。
また、今回のような、幅広い患者・家族や支援者の方々に難病のゲノム医療について知っていただくための公開ウェビナー(兼意見交換会)も定期的に開催しています。
ゲノム医療に関する情報について、医療従事者に尋ねる前に、患者・市民が自分で調べる行為は、ごく一般的にものになってきました。「遺伝」やゲノム医療に関してウェブ上で情報発信を行う際、どのような配慮が必要なのかについて、患者・家族の視点を参考にしながらあり方の検討を行う必要があります。
そこで新たにPPI協力者の方を公募して、ウェブ上での情報提供のあり方に関してグループインタビューを実施し、倫理的配慮の課題を議論していただきました。2026年1月から3月にかけて、9名の難病の患者・家族のPPI協力者の方々が全4回のグループインタビューに参加しました。
今回のウェビナーでは、前半で厚生労働省から難病のゲノム医療の進捗状況をご講演いただき、後半ではグループインタビューについて報告しました。PPI協力者の患者・家族から4名の方が登壇し、インタビューでの議論やご自身のお考えを話してくれました。ウェビナーには137名の患者・家族、支援者や研究者の方々の参加登録を頂きました。

「遺伝」やゲノム情報について何気なく使用していた専門用語や情報の発信に、センシティブな配慮が求められることを私たちもPPI協力者の方々との議論から学んでいます。今後も、PPI協力者の方々から助言を頂きながら、関係の研究者や機関と連携して提言の取りまとめを進めていきたいと考えております。(渡部)

『医学のあゆみ』 296巻10号 (2026年3月発行)(特集:希少遺伝性疾患の最前線〜科学と社会をつなぐ)に、「希少疾患のゲノム情報の利活用とELSI(倫理的・法的・社会的課題)」を寄稿しました。
渡部沙織, 武藤香織, [2026]「希少疾患のゲノム情報の利活用とELSI(倫理的法的社会的課題)」『医学のあゆみ』第269巻10号, 968-972. doi: https://doi.org/10.32118/ayu296100968.
国内で希少疾患のゲノム情報の利活用が推進され,データ利活用の基盤整備が行われている状況に伴い,2023年に「ゲノム医療推進法」が施行されました。現在、2025年11月に閣議決定された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」に基づいてゲノム情報に基づく差別や偏見の防止のための取り組みが開始されています。
一方で、2000年代から早期に遺伝差別禁止法制を整備してきた諸外国でも、既存の規制が及ばない領域での新たな課題が生じてきています。また、AI技術の導入や、産業界も含めた国際的な幅広い利活用の促進は、従来は想定されていなかったゲノム情報のプライバシーリスクの懸念に関する議論を生じさせています。
本稿では、希少疾患領域のゲノム解析研究の推進と法整備の状況を概観しながら、ゲノム情報に基づく差別・偏見への対処などをはじめとするELSI(倫理的・法的・社会的課題)について整理し、今後の課題について考察しました。(渡部)
2026年3月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2026年3月11日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
◆Web参加方法:公共政策メンバーの方は、共有カレンダーのURLからご参加下さい。
※所外の方は、お手数ですが昼12時半までに渡部までご連絡下さい。セミナー開始までに参加用URLと当日の資料ファイルをお送りします。
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:原田 香菜(公共政策研究分野 客員研究員・早稲田大学法学学術院 講師)
タイトル:生殖補助医療・ヒト生命の始期に関わる技術をめぐる法状況と多様化する「家族」
要旨:ヒトの受精・着床・妊娠継続・出産のプロセスを支える技術の発展と普及は著しく、2023年に体外受精・顕微受精および凍結融解胚移植により生まれた子は85,048人に上り、同年の日本国内の全出生児数727,277人の約11.7%を占めた。いまやこれらのプロセス自体に介入し、従来は不可能とされていた懐胎を可能とする技術、あるいは出生前の検査に基づく胎児治療の一部が「医療」として実施されている。一方、これらの技術を介して子を持つことを望む当事者の背景や「家族」の在り方自体も多様化している。
このような状況の中、わが国では具体的な法的規範・制度が未整備であり、判例は個々のケースに応じた判断を余儀なくされている。2025年にはドナー提供配偶子等を用いる「特定生殖補医療」に関する法案が提出されたものの、対象者の要件(法律婚の男女に限定)や、子がアクセスできる出自に関する情報(非特定情報)の内容・開示時期など多岐にわたる問題が山積しており、廃案となった。
本報告では、ヒト生命の始期に介入する技術に関するルールと制度の在り方について、生まれてくる子の権利・利益をどのように守るかを軸に検討したい。
⇨指定発言:武藤 香織(公共政策研究分野 教授)
◆報告2
報告者:由井 秀樹(理化学研究所 生命医科学研究センター 研究員)
タイトル:優生学史と色覚に基づく入学・就業制限
要旨:20世紀の日本では、色覚が「異常」とみなされたら、進学及び就業において様々な制限が課されてきた。色覚は基本的には伴性遺伝であるため、進学や就業の制限があるが故に、結婚や生殖の問題としても立ち現れてきた。
個々人の色覚はグラデーションであり、どこに「正常」「異常」の線引を行うかという問題がある。日本では、石原色覚検査表という簡便かつ「正常」の範囲を狭くとる検査が広く用いられてきた。このことにより、明らかに過剰な制限が課され、1980年代以降の色覚差別撤廃運動に結びついた。
近年、日本では1948年に制定された優生保護法のもとで実施された強制不妊手術の問題が大きな社会的注目を集めている。こうした状況の中で、日本の研究者は過去の強制不妊手術の実態解明に向けた取り組みを強化している。本報告は優生結婚と色覚をめぐる歴史を検証することで、日本の優生学史を補強することを目的とする。
19世紀末のスウェーデンでの鉄道事故以降、世界的に鉄道や船舶の運転士への採用制限が広がっていった。日本も例外でなく、軍隊の採用制限にも取り入れられていった。この流れで、簡便かつ精度の高いとされる石原色覚検査表が開発され、国内で広く用いられるようになった。そして鉄道や軍隊の採用制限は法規に基づくものであったが、医師や染物業、化学者、教師なども「色を間違える危険性」故に慣習的に採用や専門職教育の門戸が閉ざされていった。
1940年に国民優生法が制定された。この流れで、厚生省が優生結婚相談所を創設し、「色覚異常」も優生結婚の争点となる「疾患」であった。1948年に優生保護法が制定され、「全色盲」(極めてまれな状態)が強制不妊手術の対象と位置づけられた(ただし、強制不妊手術の主たる対象となったのは、遺伝性とみなされた「精神薄弱」であったので、「全色盲」を理由とする手術はほとんど無かったと思われる)。戦後、優生結婚の考え方は、過剰人口対策として避妊の普及が第一義的に目指された家族計画の文脈で語られることが多く、ここでも色覚が取り上げられてきた。
優生結婚や家族計画の文脈で論じられる色覚は、日常生活に支障があるわけではないケースが大半であるため、生殖が絶対的に禁じられるものではなかった。しかし、専門家から厳しい進学・就業制限の状況が解説されており、「色覚異常」者の生殖は肯定的に捉えられていなかった。つまり、形式的には、生殖の決定は個々人の自主性に委ねられていたのだが、それ故にこそ、人々の結婚・生殖の悩みを掻き立てることになったのである。
⇨指定発言:島﨑 美空(大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 博士後期課程)
2026年2月20日、東京大学人文社会系研究科社会学研究室・社会学談話会と東京大学医科学研究所公共政策セミナーの共催により、「医療と障害の社会学」特別セミナー「リプロダクションをめぐる医療と支援」が開催されました。
「医療と障害の社会学」は、社会学研究室の井口高志先生が開講なさっている通年の大学院ゼミです。本ゼミには、武藤研からも、学際情報学府博士課程の河合さんと村上が参加しています。
このたび、中国・江南大学の安姍姍先生をお招きし、特別企画として実施されました。
安先生からは、「レジリエンスのイディオム:中国妊産婦の語りからみるメンタルヘルスの実態と支援の方向性」と題したご発表があり、
中国の妊産婦が不調や不安をどのように引き受け、意味転換させながら生活を維持しているのかについて報告がなされました。
武藤研からは、河合さんが「ハンチントン病の結婚・出産の意思決定:医療者との関係に焦点を当てて」という題目で発表を行いました。
ハンチントン病の当事者・家族および医療従事者へのインタビューを通じて、結婚・出産の意思決定をめぐり、医療者の「非指示的」態度と当事者の思いの間に生じるずれなどを明らかにしました。
発表後には、会場全体から活発な質疑応答がなされ、研究室を超えた貴重な交流の機会となりました。
(文責・学際情報学府M2 村上)
2026年2月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2026年2月18日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
◆Web参加方法:公共政策メンバーの方は、共有カレンダーのURLからご参加下さい。
※所外の方は、お手数ですがご参加都度、開催当日昼12時までに渡部までご連絡下さい。セミナー開始までに参加用URLと当日の資料ファイルをお送りします。
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:佐藤 桃子(理化学研究所生命医科学研究センター 生命医科学倫理とコ・デザイン研究チーム 特別研究員)
タイトル:日本における消費者直販型の遺伝祖先検査の特徴と認知度
要旨:消費者直販型(direct to consumer, DTC)の遺伝子検査は、検査の精度や購入者の個人情報の保護に関して国内外で議論を呼んできた。DTC遺伝子検査には祖先の情報を明らかにすると謳うものもあるが、この検査が欧米で人種主義や先住民族のアイデンティティと言った点で議論されてきた一方で、日本のDTC遺伝祖先検査はほとんど学問的な注目を集めていない。
本発表は、まず日本におけるDTC遺伝祖先検査について、どのような検査が、どのように宣伝されて販売されているのかを明らかにする。次に、日本の一般市民を対象に実施した、DTC遺伝祖先検査の知名度や関心に関するアンケート調査の結果を紹介する。その上で、日本のDTC遺伝祖先検査が「単一民族神話」の根強い日本社会にもたらしうる影響について検討を行う。
⇨指定発言: 木矢 幸孝(公共政策研究分野 助教)
何卒、どうぞよろしくお願い申し上げます。
特任研究員の西 千尋です。
『科学技術社会論研究』に、生体分子や非生体分子を用いて設計/構築する「分子ロボット」分野の研究者・学生へのインタビュー調査を行った短報が掲載されました。
文献情報:
西 千尋、桜木真理子、見上公一 2026:「分子ロボティクスにおける協働を支援する試み 『「研究者の自治」のためのレファレンスブック』に関する考察」『科学技術社会論研究』、24、67-75.
本稿は、以前私が札幌医科大学 桜木真理子氏、慶應義塾大学 見上公一氏と共編著したオープンアクセスの読み物『「研究者の自治」のためのレファレンスブック』(以下、レファレンスブック)が、どのように受け入れられたかを検証したものです。
対象読者である分子ロボティクス分野の研究者や学生に対してインタビューを通じて示唆された、レファレンスブック作成者の意図との関連性や、インタビューに応じた研究室を主宰する研究者と、学生・若手研究者のすれ違いについて描かれています。
もしよければ、お手に取ってお読みください。
厚生労働科学研究班でご一緒している山縣 然太朗先生が編集された、雑誌「公衆衛生」2026年 05月号の「特集 身寄りのない人の医療、介護支援の現状と課題」に武藤 香織・村上 文子・木矢 幸孝「身寄りのない人の医療の意思決定について──倫理的社会的観点から」を寄稿しました。高齢者の医療の意思決定やその支援について様々な課題が指摘されていますが、そもそも「身寄り」とは何かを考え直すとともに、解決策として提唱されている用語について基本的な解説を書きました。ぜひご覧ください。
武藤研の恒例イベントのなかには、年1回の遠足があります。
今年度の遠足は、日本橋周辺で行いました。
最初は「くすりミュージアム」。
映像やゲームを通し、薬のデザインや薬の働きなどについて、楽しく学べる施設です。
一人1枚ずつもらったメダルを使い、思い思いに薬に親しみました。
研究のなかでよく耳にする薬も多く、特徴や用途を視覚的に知ることができ、良い勉強になりました。
昼食は、少し歩いて割烹へ。
それぞれ好みの和食ランチを味わいながら、研究室メンバーとゆっくり近況報告などをしました。
午後は「国立映画アーカイブ」へ。日本で唯一の国立映画専門機関です。
展示室には、無声映画からアニメーション映画まで、映画の進化の要となる映像の上映に加え、映画のポスターや台本、撮影機材など、多岐にわたる映画関連資料が展示されていました。
個人的には、関東大震災の記録映画が印象に残りました。アーカイブにもなっているので、後日アクセスしてみたいと思います。
また、歴史に残る映画の上映も毎日数本行っており、この日は『ふたたび男が』などが観られました。
近場で密度の高い経験をすることができ、充実した一日となりました!
(文責・学際情報学府M2 村上)
D2の松山です。
長崎県で開催された、第36回日本疫学会学術総会/第3回国際疫学会西太平洋地域合同大会でポスター発表を行いました。
今回の発表テーマは、出生コホート研究のELSIについてです。
本研究では、出生コホート研究に関する既存の知見を整理するために文献調査を行うとともに、日本の出生コホート研究に関わる研究者を対象としたインタビュー調査を実施しました。これらを通じて、長期にわたる研究運営の中で生じる倫理的課題や、研究参加者との関係性について検討しました。
学会当日は、疫学をはじめ、さまざまな分野の研究者の方々に関心を持っていただき、インフォームド・アセントや子どもの研究参画をめぐって意見交換を行うことができました。異なる専門分野からの視点に触れることで、自身の研究テーマを改めて見つめ直す貴重な機会となりました。
雑誌「周産期医学」(Vol.56 No.1)の「特集 周産期における生命倫理を考える」に三村恭子・武藤香織「進みゆく周産期医療を支える科学技術のELSI(倫理的,法的,社会的課題)を考える」を寄稿しました。
公開シンポジウム「現代の新生児医療における臨床倫理の考え方と
近年、新生児の生命維持治療の停止をめぐる議論が再び注目を集め
出生・発達分科会では、歴史的背景から現状まで総合的に検討した
年度末のお忙しいところ恐縮ですが、ぜひお申し込みください。
日時:2026年3月1日(日)13:00~16:00
場所:日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)(現
対象:どなたでもご参加いただけます
イベント詳細ページ:https://www.scj.
お申し込み:以下のリンク先申込フォームより、お申し込みくださ
事後配信のみをご希望の場合もお申し込みください。
https://forms.gle/A2RZD2JYHAkP
プログラム:
【第1部】見解「現代の新生児医療における臨床倫理の考え方と医
司会
藤井 知行(日本学術会議第二部会員/国際医療福祉大学大学院・医学部
水口 雅(日本学術会議連携会員/心身障害児総合医療療育センターむら
1.見解『現代の新生児医療における臨床倫理の考え方と医学的意
髙橋 尚人(日本学術会議第二部会員/東京大学医学部附属病院教授)
2.障害学の立場から
熊谷 晋一郎(日本学術会議第二部会員/東京大学先端科学技術研究セン
3.生命倫理学の立場から
島薗 進(日本学術会議連携会員/東京大学名誉教授)
4.法学の立場から
米村 滋人(日本学術会議連携会員/東京大学大学院法学政治学研究科教
5.臨床倫理の観点から
笹月 桃子(日本学術会議連携会員(特任) /早稲田大学人間科学学術院教授)
【第2部】見解に対する意見
司会
武藤 香織(日本学術会議連携会員/東京大学医科学研究所教授)
古庄 知己(日本学術会議連携会員/信州大学医学部教授)
1.新生児医療に携わる立場から
加部 一彦(埼玉医科大学医学部特任教授)
2.家族の立場から
櫻井 浩子(東京薬科大学薬学部教授)
【第3部】総合討論
座長
髙橋 尚人(日本学術会議第二部会員/東京大学医学部附属病院教授)
笹月 桃子(日本学術会議連携会員(特任)/早稲田大学人間科学学術院
お問い合わせ先:新生児生命倫理研究会事務局 neonatal.bioethics@gmail.com
主催:日本学術会議臨床医学委員会・健康・生活科学委員会合同出
主催:新生児生命倫理研究会
特任研究員の河田と渡部です。
研究における「患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)」を、実際の経験談を通して学べるインタビュー動画と動画プレイリストが公開されました。本動画は、厚労科研PPI班*およびAMED吉田班*の成果の一つです。

「患者・市民参画(PPI)経験者へのインタビュー動画リストを公開しました」
https://genomeppi.jp/topics/20260123.php
インタビューの実施と動画の作成は、神奈川県立保健福祉大の中田はる佳先生が中心になり、武藤先生、河田と渡部が参加しました。編集の過程で大学院生の松山涼子さん、島﨑美空さんにも作業をサポートして頂きました。
本動画は、下記のPPIプロジェクトに関わられた14名の方々のインタビューです。
- エコチル調査(環境省)
- RUDY JAPAN(大阪大学)
- AIDEプロジェクト(大阪大学)
- 患者・市民パネル(国立がん研究センター)
- 患者・市民パネルでのリスク層別化がん検診に関する検討会(国立がん研究センター)
「患者・市民」「研究者」「運営者」というそれぞれの立場で、PPIに関わった経験や思いを語ってもらいました。
研究者と患者・市民、そして両者をつなぐ運営者がどのように関わり合い、協働を進めているのかを具体的に知ることができる内容です。それそれの立場から、これからPPIを始めよう、取り入れようと思っているみなさんへのメッセージにもご注目ください。動画は PPI JAPAN のYouTubeチャンネルで公開されています。
まずは、プレイリスト1本目の「ダイジェスト版」をぜひご覧ください。
▶ プレイリスト(PPI JAPANのYouTubeチャンネル内)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLc9nF-yV2x963A3az8oRWjtTOJg9HCDfC

*厚生労働科学研究費補助金行政政策研究分野政策科学総合研究(倫理的法的社会的課題研究事業)「人を対象とする生命科学・医学系研究における患者・市民参画の推進方策に関する研究」研究代表者 ・武藤香織(東京大学)
*国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 研究倫理・社会共創推進プログラム「医療研究における社会共創を推進するPPIプラットフォーム構築に関する研究開発」研究開発代表者 ・吉田 雅幸(東京科学大学)
ちょっとご無沙汰しましたが、久しぶりに「みんなのラジオPPI」をお届けします。
気楽に聞いていただくため、zoomだけど音声メインでお届けしております。
申込を完了した方限定で事後配信もするため、当日ご都合が合わない方のお申込みも、お待ちしています。
日時:2026年2月16日(月)18:30~20:00(予定)
開催方式:zoomウェビナー
お申し込み:お申し込みはこちらからお願いします。事後配信を希望される方もお申込み下さい。
内容(※都合によりプログラム順が変更になりました):
1.製薬会社と患者・市民参画の未来とは?
ゲスト:森 和彦さん(日本製薬工業協会 前専務理事)
森さんは、厚生労働省で医薬担当の審議官をお務めになった後、製薬協の専務理事になられました。ご退任の際の報道では、
「専務理事としての5年間を振り返り、製薬協と患者団体との連携が進んだ事が一番大きな変化だった」
と語られています。果たしてどんなことが進展し、どんな課題があるのか、今だからお話し頂けることを語って頂きます。
進行:河田純一、武藤香織(東京大学医科学研究所)
2.AMED「PPIガイドブック」の改定に向けて
ゲスト:勝井恵子さん(AMED)ほか
2019年に日本医療研究開発機構(AMED)が発行した『患者・市民参画(PPI)ガイドブック』をご存じですか?
AMEDの委託により、研究班が改定箇所の検討を開始します。
当日は、発行された当時やこれまでの国内の状況を振り返りながら、
改定に向けたご意見をいただけたらと考えています。
ぜひこのガイドブックをお目通しのうえ、ご参加ください。
進行:河田純一、武藤香織(東京大学医科学研究所)ほか
主催:
一般社団法人 ピー・ピー・アイ・ジャパン(PPI JAPAN)
日本医療研究開発機構(AMED)研究倫理・社会共創推進プログラム「持続可能なPPIの導入と普及に向けた基盤構築に関する研究開発」(東京科学大学、東京大学他)
2026年1月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時:2026年1月14日(水)13:30-
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
◆Web参加方法:公共政策メンバーの方は、共有カレンダーのURLからご参加下さい。
※所外の方は、お手数ですがご参加都度、開催当日昼12時までに渡部までご連絡下さい。セミナー開始までに参加用URLと当日の資料ファイルをお送りします。
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:北尾 仁宏(筑波大学ビジネスサイエンス系 助教・公共政策研究分野 客員研究員)
タイトル:「『善き』『医療』」の決定及び実現の過程的区分に関する医事法的考察:統合的医事法の観点による総論原理定立へ向けた一試論
要旨:本報告は、「『善き』『医療』」という二重に評価的な要素を含むこの概念をめぐる規範的対立の混迷を、価値の「決定過程」と「実現過程」との理論的未分化に求め、両者を峻別する枠組を提示する試みである。意味・価値・規範の生成構造を踏まえつつ、人格概念に基づく参加や選択の位置付けを再構成し、医療における自己決定の理解を統合的医事法の観点から再定位すべく、私案を提供する。
⇨指定発言: 河合 香織(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 博士後期課程)
何卒、どうぞよろしくお願い申し上げます。
D2の松山です。
2025年12月14日に山梨大学で開催された第43回山梨県小児保健協会学術集会に参加し、口頭発表を行いました。発表テーマは、出生コホート研究に参加する子どもの研究参加に対する母親の認識についてです。本発表では、エコチル調査に参加する小学6年生の母親を対象としたインタビュー調査の結果をもとに、母親が子どもの研究参加に関する理解や態度をどのように捉えているのかを明らかにしました。また、生まれた時から研究に参加してきた子どもが、いつ、どのように研究参加者としての自分を意識するようになるのかという点が、出生コホート研究における重要な論点であることを示唆しました。
インフォームド・アセントや子どもにわかりやすい研究成果の還元の方法についてなどの質問が寄せられ、今後の研究の方向性を検討する上で有益な示唆を得ることができました。
2025年12月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2025年12月10日(水)13:30-16:00ごろ
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
◆Web参加方法:公共政策メンバーの方は、共有カレンダーのURLからご参加下さい。
※所外の方は、お手数ですがご参加都度、開催当日昼12時までに渡部までご連絡下さい。セミナー開始までに参加用URLと当日の資料ファイルをお送りします。
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
◆報告1
報告者:河田 純一(公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル:「高額療養費引き上げ問題」の社会問題化過程:アンケート分析結果からの考察
要旨:2024年12月に提示された高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げ案は、患者団体の反対運動や野党の批判を受け、2025年3月に異例の「見送り」となった。本報告は、この一連の経緯で重要な運動行為となった患者団体によるアンケートと署名に着目し、特に、緊急アンケート(回答3,623件)の自由記述を分析する。主たる関心は、回答者が誰であり、どのような不利益をもたらす事態として制度変更を問題化したのか(治療継続の断念、受診抑制、就労・家計への波及、家族負担、将来不安等)、そして患者団体がその語りを要約・分類し、代表的フレーズや数値と結びつけて社会問題へと焦点化したプロセスである。資料として、公表された取りまとめ、審議会資料、議会議事録、報道記事、私的なメモを突き合わせ、医療費負担に関する経験が「社会問題」として立ち上がるメカニズムを検討する。
⇨指定発言:方 璽正(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 修士課程)
(報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆ワークショップ
武藤 香織 (公共政策研究分野 教授)
研究の意味を再発見し、次の一歩に踏み出そう
一年間、おつかれさまでした。
今年を振り返り、来年を考える時期にあたり、
自分の研究の意味や価値を考え、
これから何をすべきか、
ともに語り、考える時間にしたいと思います。
参加要件:
1)研究をしている方
2)セミナー室で参加できる方、または、オンライン参加の場合、顔を出して話せる環境を確保できる方
当研究室特任研究員の河田です。この度、立教大学経済学部の安藤道人教授との共著論文が、『医療経済研究』Vol. 37 No. 1 に掲載されましたのでご報告いたします。
本論文では、高額な医療を受ける患者さんの生活に直結する「高額療養費制度」の2024年度改革案に焦点を当て、その政策決定過程を詳細に分析しました。
■ 論文タイトル 高額療養費改革案はどう見送られたのか:2024 年度案の政策形成・修正過程と患者運動
[記事へのリンク: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhep/37/1/37_2025.05/_article/-char/ja/]
■ 研究の背景と概要 本研究では、2024年度の高額療養費制度改革案に焦点を当てています。 具体的には、2024年12月に提示された「自己負担限度額の引き上げ案」が、患者団体の反対運動や野党からの批判を経て、2025年3月に異例の「見送り」決定となったプロセスを取り上げました。
論文の主なポイントは以下の通りです。
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歴史的経緯の整理 高額療養費の自己負担額引き上げ案が提示され、見直されるに至った経緯を詳細に整理しました。具体的には、高額療養費の創設から2024年の引き上げ案の決定までの歴史的な経緯を整理した上で、2024年末から2025年3月にかけての引き上げ案の政策修正過程を検討しました。
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政策修正過程と患者運動の分析 一度提示された引き上げ案がなぜ修正されたのかを、その過程で重要な役割を果たした患者団体の運動に着目しました。患者団体が、要望書・アンケート・署名活動・ロビー活動・専門家との連携などを通じて引き上げ案の政策論点化と世論形成に成功し、最終的に見送りが実現した経緯を検証する
政策形成の現場で何が起きていたのかを記録・分析することは、今後の医療政策と患者参画のあり方を考える上で重要な意味を持つと考えています。
■ 共同研究者 立教大学 経済学部 教授 安藤道人 先生
■ 今後に向けて 今回の分析対象となった一連の患者運動には、私自身も一人の運動当事者として参加しておりました。その渦中で得た経験や視座を、アカデミズムの場できちんと言語化し、記録していくことも研究者として大切だと感じています。今後も、今回のような経済学との連携をはじめ、学問領域の垣根を越え、現場の実践と研究をつなげていくことに力を尽くしてまいります。ぜひ、上記リンクよりご一読いただけますと幸いです。(河田)






